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第1章 試合前 その8

主な登場人物(カッコ内は登場人物のエピソードを紹介している部分)

小林龍也・・北江ジャガーズファン。(第1章その1、その2、その7、その8)

滝沢忠・・・北江ジャガーズのエース(第1章その5、その6)

土井勘太郎・北江ジャガーズ監督(第1章その4、その9、その10)

田中香織・・毎朝スポーツ北江ジャガーズ担当記者(第1章その3〜その5、その10)

秋山めぐみ・独占スポーツ北江ジャガーズ担当記者(第1章その3〜その5、その10)

畠山正・・・第7戦の主審(第1章その2)


*お断り*

この小説は2008年に行なわれた日本シリーズ第7戦、埼玉西武ライオンズ対読売ジャイアンツをベースにしています。モデルになっている選手の経歴や試合進行はかなり忠実に再現していますが、選手の性格及び言動、また登場する審判、記者、ファン等は全てフィクションです。その旨ご了承いただきますようお願いします。


 そうこうしているうちに入り口ゲート付近が慌しくなってきた。

 今日の開門予定は3時半だった。まだ2時半を過ぎたところだったが、どうやら各ゲート前にすでに多くのファンが並んでいるようで開門時間が早めることになったようだった。

「大変、長らくお待たせしました。これよりお客様を場内にご誘導いたします。本日はご来場ありがとうございます」

 場内アナウンスとともにファンがゾロゾロとスタンドに入っていった。龍也もバッグのチャックを半開きにして係員に中身を確認させたあと、はやる気持ちを抑えきれないように早足でスタンドに向っていった。

 ちょうどグラウンドではシティーズの選手が打撃練習をしていた。ジャガーズの選手の打撃練習はこのあとだ。まだ、グラウンドに出ている選手はほとんどいない。

 自分の席を見つけて腰を降ろそうとした瞬間、龍也の携帯が鳴った。美佐子からだった。

「ねえ、もう着いているの?」

「たった今到着したところ。もう、開門していてさ、今、席を見つけたところだよ」

「そう、私何時くらいに行けばいいかな?」

「え、まだ家出てないの?」

「うん、あれからちょっと友達から電話かかってきちゃって、まだ支度終えてないの」

「しょうがねえな。だったらさ、何か簡単にお弁当でも作ってきてよ。それで5時半ごろに来れば十分だからさ」

「うん、わかった。ゴメンネ。おにぎりでも作って持っていくわ」

「オッケー。チケット忘れるなよ」

「ありがとう。じゃあ、後で」

そんな会話をしているうちにジャガーズの選手がダッグアウトから姿をみせはじめた。

「待ってました〜」

「ガンバレー!!」

「勝てよ〜!!」

 スタンドから選手に向ってさまざまな声がかかった。外野スタンドではすでにジャガーズの応援歌が鳴り響いている。

 試合開始まで3時間以上あるのにすでにスタンドもグラウンドも独特の緊張感に包まれ始めていた。



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