コント【異世界から来た勇者】
ゲラゲラコンテストの応募作品です。
よろしくお願いします。
勇者…勇
令嬢…嬢
執事…執
勇「ここは何処だ?魔王の気配を追っていたら奇妙な世界に入ってしまった!まさか…魔王の罠なのか!?」
嬢「きゃああああ!空間に穴が開いて剣を持ったコスプレのイケメンが出てきたわ!どう言う事なの!?いやあああ!」
執「私はお嬢様が説明口調で悲鳴を上げている事に驚愕です」
勇「驚かせてすまない。俺は勇者ティティ。魔王を追っていたらここに出てしまった。一体ここは何処なのだろうか?」
嬢「ちょっと聞いた?魔王を追って来た勇者なんですって!流石イケメン」
執「所謂、異世界転移と言うものでしょうか?後、イケメン関係無いですね」
勇「異世界転移…だと?何と言う事だ!」
嬢「ようこそ、イケメン勇者様。ねえ!ねえ!魔王って角とか生えているの?それって聖剣?ちなみに魔法とか使えたりします?」
勇「ちょっと待ってくれ!未だ現実を受け入れられていないのだ。仲間ともはぐれ俺一人で魔王に対抗出来るだろうか…」
執「以外とメンタルの弱い勇者ですね?」
嬢「母性本能を擽られるわ!持って帰って良いかしら?」
執「捨て犬じゃないのですから駄目に決まっているでしょう!」
勇「薬草が三つと魔力回復薬がひとつ…駄目だ…これでは魔王に対抗できない…」
執「蹲ってしまいましたね、勇者」
嬢「魔王ってそんなに強いの?」
勇「ああ、一瞬でそこら一帯を消し炭に変えてしまう魔法が使える」
嬢「まあ大変!腹黒執事のあなたが全身も真っ黒になってしまうわ!」
執「その時は、お嬢様も道連れです」
嬢「そこは身を挺して私を守るとか言いなさいよ!」
執「心にも無い事は言わない主義です」
嬢「パパに言ってクビにしてやる!」
勇「パパだと!?パパは魔王の名前!お前たち…魔王の仲間だったのか!?」
執「何かとんでもない誤解をしていますね?勇者」
嬢「乗っかっちゃう?」
執「性質の悪い遊びはおやめなさい!」
勇「その妖艶な風貌…お前、インキュバスだな!?」
嬢「失礼ね!違うわよ!私は女だからサキュバスよ!」
執「淫魔と疑われた事には怒らないのですか?どうでも良いですけど私を含め勇者より魔人に詳しいですね、お嬢様」
勇「魔王ひとりでも手強いのにサキュバスやインキュバスまで居るとは…」
執「もしかして私がインキュバスにされています?」
嬢「勇者ティティ。あなたに勝ち目は無いわ!大人しく私の恋人になりなさい」
執「乗っかるな!後、イケメン見ると恋人にしたがる病気いい加減治してください」
嬢「恋煩いは病気では無いのよ?」
執「上手い事言ったつもりでしょうけど、お嬢様のそれはただの病気です」
勇「俺はお前達に惑わされたりしない!」
嬢「あなたも巻き込まれたみたいよ?執事」
執「生まれて初めて殺意が湧きました」
嬢「良かった。生まれて初めて殺意が湧いたのが私じゃ無くって」
勇「俺には国に残して来た三人の嫁と十人の子供が居るんだ!」
執「勇者、まさかの妻子持ち」
嬢「一夫多妻なの?流石イケメン」
執「この国だったら、とんだゲス野郎ですが?」
嬢「そうよね。私でも引いたわ」
勇「お前たちをこの聖剣の光りで葬ってやる!」
嬢「本体じゃ無く光で葬るんだ」
執「驚きの新事実」
勇「光れ!聖剣!魔人を葬れ!」
嬢「……光らないわね」
執「お嬢様、スマホを勇者に向けて動画を撮ろうとしないでください」
勇「何故だ…何故聖剣が光らないのだ!?」
嬢「異世界だからじゃない?」
執「身も蓋も無い言い方」
勇「まさか…ここには魔素が無いのか?ホーリーファイヤ!あああ!魔法も使えない!」
嬢「さっきから聞いてて恥ずかしいセリフの連発だわ」
執「二つの意味で勇者ですね」
読んで頂きありがとうございます。
別作品、コント【異世界から来た魔王】も読んで頂けたら幸いです。