第2-3話 弱者で残念な俺は天使を見つけました
望月 文香。
落花と同じ歳で同じ高校に通う女の子。
ショートカットに茶色が混ざった綺麗な髪に、少しツリ目だが目鼻立ちの整った顔をしている。
幼い頃より空手をしており、全国でも美少女空手家として有名だ。
身長は少し高めで友好的、学年でも人気ある優しい女の子。
だが何故か落花には態度が悪い、ちなみに家は隣同士でいわゆる幼馴染みと言う奴だ。
「んで、なんで文香がここに居るんだよ。ってかなんでお前はそういう装備で俺は制服のままなんだ」
「知らないわよそんな事。ルシールちゃんの所でこの格好にされたんだから」
機能性を重視した軽量そうな胸当てに篭手、そして何故かチャイナドレスのように開いている役目をあまり果たしていない腰の防具。
落花はいやらしい目付きでチラチラと見ていることに文香は気づいていない。
「っ!ルシールに会ったのか?」
落花は思い出していた。
自分をまるでゴミでも見るような目でこの世界に放り込んだルシールの姿を。
「会ったわよ、可愛らしい子だったわね。くじ引きして能力が決まった瞬間抱きついてきて、頑張ってね!お姉ちゃんって笑ってくれたわね」
『おいぃ!俺との対応に比べて天地程差があるんだが!』
「ところでなんで文香はここに来たんだ?まさかお前もマンホールからここに?」
「そうよ、なんか文句あんの?貧弱なアンタが不良に追いかけ回されてたから、助けてあげようとしたのよ。そしたら不良達が、逃げてる最中にマンホールがどうとか言ってたから覗いてたら、その、、」
文香は何やらもごついている。
「お前、まさか覗いてたらマンホールから落ちたのか?」
文香は恥ずかしそうに顔を赤らめながら頷く。
落花は昔から文香が少しドジだった事を思い出した。
「あ、あたしの話はいいだろ!っていうか真生はなにしてたのよ、こんな草原のど真ん中で、そんな制服で。装備品は貰わなかったの?」
落花はこれまでの経緯と、ルシールが落花にした仕打ちを憎らしげに語った。