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第1章 試合前 その10

主な登場人物(カッコ内は登場人物のエピソードを紹介している部分)

小林龍也・・北江ジャガーズファン。(第1章その1、その2、その7、その8)

滝沢忠・・・北江ジャガーズのエース(第1章その5、その6)

土井勘太郎・北江ジャガーズ監督(第1章その4、その9、その10)

田中香織・・毎朝スポーツ北江ジャガーズ担当記者(第1章その3〜その5、その10)

秋山めぐみ・独占スポーツ北江ジャガーズ担当記者(第1章その3〜その5、その10)

畠山正・・・第7戦の主審(第1章その2)


*お断り*

この小説は2008年に行なわれた日本シリーズ第7戦、埼玉西武ライオンズ対読売ジャイアンツをベースにしています。モデルになっている選手の経歴や試合進行はかなり忠実に再現していますが、選手の性格及び言動、また登場する審判、記者、ファン等は全てフィクションです。その旨ご了承いただきますようお願いします。


 第7戦までシリーズがもつれたら和田を先発させることはかなり前から決めていた。しかし、和田には一ヶ月半という実戦のブランクがあるだけでなく、日本シリーズ勝ちなし、そしてこのドームでの相性の悪さが気にかかっていた。

 シーズン通算150勝近くをあげていて、長年常勝ジャガーズのエースに君臨して、シリーズにも6回も登板しているのに勝ち星なしの5連敗。

 そして昨年ようやく勝ち星をつけたものの、このドームでも10年間近く勝利をあげることはできなかった。

 和田自身、苦手球場と名前をあげるほど相性の悪いスタジアムだった。

いくつもの悪いジンクスが重なる今日の登板だ。傷口が広がらないうちに二番手、三番手の用意を進めておく必要があった。


 土井としては和田に与えられる余分な点は3点が限度だと思っていた。3点以内ならシティーズが中継ぎをだしてくる6回以降で同点もしくは逆転の可能性はかなり高いと思っていた。

 ちょうどその頃、記者席に戻っていた香織とめぐみも両軍のメンバー表をみていた。そしてベンチ入りの選手に滝沢の名前をみつけると思わず二人は顔を見合わせた。

「やっぱり入っているね」

「うん」

 予想通りとはいえ、滝沢のベンチいりになんとなく勝利の予感を抱いていた。


 そして、同じことを考えていた人間がもう一人いた。

 それは達也だった。美佐子が到着し、お弁当として持ってきたおにぎりを一つ口にしたとき、場内アナウンスでスタメンとベンチ入りの選手が発表されていた。

 そして、ジャガーズベンチには滝沢が入っていること、シティーズベンチには角田が入っていないこと。そのことを確認した達也は美佐子にこうつぶやいた。

「今日は勝てるぞ、内田監督は作戦をミスった」

 そして運命の日本シリーズ第7戦は6時16分に球審畠山が「プレーボール」を発し激闘の火蓋はきって落とされた。


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