ワンダーランド作戦
闘病がちょっと長引きましたが投稿再開です。みなさんお酒は控えましょう
トンネルを抜けたそこは、浜辺だった
中天に輝く太陽、目の粗い砂利が多い砂浜、コバルトブルーで透き通ってはないがゴミが浮いていないまぁまぁ綺麗な海
「やっと、外か……」
護衛の兵士に囲まれながら大器はフルフェイスのヘルメットを脱いだ
数時間、いや数日ぶりの外の空気が地獄の猛火のごとき熱気と汗の煩わしさを消し飛ばしてくれた
浜辺には大器の指揮下にある兵士全員がおり、各々が弾薬を再分配したり、空の木箱に腰掛けたり、武器を手入れしたりと狭く暗い洞窟の中では出来なかった束の間の休憩と開放感を楽しんでいた
「さて、偵察隊の状況は?」
司令部の天幕が張られた一角に腰掛けた大器は偵察隊を指揮するメニチャフ軍曹に聞いた
「閣下のご指示通り、偵察隊は側車付きオートバイ二機の計四名の部隊で洞窟の出口から放射線状に八方向へ10キロずつ、偵察に向かわせました」
軍曹が出した地図にその結果が載っていた
「南東方面へ向かった偵察隊の二隊は巨大な城塞都市を発見しました。見た限り、大勢の兵士が集まっております。掲げる旗や装備を見る限りリラビア魔法国の軍勢とその拠点と思われます」
「リラビア魔法国の都市か」
「はい、航空偵察ドローンで確認したところ、規模は巨大です。単純面積でいえば日本の岩手県に匹敵する程で、形は楕円形に近く、中心には巨大な城塞が一つ、それを囲うように田畑や民家が広がり、およそ2キロ置きに小型の防衛拠点と思しき建物が点在、二本の川が流れておりそれは海に繋がっています。その先には海軍と思しき帆船が数十隻、内側と外側に配置されております、大小の水門も多数あり、中央の城塞を囲うように入り組んだ市街地が存在しており、そしてそれら全てを包囲する防壁が存在してます。その防壁の間にも拠点になりそうな城塞が築かれており、各城塞がお互いをカバーしあえるような位置にあります」
そこまで一気に説明したメニチャフ軍曹は一旦言葉を限り、地図に目を落とした
「ミリア少佐、この拠点をどう思う?」
「正攻法で攻めるなら何年も持ちこたえるでしょう。正直言って、規格外にも程があります、隕石が直撃しないとこの城塞都市は落とせないでしょう」
「なら関わらないのが得策だな、軍曹、反対側の集団は?」
「反対側はもっと酷いです南西に向かった部隊は虐殺にあった村や街を発見しました。そしてそれらの先頭には、この聖帝クルジド国とやらの大軍勢です」
軍曹が出した資料には無残にも焼かれた建物や人の写真と文字通り地を埋め尽くすような大軍勢が写っていた
「……推定兵力は?」
「……最低八十万、ドローンの索敵範囲外まで続いており、もっといると思われます、一部にはチャリオットや攻城兵器、騎馬隊や例の飛竜と思われる姿も見られます、奴らは我々のリバティ基地を基点にしてると思われ、例の城塞都市から7キロ程離れた地点の街を占拠しており、その付近を野営している形で戦力を集めているようです」
そこまで報告を聞いて大器は頭を抱えた
「……ミリア少佐、中世の戦場ってこんなにスケールデカイの?」
「いいえ、一度にこれほどの戦力をぶつける戦争はありません。いえありえない。通常健全な貨幣制度や国家体制なら八十万もの国民を戦場に駆り立てるなんて自ら首を絞めるようなものです」
ミリア少佐は分析された写真を眺めながらそう呟いた
「異世界なんでもアリかよ……」
「とにかく、一刻も早く安全な場所へ向かうか、強固な守りを敷くかのどちらかだと思います」
「逃げるね、間違いない」
「では予定通りに?」
