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リバティ基地防衛戦

スペードシックス塹壕線

第四十二機関銃小隊 同小隊壕

小隊長 レイヴン軍曹


レイヴン軍曹は口に咥えたタバコを口元ギリギリまで吸うとそのまま吐き捨て軍靴で揉み消した


「敵距離1000を突破!」


「総員射撃用意!」

レイヴン軍曹の号令と共に小隊の者が全員ライフルに弾を込め、MG08機関銃に取り付き準備を始めた


「司令部からは?」


「まだ何も」

手回し野戦電話を持った通信兵はそう答え、レイヴン軍曹は舌打ちをする


「クソッ!ジャックス!敵の先鋒の距離が400を切ったら教えろ!」


「アイサー!」

ゲヴェアー95を構えたジャックス二等兵はライフルを傍らに起き、双眼鏡を覗き込んだ


「全員手榴弾は傍に持っとけ!俺の合図無しに撃つんじゃ無いぞ!」

そう言いつつ自分も胸元からNo.3リボルバーを取り出し弾が装填されていることを確認する


「軍曹!本部より通信です!」


「内容は!?」


「敵が300まで来たら通報するのと、総員マスクを着用と!」

伝令兵のその一言でレイヴン軍曹は全てを察した


「マスタードが来るぞ!ガスマスク急げ!」

その一言で壕にいた全員がライフルを放り出し、胸元や背中の袋からガスマスクを取り出す


レイヴンも折り畳んだゴム製のガスマスクを腰の雑嚢から取り出し略帽を一旦脱ぎ頭から被り隙間が出来ないように固定バンドをキツく閉める


「マスクが無い奴や故障してる奴は居ないか!いたら直ちに後方へ走れ!」

ガスマスクで若干悪化した視界の中、見渡す限りではそのような間抜けはおらず、一安心した


「まだ撃つなよ!合図があるまでよく引き付けろ!」

レイヴン軍曹が怒鳴るように声を張り上げる。全員がガスマスクをつけるために放り出した武器を拾い、改めて構え直した


「総員着剣!」

レイヴン軍曹が叫ぶとライフルを持った兵士は全員が腰の銃剣を引き抜き、銃の先端に取り付けた


「軍曹!敵の先頭が400まで来ました!」

ジャックス二等兵の怒鳴り声を聞き、レイヴン軍曹は双眼鏡を覗き込んだ


「なんて数だ……だが相手が悪かったな」

マスクの下でニヤリと笑うと野戦電話を掴んだ

















数分前……

総司令部内部


ハラスメント行為、という物がある


VRゲームにおける異性の不用意な接触を禁じる為の防衛機構の事だ

少し前に別のゲームで女性プレイヤーのアバターにセクハラじみた触り方をした馬鹿がおり、それがきっかけでVRゲーム内でも男女の尊厳は守られるべきだ。という主張が主流となり、同意のない故意の接触は厳禁となり、もしそれをすると運営に通報が自動で行き、直ちにBANとなるのだ


これはNPCにも例外ではなく、過去に見目麗しい美少女NPCを大勢集めてVR風俗店を開いた大馬鹿てんさいがおり、このハラスメント行為はNPCにも適応されるのだ


しかし、ゲームなら出てしかるべき『ハラスメント行為に抵触します!』というポップが出ず、代わりに大器は世界も狙えそうなストレートを顔に貰う事になったのだ


(ほ、本当に、本当に現実なのか…!?ゲームの要素もまだ残ってるけど、でも味とかあるし、いやいや思い込みはいかん。でも現実だとしたら……これ、死ぬわ)

