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異世界転生したベイビーは、母親が嫌すぎて生後2ヶ月で歩き始めるらしい。  作者: ゆきだるま
ベイビー、母親に困惑する。
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生後3日目

生後3日目、俺は一人考えていた。




 人はどうして強くなりたいのだろうか?




 生前の俺は、それを強く疑問に思っていた。




 戦わなければいいじゃないか。




 そう強く思っていた昔の俺を、今は引っ叩いてやりたい。




 強くなりたい、男になりたい、自分の力で生きたい。




「いないいないいない〜〜、……ばぁ!」




 俺はマッキーにあやされていた。




 別にいなくなってなんかいないし、ばぁの意味もわからない。




 しかし、本当に辛いのはそれじゃない。




 そんな愚行をダイレクトにかまされながらもポーカーフェイスで耐えていると、マッキーは泣きそうな顔で言う。




「……どうしたの? どうしてそんなに、……元気がないの?」




 そうされるたびに俺は、嘘100パーの笑顔を顔に張り付かせ、




「きゃっきゃっ!」




 と笑い声をあげるしかないのだ。




 自尊心を傷つけながら、母親(知り合って2日目の女)の自尊心を守る。




 俺は、一体何のために生まれてきたのであろう。




 俺は、あと何回自分に嘘をつけばよいのだろう。




 俺がもう一度大人になるまでの期間を考えると気が遠くなる。




 もしも神がいるのならば、たった一つ願うこと。




 力が欲しい。




 この女の世話にならず生きられる力が欲しい。




 この女の鼻っ面に一発かませる力が欲しい。




 ……心から強く願う。




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