「ああ、ポイントも予定以上に貯まってる。ならやらない手はない。予定地の方はどうだ?」
大器が質問するとメニチャフ軍曹が新たな写真を出した
「偵察ドローンの限界ギリギリでしたので、上陸予定地の浜辺しか見ることが出来ませんでした。ここから100キロ程沖に行けば島があります。敵影は今の所なし、上陸予定地の砂浜は砂利がメインで戦車や装甲車でも問題なく走れます。大隊が展開できるほどのスペースもあります」
メニチャフ軍曹が出した写真は画像が荒く、あちこちに注釈と思しきメモ書きがされており、黒い砂浜ということがわかった
「召喚する船は決まってるのですか?」
「神州丸にしようと思う。大発とそれに積む車両と武器弾薬、兵員を召喚するとなると……まぁとんとんだな」
地下で巨大蜘蛛を焼き殺した分、稼いだポイントはそこそこ莫大な量であり、しかもメインアームとして弾丸よりポイント単価の安い火炎放射器を使った事によりかなりの桁を稼ぐことができた
「では、逃避行といきますか」
「はい、それが最善かと」
大器の発言を肯定するミリア少佐。会議に出席していたほかの者も同調した
「一日休養をとる。その後出発だ」
「物資の集積や部隊の掌握も含めれば後三日は欲しいところです」
「そうしよう、ミリア少佐、各部隊との調整を頼む」
「わかりました」
歩哨以外全部隊休養宣言をした大器はそこから大忙しだった
地下通路で最前線を戦った兵士や後方要員全員に甘いものや寝台を用意し、可能な限りリラックス出来る環境を用意した
それだけでなく、追加の人員、車両、各種物資、そしてなにより肝心の揚陸艦と揚陸艇を揃えた
その後も作戦会議、今後の方針、各部隊からの必要物資の要求、多忙に渡った
そうして仕事に追われていると一日が終わり、また終わり、そして神州丸は大勢の兵員と物資を乗せて慌ただしく出航した
「異世界転生って大変だなぁ……帰りてぇ」
大器は出航した揚陸艦、神州丸の艦橋の中で項垂れていた
普通に疲れていた。異世界転生に激戦に次ぐ激戦、さらに経験したこともない激務、限界だった
「…………」
「……寝てしまわれましたか」
神州丸の艦長として新たに呼ばれた神崎大佐は顎に蓄えた白髭を撫でながら呟いた
「仕事続きでしたからね、まぁ優しい人ですから、地下通路での犠牲者の事を悲しむ間も与えなかったのは正解かもしれません」
ミリア大佐は優しく微笑みながら大器に毛布をかけた
「あえて座り心地の良い、リクライニングシートの椅子にした甲斐があるという物です」
「……確信犯か」
「地下通路では倒れていった部下達の事を考えて一睡もされてなかったようですから、今は良く寝てもらいましょう」
母のような優しい微笑みを浮かべながらミリアは大器の寝顔を眺め続ける
「どおりで施工班にこの艦橋を防音仕様にさせていたわけだ。閣下にも内緒で、サプライズパーティーかと張り切りましたけどね、取り越し苦労でしたか」
ミリア大佐と同じように自然と神崎大佐も笑顔になった
「閣下が体調不良により指揮を取ることが困難になりました、後任として私が上陸作戦を指揮します、神州丸はワンダーランドから2キロ離れた位置にて待機、上陸部隊はそこから向かわせます」
「了解です、ミリア大佐」
神崎大佐が敬礼とともに無線機を取り上げた
ワンダーランド 上陸地点“オスカー”
レイヴン軍曹
神州丸から発進した上陸用船艇LCAC 3隻には90名の上陸要員が乗り込み、上陸地点に向かっていた
「オスカーまで六分!最後に祈りを捧げとけ!」
LCACの艇長が乗員全員に聞こえるように船内スピーカーで叫んだ