何十万もの敵兵に滅多刺しにされる自分の姿を思い浮かべ、身体が震えた


「総統閣下!ここは砲撃による先制攻撃を行うべきかと!」

大器に声をかけたのまだ若干顔を照れか怒りで赤くしてるミリア少佐だ


「そ、そうだな……マスタードガスを食らわせろ。前線の部隊に緊急連絡、ガスマスク着用、ひとまずそれで様子を見よう、すぐにガス攻撃を行える部隊はあるか?」

殴られた頬をさすりながら大器は指示を出し、改めて地図を眺める


「後方の重砲では間に合いません、前線に展開してる迫撃砲中隊に任せるべきかと」


「よろしい、直ちにガス攻撃を行うように命令、敵の侵攻を食い止めろ、両翼にそう命令しろ」

ミリア少佐がテキパキと指示を出すのを呆然と見る大器

マップ上では左右両軍共三日月の様な陣形でこちらを包み込む様に迫ってきている


「閣下、指揮所へ」


「あ、あぁ。その、ミリア少佐……」


「気にしてません。私の胸があるか無いのかわからないほど小さいのは事実ですから、なんとも思いません」


「ご、ごめんなさい……」

小鳥くらいなら視線だけで殺せそうなほど鋭い眼光で指揮所へ歩いていくミリア少佐にかける言葉が謝罪以外に思い浮かばない大器


確実に怒らせてはいけない人を怒らせてしまった


若干肩をすくませながら大器は指揮所の入り口をくぐった。銃声や砲声は未だ遠かった

















スペードシックス塹壕線


金切り声のような不気味な音とともに敵騎兵の先頭に砲弾が降り注ぐ


砲弾というが形は一抱え程の大きさのプロパンガスのボンベ、直撃した運のない騎兵が数人倒れただけである

だが本命は着弾と同時に辺りに撒き散らされた黄色い煙だ


その黄色の死の煙幕に恐れを成すことなく突っ込んでいく敵騎兵


「いいぞ、恐れを知らぬアホどもめ、そのまま全滅しちまえ」

レイヴン軍曹の呟きを知ってか知らずか、敵の騎兵はどんどんマスタードガスの中に入っていき、止まることを知らない


馬のいなき、騎士の絶叫、やがてそれらは数を増やし、そして消えていった


「まずは第一波……」

レイヴン軍曹がそう呟いた瞬間、マスタードガスが押し寄せてきた


「何!?」

突如、なんの予兆もなく突風が吹き荒れ、マスタードガスを吹き飛ばしたのだ

黄色の煙幕と砂埃が晴れた先に現れたのは


「おいおい、冗談じゃねーぞ……」

マスタードガスの向こうに現れたのは明るい萌葱色のローブを被った、まるで絵本に出てくる悪い魔法使いの見本のような集団だった

その集団が先端に宝石のようなものがはめ込まれた杖や指揮棒の様なものを掲げており、その先には淡い緑色に光る巨大な魔法陣が浮かんでいた


「魔法が使えるとか聞いてねーぞ!オイ!」

レイヴン軍曹がマスクの下でそう怒鳴った

敵の騎兵の第二波は無残な第一波の騎兵の亡骸を踏み越え、レイヴン軍曹達が篭る塹壕に突っ込んできた


「射撃よぉーい!」

レイヴン軍曹の号令を聞くと小隊全員が銃を構えた。最初の狙いを慎重につける者、十字を胸元で切るもの、深呼吸をするもの、様々だ


そして、騎兵の先頭が有刺鉄線のバリケードの前にたどり着いた瞬間


「撃ち方始めぇ!」

MG08機関銃が吼えた

7.92mmモーゼル弾が騎兵隊にまっすぐ飛んでいき、馬を貫通し、馬の首を貫いた弾丸が騎乗した兵の鎧を粉砕し、騎乗者の胸元にめり込み、体内をめちゃくちゃに粉砕した

ゲヴェアーライフルから放たれたライフル弾が有刺鉄線を断ち切ろうと悪戦苦闘する敵兵の胴を鎧ごと撃ち抜き、有刺鉄線にもたれかかる様にして倒れた


「弾幕絶やすな!敵を寄せ付けるなよ!」

レイヴン軍曹が手榴弾のピンを引き抜き、全力で投げる

爆発すると飛び散る破片に敵兵が切り刻まれ、三人の敵兵を撃破した


「撃ちまくれ!近づかれたら終わりだぞ!」

射撃に自信がないものはグレネードを投げ、投擲にも自信がないものは他の仲間の為に黙々と装填のクリップを作り、弾薬補充に貢献する


「装填する!時間をくれ!」

200発の弾薬を撃ち切ったMG08重機関銃は銃口から煙を吐き出しており、機関銃要員が冷却水を掛けたり、新しい弾薬箱から弾帯を取り出して装填している。銃身が焼きつく一歩手前だった様だ


「敵を寄せ付けるなよ!一匹残らず駆除しろ!」

レイヴン軍曹がMP18に最後の弾倉を装填し、吼えた


それから十分か、二十分か。ただひたすらに無謀な突撃を繰り返す中世の軍勢に弾幕を張り、押し留めていく

甲冑を着た死体が次々と積み上がり、死体の山を盾にする敵目掛けて手榴弾を投げる。手榴弾の爆発により空を舞う人間の部位がこちらに降り注ぐがいまさらその程度で恐れをなすほどウブではない


