猫、海の次は砂漠に行きます
「…裏路地だよニャ?」
「……そのはずなんだが…」
何、この歓楽街…
シルフィアの目を覆った方がいいのかニャ?
「観光に力を入れているって聞いてたが…過激過ぎないか?」
うん、観光客を楽しませる方向が間違ってるニャ…
「ま、いいニャ
ギルドはどこニャ?」
フールカスの記憶を元にギルドへ。
道すがら観光するが…メインストリートも裏もサブも…
「フーゾクしかニャいんかい!
この国はどんだけ精力余ってんニャ!」
いや、僕も元人間だし、気持ちはわからないでもないがニャ…
いかんせん、みるところがない。同じ様な看板ばかりを見ても綺麗とは思えない。
「…ここだったはずだ。元々軍事国家だから、ギルドは一つしかない」
だよニャ~傭兵部隊ばかりじゃ、お金がかかるもんニャ~
「って、危うく見逃す位周りと同化してるニャ…
まあ、いいニャ
今回は皆で入ろうニャ…
サミジナ、人型になってニャ」
ギィィィ
ふう、やっと普通の風景ニャ…
まだ目がチカチカするニャ…
「らっしゃい、見ない顔だね。何か用かい?」
いい感じに寂れた酒場って雰囲気、ザ・ギルド!みたいな感じニャ
「セントラルから観光に来たんだけど…
カトプレアってこんな街だったっけ?」
「…あんた、知らないのかい?
1ヶ月前に軍事クーデターがあって、軍部が帝国乗っ取ったと思ったらこの様サ。
観光にもっと力を入れる!とか言って街の7割は怪しい店さ。」
「……角の武器屋はもう無いのか?」
「ああ、軍備関係の店は城の近くにみ~んなお引っ越しさ」
「ありがとうニャ、じゃ行くかニャ」
カウンターに金貨1枚置いて店を出た。
とりあえずメインストリートっぽい道(食べ物を売ってる店が多い)を歩きながら。
「…城に行ってみるニャ
フールカス、その武器屋はお気に入りかニャ?」
「…そうだな、
魔族と人間の混血がやっている店なんだが…
店主自ら武器製造も行っている。いい品が多い。」
ふーん、まさか剣の達人で両腕ダメにする必殺技持ってる人じゃニャいよね?
いいえ、違います
「その武器屋によって話して、城に浸入・情報収集。異存のある者?」
「「……」」
「決定ニャ」
やっぱり、目が痛いニャ…
「この辺が、ギルドで言ってた武器屋街だと思うぞ。」
確かにおとなしい家が並んでるニャ…
「おお!フールカス、久しぶりだな。」
出た、ご都合主義ニャ
「…久しぶりだな。調子はどうだ?ルセルク」
「駄目だな、武器はいいのが出来てるが…客がこない」
「なんでニャ?
一般人が来なくても軍部が買いに来ないのかニャ?」
「猫の旦那、それが…詳しくは中で」
なんかあるんだニャ?
「この部屋なら商談用の結界が張ってあるから大丈夫だ。」
店の奥の部屋に通された
「先のクーデターで軍部が治めてるのは?
「知ってるニャ」
じゃ、その軍部を動かしてるのは誰か
「知らないニャ」
そう、その誰かが問題なんでさぁ」
ほー、久々に面白そうだニャ
「あっしはハーフなんで、なんとなくわかるんですがねぇ、
多分、操ってるのは魔族ですよ、しかも魔王クラス」
キターー―、予想通りどさくさ紛れに暴れる奴ニャ
「……で、表面上軍を仕切っているのは?」
「元々軍の大佐で、ヒューイットって奴らしいよ」
…突っ込み処満載だニャ…
「今、城にいるのかニャ?」
「多分、城に籠って小さい女の子追っかけているはずでさぁ…」
突っ込み1、ロリコンかい!
「わかったニャ…ところで、武器・防具を見たいんだがニャ…」
「どうぞどうぞ!倉庫が無いんで店頭にある奴だけですが!」
「シルフィア、なんか装備出来そうなのを選ぶニャ
カインやフールカスもなんかあったら選ぶニャ」
太っ腹?僕、お金無いニャ!
