あすみノート《魔物編》
これまで明日見が戦ってきた魔物達になります
《緑肌の子人の魔物》
私が最初に遭遇して、私に初めて死の恐怖をもたらした魔物。人間の小学生男子のような体格で、頭髪は少なく、長く尖った耳をしている。目つきは若干三白眼気味で瞳の色は黄色に近い。瞳孔は縦長で猫に似ている。口を開くと息がかなり臭い。歯並びはどれも非常に良く、人間によく似た特徴をしている。
身につけている物は、獣の皮で出来た腰蓑や金属の鎧など様々で、特に偉そうで強そうな見た目のヤツほど立派な物を身につけている。武器も丸太を削った棍棒から金属製の刀剣や槍など様々。
一体一体はそこまで強くないが、とにかく数が多い。倒しても倒しても後からどんどん沸いてきて凄く疲れる。知能もかなり高いらしく、私の短剣の間合いを短時間で計りその対処法を素早く共有する程の連携も持つ。
今にして思えばあの時の私は奴等にとって『多少手こずる狩猟対象』でしか無かったかもしれない。
リーダーを倒そうとして接近したら横から何か凄い力がぶつかってきて大怪我をした。かすれた意識の中で見えたのはゆったりとしたローブのような物に身を包んで、手に何か細長い棒のような物を持ったヤツだった。フードを被ってたので顔は見えなかったけど手の肌色は緑色だったのできっと他と似たようなヤツだと思う。
私にトドメを刺そうとしたリーダー格は、周りで騒いでいた子分を一喝で黙らせて私へ続く道を造ってた。きっと強いリーダーだったんだろう。何故私が助かったのかは全く憶えていない。
《二足歩行する犬頭の魔物》
動物園から入った異界で遭遇した魔物。小さい個体でも大型犬に近い体格をしている。衣服の類いは身につけておらず、獣から取れた骨などを加工して造った装飾品を2~3つ程身に付けていただけだった。獣の大きな骨から削り出した棍棒を武器として使っていたが、より強力な武器として自前の鋭い牙や爪を持つ。
非常に素早く動き、こちらから接近戦に挑んでも直ぐに躱されて手痛い反撃を受ける事になる。私の場合は相手の攻撃に合わせて短剣を添えるだけで良かったので途中からはそれ程苦労はしなかったと思う。冷静さを失わなければ何とか戦えたはずだった。
一体一体が中々手強いが一度に来る数が少ないのが救い。狭いところで戦うと危険。アイツは壁も天井も通路の至る所全てを足場として使いあらゆる角度から襲撃してくる。しかもそこでは手持ちの武器を使わず爪や牙を素早く繰り出してくるので対処が間に合わない。私はそのお陰でまたも大怪我をした。
身長が2m以上の巨体を誇る巨大犬頭も居る。その巨体を活かした質量攻撃や、腕力に物を言わせた即席の超重量打撃武器など、一撃一撃が致命傷になり得る打撃を次々に繰り出してくる。カウンターによる片腕の切断と未来による弱体化があって初めて接近戦でまともに戦えた。それでも攻撃を受ける度に意識が飛びかけた。最期は未来による二発目の麻酔が効いて倒れてきたところにトドメを刺した。
次からまた本編に戻ります