「クソがっ!迫撃砲は何やってる!お前!迫撃砲の陣地へ直接言って連中のケツを蹴ってこい、急げ!」


「はぁい!」

命令された兵士がライフルを抱え、迫撃砲陣地がある方向へ走っていく


「弾が無くなりそうだ!リッグマン!大森!補給所から弾薬を持ってこい!」


「了解!いくぞ!」

大森とリッグマンの二人がライフルを担いで補給所の方へ走り去る


「装填完了!くらえウジ虫どもが!」

ようやく部品の交換と冷却水の補充が完了したMG08が再び掃射を開始、有刺鉄線の柵を基礎ごと破壊するという強引さで突破した敵兵が血飛沫をあげながらひっくり返る

ライフルとは比べ物にならないほどの弾幕が展開され、無防備にその弾幕に突っ込んできた敵兵は鉄鎧を粉砕され、血と臓物を撒き散らしながら地面に倒れ伏していく


それに見兼ねた敵は2mはあるほどの大楯を持ち出し、隙間なく並べて前進しはじめた


「おらおらおらぁ!どうしたゴミ虫どもがぁ!勢いが落ちてきたんじゃねーのか!?てめーらのナニはもうおねんねの時間かぁ!?」

MG08の射手が大声で罵倒をあげながら大楯を持ち出した敵に向け掃射する


機銃弾は鍛え上げられた金属が貼り付けられた大楯を易々と貫通した。人間が降る剣や矢を防ぐ目的の盾であり、コンクリートの壁すら削る機関銃の掃射に耐えられるはずがない

整然と並べられた大楯にいくつもの穴とヒビが一瞬で穿たれ、絶叫と共に盾の方陣が崩れた


「殺せ!手榴弾!」

レイヴン軍曹の号令と共に小隊の何人かがM24柄つき手榴弾を投げた

大楯を抱えた重装の騎士達は手榴弾の爆発により血煙と共に身体の破片を空に飛ばさせた


「迫撃砲はまだか、くそったれ!」

レイヴンは弾が無くなったMP18を装填係に放り、リボルバーを引き抜いた。敵は既に百メートルまで迫ってきていた


「軍曹!またあの魔法使いどもです!」


「やらせるかクソがっ!ぶっ潰せ!」

レイヴン軍曹の命令に反応したジャックスが手榴弾を投げた


手榴弾はローブの集団のど真ん中で炸裂。ローブの集団は折り重なるように倒れ伏した


「やったぞクソどもが!てめーら一生そこでマスかいてろ!」

ジャックスがガッツポーズと共にライフルを手繰り寄せ、弾丸が纏められたクリップをライフルに押し込み、次の敵を狙う


「ッ!?敵弾くるぞ!」

だがジャックスが視線を逸らした一瞬、生き残ったローブの一人が杖を振るった

杖の先端に小型の魔法陣が現れ、さながら火炎放射器のように焔が伸びたのだ


魔法という未知の技術が成し得たその攻撃は塹壕に篭るレイヴン軍曹達に降り注いだ


「あぁああああああ!!?あづいっ!あづいぃぃぃぃ!!!」

焔をモロに食らった隊員は全身火達磨になりながら地面をのたうちまわる


「だれか機関銃につけ!」

外套で火を消そうと悪戦苦闘しているレイヴン軍曹が叫んだが


「機関銃故障!修復困難!」

火炎放射の直撃を食らった機関銃は機関銃射手と共に黒焦げになっており、銃口の付近は完全に融解していた


「ちくしょう!腹ぁくくれよ!テメェら!」

リボルバーに弾を新たに装填し、レイヴン軍曹が叫んだ