「薄暗い穴から出れたと思ったら、今度は青空の下で戦えるとは、嬉しいねぇ」
レイヴン軍曹は防水カバーのつけられたStg44を持ち上げ、口に咥えていたタバコを海に投げ捨てた
「分隊聞け!艦砲射撃が行われた後、我々は上陸する。前のやつの尻にしっかりついてこい!上陸したら気を抜くなよ!」
『『『ハイ!!!』』』
レイヴン軍曹が抱える9名の分隊、かつてのリバティ基地から撤退した時からの付き合いの連中でもある
LCACに乗り込んだ部隊の中には大器が新しく呼び出した補充要員なども含まれており、練度や連携に若干の不安もあるが今回はLCACの艦橋側面に増設された遠隔操作に改造されたMk19自動擲弾発射機が支援についてくれる手筈になっていた。支援があるというだけで幾分か気持ちが楽になったのも事実だ
それに三隻のLCACの艇内には1輌ずつ、M3ブラッドレーが積載されており、今回の上陸作戦の陸上の要とされている。負ける気はしなかった
《マザーベースよりバルーン隊へ通達、現地点にて停止、艦砲射撃を開始せよ、繰り返す艦砲射撃を開始せよ》
「砲撃行くぞぉ!」
艇長が怒鳴り声を上げ、それに呼応するように艦橋横に添えつけられたMk19が独りでに動き出す
LCACの艦橋には操縦席の他に、増設されたMk19の操作盤も据え付けられており、それを操作したのだ
ジョイスティック型の射撃装置とM k19の上部に取り付けられたカメラ越しから見える景色を見て、照準を浜辺に着ける
《バルーン隊、まずは様子見だ、砲撃開始。単射で五発、斉射せよ》
《バルーン1、砲撃開始》
「バルーン2砲撃開始」
《バルーン3砲撃開始》
ミリア大佐の命令の元、新天地上陸作戦、ワンダーランド作戦がこの瞬間から開始された
M k19擲弾発射機から40mmグレネードが発射され、放物線と風切り音を響かせながら弾頭は弧を描き、浜辺に着弾した
十五の爆発が等間隔で起こり、爆発に吹き飛ばされた石や砂利が浜辺のあちこちへ飛び立った
《弾着観測機より報告、浜辺の各所にて変化を視認。浜のあちこちから巨大な生物が這い出てきてる、さらなる攻撃の必要あり》
「……あいつらのことか」
Mk19の光学照準器で見えたのはヤドカリのような生き物だ。所々苔やらなんやらが張り付いた巨大な巻貝を背中に背負い、グロテスクな見た目の甲殻類が姿を覗かせていた
《効力射、開始!》
明確な敵の存在を確認した瞬間、LCACからの猛烈な射撃が再開された
数秒の間を置いて榴弾が砂浜のあちこちに着弾した。爆発と巻き上げられた砂や砂利が爆風に乗せられ、巨大ヤドカリの貝殻や甲羅を貫き、穴だらけの不気味なオブジェに変え、中には榴弾が直撃し、粉々になるやつもいた
「砲撃第一派、撃ち終わり!」
《マザーベースよりバルーン2へ、前進せよ。クリーナー隊を投下後、バルーン2は浜辺で待機、バルーン1、3は海上にて待機、支援砲撃準備に備えろ》
「了解、クリーナー隊を投下する、諸君!上陸だ!一番乗りだぞ!」
指示通り、LCACが前進を開始し、浜辺に乗り上げた。エアクッションホバー艇の機能も持つLCACは艦砲射撃でボロボロになった浜辺の真ん中に陣取り、エアクッションをしぼませ、正面の扉を開けた
「上陸だ!いけいけいけ!」
各分隊長が吹く笛の音と共にLCACに乗り込んでいた乗員たちが駆け出し、砲撃穴に飛び込んだ
グレー色のドイツ帝国陸軍の軍服が煤や砂利で汚れることも厭わずに、各人が銃の梱包や保護具を解いていく
M3ブラッドレーが砂利を蹴散らしながら浜辺を走り、砲撃により半身を吹き飛ばされた巨大な蟹をキャタピラーで踏み潰した
