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ぶらり釣行 第1期  作者: 郡山寅次
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父と夜釣り

キャンプをする女子がいるのなら!

釣りをする女子がいたって良いじゃ無いか!

というわけで女の子にぶらっと釣りをさせます。

が、今回は父と子の話です。



以下本編 第12話 第三幕


ここは長崎県五島列島

時刻はおよそ朝四時頃


…チッ…チッチッ(ライターの火花)


…チッ シュボッ(ライターに火がつく)


…ジジジ(タバコに火をつける)


ケイ「スゥー、フゥー」


日の出にはまだ早く遠くの水平線の輪郭が辛うじて見えている。

タバコを吸い始めた遠山ケイには手元のタバコの火とうっすらとした水平線、それと電気ウキの赤い光だけが見えていた。


カイ「ケイお前またタバコ吸ってんのか?」


突然暗闇から声が飛んでくる。ケイの父 遠山カイである。


ケイ「ハタチ超えてんだから良いでしょ?それにまたって言ってもそんなに吸ってないんだから良いじゃない」


カイ「まったく、変なところばっかり俺に似やがって。男できなくても知らねーからな」


ケイ「いいのよ、彼氏欲しくなったら辞めるから」


ケイがそう言い終えるか言い合えないか辺りで電気ウキがピクリと一瞬沈む


ケイ(お、あたってるな)


…ピク…ピク…………ズボッ


数度ウキが不規則に動いたあと電気ウキは一気に海中へ沈み赤い光を滲ませる。


ケイ(きたッ!!)


ケイは手に握っていた釣竿を大きく上に上げる

俗に言うアワセである。

しかし振り上げた釣竿は強い力で海面へと引き込まれる


ケイ「ヤバッ!!」


カイ「ケイ!どうした!」


あまりの強いエモノの引き込みに驚くがとっさに竿の手元を左脇に入れリールの付け根を両手で掴み引き込みに耐える。


ゴンゴンゴン!ゴンゴンゴン!!!(魚の引き込み)


ケイ「父さん!ヤバイ!タモお願い!!」


タモとは釣りに使う網の事である

虫取り網のような形をしている。


カイ「待ってろ!切られんようにな!」


ケイ「わかった!」


カイはヘッドライトを点け竿を置きタモを取りに行く。


ケイ(とはいえ根に潜られたらヤバイな少しゴリ巻くか)


ケイはリールのブレーキをより一層強く握り脇に差していた竿の手元を腹部へ持っていき竿をゆっくりと力を込めながら持ち上げる。

持ち上げた所で竿を下ろし竿が下がった分の余る糸をリールで巻き取る。

これを何度も続ける魚を引き寄せる巻き方をゴリ巻きと言ったりする。(地方によって違う)


ゴンゴンゴン!ゴンゴンゴン!!!(魚の引き込み)


ケイ(引き強すぎだろ!!切られるのはマズイし少し糸出すか)


ケイはブレーキの握りをほんの少し緩める


ゴンゴンゴン!(魚の引き込み)


魚の引き込みに合わせてリールのハンドルが逆回転し糸が出て行く。


ケイ(よし、これくらいなら体力を消耗させつつ引き寄せられるな)


ケイの考えの通りに1分ほど魚と格闘すると引き込みは段々と無くなってきた。


カイ「ケイ、どうだ?上がったか?」


ケイ「もう少しだよ父さん」


そう言い終えると海面でバシャバシャと音がする。

カイがヘッドライトで照らす。海面の色と合わさり見えづらいが魚であろうシルエットが見える。


カイ「よし、そのままだタモに寄せろ」


カイは持ってきたタモを海面まで伸ばし網の口を横にする。


ケイ「わかった」


ケイは釣竿を横に振り魚をタモの方へと寄せる。


カイはライトに写し出されたシルエットがタモに入るのを確認するとタモの口を縦に起こす。


カイ「よし入った!糸緩めていいぞ」


ケイ「ッはぁー…」


ケイは安堵と疲れが一度に来るかのように息を吐き出した。

ふと気がつくとタバコがあと少ししか無い事に気がつきコーンポタージュの空き缶をポケットからゴソゴソと取り出し吸い殻を中入れる。


カイ「お疲れさん」

そう言いながらカイは魚が入ったタモを引き寄せ足元の岩場へと上げる。

タモの中の魚を見ると全身が黒く薄っすらと腹部が銀がかった色で目が青い魚であった

全長は目視40センチ以上といった大きさである。



ケイ「何だった?」


カイ「良い方のクロだぞ、やったな」


クロとは地方の呼び方の一種でありメジナの事である。

以下ウィキペディアより

メジナは、スズキ目・イスズミ科に分類される魚の一種。東アジアの温暖な浅海に分布する海水魚である。体は黒に青が混ざったような色をしており、人気釣り魚の一種である。


ケイはタモを置いたカイの所に寄り魚を覗き込む。


ケイ「やった♪結構引いたしこれ60近くあるんじゃ無い?」


カイ「いや、60は無いと思うぞ?まぁ記念に測っとけ」


ケイ「そうする〜♪」


ケイはいそいそと魚の口元に掛かった釣り針をライフジャケットから取り出した釣り用ペンチで取り外そうとする。


カイ「じゃあ後は一人でできるな?」


ケイ「うん♪大丈夫!」

ケイ「フフフーン♪」


ケイは楽しそうに鼻歌を歌いだし針を外している。


カイはそれを聞くとと竿を置いていた方へと戻っていく。


カイ(ケイがここまで釣りが好きだったとはなぁ…)

カイ(あの子の小さい頃を思い出す…)

カイ(また帰ってきたら連れてきてやるか)


ケイ(60は無いにしてもこれは大きい!!後で写真に収め無ければ!)




夜明け前の薄暗い中に2人はいた。


第12話 第4幕へ続く。









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