「第二波くるぞぉ!」

今度はさっきより多くの魔法陣が宙に浮かび魔法陣の真ん中でどういう原理かは不明だが火の玉が生成されていた


「ちくしょうめ……」



















「被害の集計、出ました!迫撃砲陣地壊滅!」


「スペードシックス塹壕線、突破されました!敵が浸透してきてます!」


「まさか自分達の毒ガスで死ぬことになろうとは……」

大器は唇を噛み締めていた。急に風向きが変わり、毒ガスがこちらに流れてきて、ガスマスクが間に合わなかった兵士の多くが毒ガスで死んでしまったのだ

何よりマスタードガスという物はガスマスクを貫通するのだ。それにより一部の最前線の部隊に大きな被害が出た


「敵はどうやら魔法のような技術を有しており、任意で風向きを変え、炎や洪水を自在に出すことが可能だそうです」


「そんなチートありかよ!」


「ですが前線に出てきている数はそれほど多くはないそうです。まだ勝機はあります」

ミリア少佐は励ますようにそういった


「そうだな、戦車隊を出撃させろ、陸の王者の実力を見せてやれ」


「了解、マスタング隊、グリズリー隊、スペース塹壕へ。ゴリアテ隊、ハンター隊はハート塹壕へ出撃。繰り返す……」

通信手の復唱を聞きながら大器は絶え間なく状況が動くWWCの地図を眺める


(あれはいわば先遣隊のようなもの。先遣隊でこの損害だから、本隊がきたら……)

最悪の結果を大器は頭を振って飛ばす。そんな結果にはならない。敵の大半は剣や槍を持った歩兵。ならば現代兵器が負けるはずがない


大器は地図上で味方を示す青いアイコンを心配そうに見つめた。そのアイコンの正体は世界初の重戦車A7Vを主軸とした戦車隊、ハンター隊である


(しかし、ここを乗り切っても……どうやって生き延びればいいんだ……)

大器の胸の中には心配しか無かった

WWCの売りの一つに登場NPCのカスタムというものがある

例えばあるプレイヤーが遊園地を作り上げたとする。しかしこのゲームのシステム上プレイヤーは一人のみ、どれだけ作り込もうともこの遊園地には人は作り上げたプレイヤーが一人だけであり、楽しくもなんともない、むしろ軽くホラーともいえる

そういった現状を改善しようと運営は建築の一種としてNPCの配置とそのカスタムを導入したのだ


10ポイントごとに何も持たぬ一般人NPCを一人、そのNPCにも何を持たせるか、どんな格好にするかも決めることが可能である


例えば遊園地の従業員にするか、家族連れで遊びにきた客として配置するのか、年齢、人種、持ち物、そういった細かい要素をポイントを費やして作り込むことが出来るのだ


もちろんNPCに武器を持たせて戦わせる事も出来る。というか通常の設定ではそうしないとエネミーの侵略を防げないのだ


それと一緒で建物内に配置する備品や食料、車両の燃料や修理のパーツそういった小物もポイントで設置出来るのだ


そしてポイントはエネミーを倒さないと稼げないのだ


そしてこの世界にエネミーがいるかどうかはわからない。つまり


(いずれポイントが尽きて、物資が補給出来なくなる!)