「よし行くぞ!ハンター2-1の左側面は俺たちの部隊の受け持ちだ!遅れるな!」
レイヴン軍曹の号令と共に兵たちが掘り起こされた浜辺を踏みしめ、M3ブラッドレー、ハンター2-1の左側面に集結した
「劉軍曹、問題は?」
ブラッドレーと合流したところでブラッドレーの後ろを守る劉軍曹の部隊と合流した
「今のところ脱落者も無し。足元に注意しろ、連中は地面に潜るのが得意なようだ」
劉軍曹がモーゼル拳銃を手に、そう警告してきた
ハンター2-1を軸とした先遣隊50名の後方にクリーナー中隊の中隊本部兼橋頭堡であるLCACが守備要員と共に残っている。つまりこのなかでも一番危険なのは先遣隊であり、故にブラッドレーを守る各分隊はお互いに死角をカバーし合い、巨大な甲殻類の死骸を見つけても数発牽制射撃を叩き込んで死亡確認をすませるほど慎重だった
やがて先遣隊は浜が途切れ、背の高い草地との境界までたどり着いた
《全部隊止まれ》
「どうした、ハンター2-1」
《サウスポー、センサーが前方の茂みに動きを感知、確認せよ》
ちなみにサウスポーはハンター2-1の左側面を守る部隊の事であり、レイヴン軍曹率いる分隊の事でもあり、右側の部隊はマスターハンド、正面はストーンヘッド、後ろはアンダーテイルと呼称してる
「サウスポー了解」
レイヴン軍曹が双眼鏡を取り出し、前方の茂みを観察する
目に映るのはいたって平凡な、海風に揺られる草木だけだ
「……うん?」
その草の一部、風ではない不自然な、何かが草をかき分けるような揺れが見られた
「こちらサウスポー、前方に不審な動きを確認」
《こちらマスターハンド、同じく不審な動きを確認した》
《こちらストーンヘッド分隊、前方の茂みの揺れに違和感、槍の穂先のようなものも確認した》
《ハンター2-1よりマザーベースへ。熱源センサーに人型を感知、我々以外の人がいる可能性アリだ、指示をこう》
《ハンター2-1、原住民の可能性がある。攻撃を受けるまで発砲はするな、繰り返すぞ、撃たれるまで撃つなよ》
《ハンター2-1了解》
《サウスポー、武器を置いて交渉に向かってくれ。援護する》
「……了解」
レイヴン軍曹は無線を切り、ため息を吐くと、Stg44を部下に渡した
「なにも軍曹が行かなくても」
「無線を持ってるのは俺だけだ、何かあったらすぐに砲撃支援を頼んでトンズラさ、それよか前方の茂みに気を取られて横から奇襲なんてことにはなるなよ」
「了解です」
副隊長を務める伍長が敬礼とともにブラッドレーに駆け寄り、白旗がくくりつけられた旗を持ってきた
レイヴン軍曹は旗を受け取り、道連れとして手近にいた二等兵を一人連れて茂みにゆっくり歩いて行った
「突然の無礼と訪問失礼!我々に戦闘の意思はない!武器を下ろしてほしい!」
レイヴン軍曹は武器を持っていないアピールをするために両手を高く上げ、白旗を見えるように掲げる。道連れに選んだ二等兵はMP18を背中に回し、両手を挙げた
「話し合おう!」
「ほんとに話通じるのかな……」
二等兵が小さくそう呟いたが、内心レイヴン軍曹も同じだった。大器の方針で今後彼らは一つの国家として動く事になっている。故にこういう理性的な行動や態度というパフォーマンスは大事であり、どれほど銃火の雨嵐で薙ぎ払うのが最短ルートでもこういう遠回りを余儀なくされるのだ
草原の境界線から十メートルほどの距離で止まったレイヴン軍曹達はジッと、自分たちほどの背丈のある草木を眺めた
眺めていると草が揺れ動き、レイヴンが草葉の陰から飛び出た鏃を見た瞬間、動いた
「伏せろッ!」
