表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/57

生後61日目⑤

仲間がいること。




 かつての俺には当たり前だった。




 それと同時にそれがいかに幸せで、暖かくて、希望をくれることだと気付きもしなかった。




 けれど今ならわかる。




 自分が幸福に、安全に生きていけるように、それなりに心配してくれはするけど縛りつけはしない。


 


 そんな感覚は決して”保護者”からは得られない。




 あくまで他人で、本当の意味では利害を共にはしちゃいない。




 けれど目の前にいるそいつが、そいつと過ごす時間が、とても好きなのだ。




 強い愛を胸に抱いている奴からすれば、それはひどくちっぽけなことなのかもしれない。




 けれど俺は思うのだ。




 たとえこの世にどんな幸福が存在したとしても、俺が今それを幸福に感じているのならば、それは決して、偽物なんかじゃない。




「もう~、クナイちゃんかわいい~」




 俺は今、レナの胸に強く抱きしめられていた。




 どうしてだろう、体が小さくても、チン●が勃たなくても、おっぱいというものはどうしてこうも心地よいのだろう。




『確かに、本当の意味でお前はまだ目覚めちゃいねぇ。けれどそれは、今お前が感じているその湧き上がる感情は、決して偽物なんかじゃねぇ。だから……』




 俺は小さく、心の中のチン●に語り掛ける。




「おいおいねーちゃんやめろよ~、クナイちゃん苦しそうだぜ?」




「あらら、ゴメンゴメン、あんましカワイ~からついつい……あはは」




 言いながらレナは俺を持ち上げまたテーブルの上に置く。


「テメェ……」




 俺はジョセフを思いきり睨みつける。




「え? 何? 俺なんか悪いことした?」




「……ふぅ、いや、なんでもねぇ」




 もしも神がいるのならば、たった一つ願うこと。




 このまましばらく赤ん坊のままで。




 チン●だけを大人にしてくれ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