その物資の中には銃弾や燃料、変えの人員なども含まれるのだ


(ど、どうする!?とりあえずこの局面を切り抜けるか!だが趣味の遊びマップでポイントはそれほど残ってないし……アレ?)

ポイント残は初期アイテムの地図の右上に表示されるのだがそのポイントが10ポイントずつ増えているのだ


「アレ、なんで……別にエネミー倒してる訳じゃないのに……」

何が原因なんだ?ポイント枯渇に怯えていた現状、嬉しいけど、自分の銀行口座に身に覚えのない現金が振り込まれているような気分で非常に怖い


マップを見ていると、気づいた


「味方NPCが敵を倒すとポイントが10ポイント入るのか……なんて残酷なシステム」

眉をひそめながら右上のポイントを眺める


「しかし、これは赤字ではないか……」

NPCは一人10ポイントだがそのNPCに持たせる武器装備だけで200ポイントは必要なのだ

おまけにNPCにも練度というものがあるのだ。設置したばかりのNPCに武器を渡してもまともに戦う戦力にはならないのだ、ちゃんと訓練を施すか、あるいは普通より少し割増のポイントを払って軍人NPCを設置するのがベターである


そしてこの世界で中世の騎士を倒しても手に入るポイントは基本10ポイント、しかし使われた弾薬や燃料を差し引くとどうしてもプラスにはならない


「どのみちこのままではジリ貧だな……」

大器はここから離脱する気でいた。これ以上状況が悪化する前に装甲車かなにかを召喚して早く離脱する。ここで戦って無駄にポイントを浪費するのは最適解ではない


「問題は、どうやって」

現状は聖帝クルジド国とリラビア魔王国の両国の軍勢に挟まれており、脱出するにはどちらかの軍勢を突破せねばならない


「総統閣下、脱出方法はどうされますか?」


「ミリア少佐、現状脱出手段は限られている……だが、これしか無いと、思う……」


「それは……どんな?」

ミリア少佐が聞いてくる


「大した案じゃない……俺が司令部からリラビア魔法国の裏手の海岸まで道を設置するんだ」


WWCの地下通路というものはポイントを消費して作ることができる施設の一つである


「持っていけない武器や兵器は破壊する。工兵隊は未だ無傷だ、爆薬の設置が終わるまで歩兵や戦車隊は遅滞戦闘をさせる……」

大器はそこで言葉を切った。この作戦には一つの問題点があるのだ


「………………」


「………………」


大器もミリア少佐も何も言わない。迫撃砲や重砲の発射音が指揮所の中を震わせる


大器は迷っていた。この作戦の問題点、自分の唯一の不安要素をここでいうべきか、否か


「………………実は」


「はい」


「この作戦には、一つ、問題点がある」


「問題点、ですか?」


「あぁ」

緊張から流れる冷や汗をぬぐいもせず大器は戦況が刻一刻と変化する地図を、正確には地図の右端を眺めた


「先の作戦において必要なのは膨大な長さのトンネルと物資と敵を吹き飛ばす大量の爆薬。それらを用意するとなると、ポイントがいよいよ、尽きる」


ポイントさえあれば大器はそれこそ宇宙戦艦や核兵器ですら創り出すことも出来るのだ。しかしそれはポイントがあればの話。ポイントが無くなった大器はもはや何も出来ない非力な青年、そして現状弾薬や装備の補給は大器が頼みである以上、それが出来ない大器に果たして兵たちはついてきてくれるのだろうか。大器にはそれが一番心配だった


「もはやここはWWCというゲームでは無くなった。俺はこのよくわからんファンタジー世界に生きる一人の人で、それは、君たちも例外ではない。コミュニケーションをとり、笑いもすれば怒りもする、一人の人間だ。それを……俺は……」





死地に送り出してしまったんだ








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