二等兵に飛びつくようにレイヴン軍曹が地面に倒れこんだ。草葉の陰から放たれた矢がレイヴン軍曹の頭の上をかすめて後ろに飛んで行った
「クソが!こちらサウスポー指揮官!弓矢による攻撃を受けた!射撃許可を求む!」
《サウスポー少し待て……》
「少しも待てん!ハンター2-1、早く撃て!チクショウ!」
《ハンター2-1、マザーベースより射撃許可が降りた、これより制圧射撃を開始する、頭を下げろ!》
無線でそういうがいなや、ハンター2-1が20mmチェーンガンの照準を草むらに向けた
次の瞬間、大砲と呼んでも差し支えない程の大口径機関砲が火を吹き、砲弾が草むらに着弾。小規模の爆発が草や木々をなぎ倒した
ブラッドレーのガンナーは熱源探知モードに切り替えたディスプレイを眺め、チェーンガンの照準の目安となっている十字を草むらの中に伏せる熱源に重ね、トリガーを引いた
砲弾が着弾すると熱源の白色が四方に飛び散り、地面が舞い散った
「射的の的だぜ」
ガンナーはニヤケながらトリガーを次々と引いていく。白黒の画面では次々と白色の敵が粉々のパーツとなって辺りに散らばる様がまるで爽快感強めのゲームのようだった
やがて機関砲が砲身冷却の為射撃停止のアイコンが表示され、ガンナーはトリガーから指を離した
「ハンケイル少尉、目標沈黙しました、動体反応なし」
「よぅし、サウスポー指揮官、脅威は排除。戻ってこい」
《サウスポー了解》
ガンナーの画面では白黒の熱源センサーの画面でもわかる味方のIFFの特徴的な光を光らせながら二人の人間がこちらは駆け寄る姿が見えた
「撃ち足りねぇなぁ……」
「安心しろジャンキー、俺たちは原住民に真っ向から喧嘩を売ったんだ。そのうち弾が足りなくなるさ」
「弾切れになって原住民と格闘戦なんざゴメンだぜ。俺は最後までコロンブス側でいたいんだ」
「無駄口たたく奴から外に放り出すぞ。ここは前乗ってた棺桶ほど広くないんだ。耳障りなおしゃべりと屁は外でやれ」
「「申し訳ありませんでした、少尉殿!」」
おしゃべりを咎められた二人はハンケイル少尉に謝罪し、再び無線手とガンナーとしての仕事に戻った
「ふぅ……」
前乗っていたA7Vより圧倒的に快適な乗り心地に違和感を抱きながらもハンケイル少尉は乗員への指示を怠らなかった
「ふわぁーあ……ヤベ、寝てた……」
無駄に座り心地がよく、非常に眠気を誘う毛布から名残惜しげに別れを告げ、大器は艦橋から外に出て双眼鏡を覗いているミリア大佐に話しかけた
「すまないミリア大佐、こんな大事な時に」
「いえ、作戦の指揮は代わりの者がおりますが、我々の閣下はこの世にただ一人、どうかご自愛下さい」
「ああ、これからは気をつけよう。それより、作戦は?」
「閣下がお休みの間に作戦は第三段階の戦略物資の揚陸に移ってます。すでに橋頭堡は確立され、司令部要員もすでに上陸してます」
「……早い、早すぎる」
「原住民との接触もありましたが、意思疎通は不可能、そもそも人間かどうかも怪しい、二足歩行の狼でしたので止むを得ず排除しました、写真がこちらです」
大器が渡された写真を見ると、そこには全身毛むくじゃらで人間の背丈ほどの狼が身体中に弾痕を開けられ、写っていた
「これが二足歩行で棍棒や弓矢を使って襲いかかってきたので撃退しました」
「ゲームで似たようなの見たことあるぞ、ワーウルフって言うんだっけか?」
「そうです。隊員達もそう呼んでおりますのでこれからはそう呼称しましょう」
「うん、やるなら徹底的に、後腐れなく、な?」
「お任せください」
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