アオい地球
青い空、雲は居なくて。
小鳥は翼を広げ、空の青さを確認している。
アオい地球。
悲劇のヒーローには成れそうもない。
僕、このごろ。
青い空、光化学スモッグが、
充満しているらしい。 でも、空の色は青のまま。
アオい地球。
心に染み込んで、不思議と鳥になりたい。
僕、分からない。
青い空、黒いコンクリート。
道路わきに、小鳥が死んでいた。
アオい地球。
とても大きくて、一羽死んでも知らんフリ。
僕、呆れちゃう。
僕、分からない。
もし、もし地球がアカだったら、
鳥は地を這いずり、蛇は空飛んで、
でも、猟師に撃たれちゃって、死んじゃって。
もし、もし地球がアカだったら、
殺人鬼は快楽を知らないで死刑で、
なんで? 俺、殺人鬼? ってクエスチョン。
もし、もし地球がアカだったら、
闘牛士、マントいらず、手間要らず、
牛は突進、いつの間にか角が折れてグチャグチャ。
もし、もし地球がアカだったら、
僕は何時だって、殺意が湧いちゃうよ。
アドレナリンで脳内崩壊、家庭崩壊。
そんでもって、アカくなっちゃう。
みんなアカ。 あれ? でも、そしたら、
雲は一体どうなるんだろう?
もし、もし地球がアカだったら、
竜巻は血の色で、海はパパのワインみたいで、
竜巻で身体引き裂かれ、海におぼれちゃう。
そんでもって、アカくなっちゃう。
みんなアカ。 あれ? でも、そしたら、
幼稚園児達のスケッチブック、太陽はどうするの?
もし、もしって、有言未現で、僕、馬鹿じゃん。
もしもし、お母さん。
アカい地球の暮らしは大変だよ、そっちは?
夏休み? 町にヒトが溢れてる? 毎日バーゲン会場?
もしもし、お母さん。
アカい地球では、ヒト一人居ないんだよ。
アカい地球、孤独が無いから、代わりに孤高。
僕、孤高な殺人鬼。
青い空、手のひらには血が流れてる。
小さな、小さなアカい地球を描いてみたり。
アオい地球。
もう一個、もしを言わせてください。
「もし、アカい地球で孤高で殺人鬼だったら、
誰を殺せばいいんだろう?」
僕、自問自答でパニック、オーバーヒート。
青い空、僕は一人じゃない。
僕、とっても弱いんんだ、孤高に憧れてる。
アオい地球。
隣には、いつもの君と君と君。
僕、笑うたび心が泣き叫ぶ。
分かってる、本当の僕は此処じゃない。
青い空、僕は一人じゃない。
いま、小鳥たちが翼をたたみ目を閉じる。
アオい地球。
悲劇のヒーローには成れそうもない。
僕、このごろ。