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ぶらり釣行 第1期  作者: 郡山寅次
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第1話 第1幕 タバコと出会い

今回はまだまだ冒頭なので釣りをしません!

タバコを吸います笑

第1話 第1幕


華山コノミはいつもの様に大学への道を歩いていた。

桜も少し散り緑の葉がチラリと見えていた。

四月二十日の朝である。


華山コノミ

四月十日生まれの二十歳。

経営学部

所属サークル無し。

ぼっち?


コノミは先日ついに二十歳となり酒とタバコの解禁に浮かれていた。

ジーパン、パーカー、パーカーの上にジャージと女子力が高いとは言えない格好に先ほどコンビニで年齢確認をされドヤ顔で購入した初めてのタバコ(Winston キャスター 1ミリ)を上着のポケットに入れ早く吸ってみたいという気持ちに浮かれていた。


大学に着くと校内唯一の喫煙所へと向かう。

着くと数人の先客がいため灰皿から少し離れて吸う事にした。

コノミは少し戸惑いながらもパッケージのビニールを剥がし、中のシートを破り、ゴミをポケットに入れた。

記念すべき一本目を正面中ほどから取り出し口に加える。

そこで華山コノミは大きなミスに気がつく。


コノミ(ライターが無い…買うの忘れてた!)

コノミ(どうする…くわえたタバコ箱に戻して買いに行くか?)

コノミ(イヤイヤ、そんなダサい事したくない)

コノミ(かといって火は無いし吸ってないタバコ捨てるのも勿体ない)

コノミ(ヌワァァァァ!)


???「火、無いんですか?」


葛藤してるのを悟られたのかコノミの隣にはふんわりした髪とメガネがあった。


???「いりますか?」


コノミ(助かったー!)


コノミ「あ、ありがとうございます、助かります」


???「ウフフ、そうだと思ったわ」

???「はい」


そう言うとふんわりメガネはタバコを加えた顔を近づけてきた。


コノミ「へ?」


???「ん?」

???「あぁ、初めてなのね、タバコの先を近づけて吸ってみて」


ふんわりメガネは微笑みながら再度顔を近づける。


コノミ「は、はい、わかりました」

コノミ(よくわからんけどなる様になれ!)


コノミのタバコの先端が火種につき煙を上げる。

その瞬間口の中を肺を煙に弄られる。


コノミ(⁈)

コノミ「ヴェホ!ヴェホ!」


コノミは初めての感覚にむせ返る。


???「あらら大丈夫?もしかしてタバコも初めて?」

そう言いながらふんわりメガネはコノミの背中をさすってやる。


????「サキーどうしたー?」


少し離れたところにいたふんわりメガネの友人らしき人物が話しかけてくる。

涙目になりながらもふんわりメガネが「サキ」と言う人物だとコノミは理解する。


サキ「この子タバコ初めてっぽくてむせちゃったみたいなのー」


????「ハハァ!そっかそっか!なら私らが教えてあげないとなぁ!」


サキ「もぅ、キョウコったらそういうの好きよねほんと」


コノミは近づいてくる全身ジャージの細く筋肉質に見える女子をキョウコと言うのだと認識する。


コノミ「ずみまぜん、ぼぅだいでょうぶでふがら」


マツノ「ほんとう?お水飲む?」


マツノは水のペットボトルを差し出す。


コノミ「いや、ほんと大丈夫です。気を使わせてすみません」


キョウコ「君名前なんていうの?タバコは初めて?」


コノミ「はい、今日初めて吸いました。」


キョウコ「マジか!なら吸いかたとか教えてやろうか?」


コノミ(またむせるの嫌だしなぁ聞いとくか)

コノミ「お願いします…」


キョウコ「じゃあ今日はフカシとけ、口に煙ためてそのまま吐き出すんだ。肺に入れようと思うなよ?」


サキ「えー?ちゃんと全部教えてあげないのー?」


キョウコ「いいんだよ、そのうち自分から肺に入れ出すもんさ」


コノミ「なるほど…」


コノミはタバコを加え息を吸い込む。

リスの様にほっぺたを膨らませる。


コノミ「ばはぁー」煙を吐き出す


キョウコ(こいつおもしろ…)

サキ(カワイイ!!!)



コノミ「こうですか?」


カタヤマとマツノはにやけていた。


コノミ「その様子だと違うみたいですね」


カタヤマ「すまんすまん、あんまり面白いんでな」

マツノ「とっても可愛かったわよ〜」


コノミ(なんか吸う気失せたなぁ)

コノミ「はぁ」


カタヤマ「ま、初めてならそんなもんよ」

マツノ「そうねぇ、所で名前なんて言うの?」


コノミ「あたし華山コノミっていいます。えと、キョウコさんとサキさんでよかったですかね?」


カタヤマ「お、よく聞いてんなぁ。そ、あたしは片山キョウコ。そんでこっちのメガネが…」


サキ「松野サキよー。よろしく!」


コノミ「キョウコさんとサキさんですね。よろしく!」


キョウコ「そうだ!コノミはサークルどこ入ってんの?昼メシの時一年を勧誘に行くんだけど一緒に行かね?」

サキ「ライバルだけど協力した方が人捕まえやすいしね〜」


コノミ「あー、あたしサークル入ってなくて…」


キョウコ「え、マジ?じゃあウチらのサークルどうよ?」


コノミ「気持ちはありがたいんですけど、丸一年経ったし今更感あって…」


サキ「そんな事ないわよ〜、今からでも遅くないわ」


コノミ「いやほんと、すみません」


コノミはまだ長いタバコを灰皿へと捨てる。


コノミ「アタシ一限あるんでこれで」


コノミは目を伏せたまま立ち去る。


キョウコ「…………やっちゃったなぁ」

サキ「やっちゃったねぇ、後で見かけたらあやまろっか」

キョウコ「そうだなぁ」

キョウコとサキはそう言いながらタバコを吸うのだった。



コノミはまだ誰もいない講堂で一番後ろの席に座り顔を伏せる。


コノミ「はぁーーー、しまったなぁ」

コノミ(サークルとか人集まるの苦手だからなぁ、とはいえ良くない断りかたしちゃったなぁ…)


コノミ(昼に勧誘やるって言ってたし見かけたら謝ろう)


コノミ「うん、それで行こう!」


コノミは誰もいない講堂でそう言うと顔を突っ伏して眠るのだった。


第一話 第1幕 完






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