シルフィアやカインは勢いで旅に連れてきたから、本来、戦闘に不向きな装備のままニャ
カインはなんとかなっても、シルフィアがニャ~
怪我でもされたら、長老共やサクヤに何て言われるか…ニャ
「で、どうニャ?」
「俺は別にいい」
ニャ
「……今回はメンテナンスだけだ、代わりのを借りる」
「了解でさぁ」
ニャ
「わたしは……
ドレスとリボンと短剣で」
忍砂利番々……
作者ニャ…
てへ
「…とりあえず、いくらニャ?」
「金貨2000枚でさぁ」
高!
「はいニャ…」
今回は【創造】じゃないニャ、3バカの城から【召喚】ニャ
「…あと、シルフィア…これもやるニャ」
十字手裏剣10枚セット…
さすが!ウァサゴ!
わかってる~
………、まあ、嫌いではないがニャ
「ところで、シルフィアの装備の内訳と効果は何ニャ?」
「兜は600でシルフの加護付き
鎧が700で光魔法で強化、更にシルフの加護付き
短剣も700で雷属性を付与、攻撃だけじゃなく雷属性のダメージも軽減しまさぁ」
高いだけあって、なかなか高性能だニャ…
見た目とのギャップが半端ないがニャ…
「よし、行くかニャ」
「待て、全員で行くのか?」
「ニャ?何か問題でも?」
「忍者が目立ち過ぎ…」
確かにニャ…
「ちょっとまとまって歩くニャ~」
結局、面倒だから自分を中心に空間結界張って進むニャ~
別空間にいるのに見える、聞こえる。
別空間だから認知されなければ、触れられることもない。
まあ、魔王クラスなら感知するだろうがニャ~
「どこにいるかニャ~」
その変態は…
第1城人発見!
「最近の大佐、ひどくないか?…」
「ああ、前迄はただのムッツリロリコンだったのに…今はただのイカれペド野郎だからな…」
なんと!更に症状悪化かニャ!
第3城人発見!
「それにしても、最近増えてないか?…」
「何が?」
「いや、大佐病…」
「…そうだな、隠れてた奴らがみなオープンになったな…」
第5城人
「…お前はノーマルか?」
「な、何だよいきなり」
「いや、周りアブノーマルな奴ばっかりだから…」
「確かにな…
大佐病意外に熟女好きや○○フェチ、
ただのスケベは犯罪者手前だし…」
「その上、少佐病も最近増えてきたぞ」
「ま、マジで!
それはヤバい…」
「俺達も気を付けないと…」
「…ああ、痔になるじゃ済まなくなる…」
「恐ろしい…除隊も考えないと…」
なんか、混沌としてきたニャ…
あの…わたしには解らない事ばかりなのですが…
いや、解らなくていいと思うぞ。解ったらこれ以上進めなくなる
……ウァサゴ、どうするのだ?戦闘以前の問題だと思うが…
サミジナ…悪いがシルフィアとカインを連れてガントレットの故郷で待機ニャ
わかったよ
おい、何で俺まで?
…いや、念の為ニャ、お前の思っている少佐はただのガチホモだニャ…
しかし、僕の思う少佐だったらお前が一番危ない。
何かわかんないが、今回は休ませてもらおう。
【】ガチャ ガチャ
ニャ…フールカス、アスタロトと面識は?
…何度か…
なら、率直に言うニャ…多分、大佐より少佐の方が強いニャ…
本物ならアスタロトと五分ニャ!
…な、何!
もどきでもそれなりに強いはずニャ…
………
これから、2人で攻め込むニャ
僕は大佐、フールカスは少佐を頼むニャ
僕の予想じゃ大佐が悪魔、少佐は潜入調査。悪魔を逸速く叩けば、少佐との無駄な戦闘をしなくて済むはずニャ!
解散!
結界を解くと手短な兵士を1人づつ拉致、各々目的地へ向かう。
〈ウァサゴサイド〉
時間が惜しいニャ…
ここは クイック ニャ!
よし、到着。
「グヘヘ、おじさんといいコトしようか~」
「きゃー、キモい。
はい、おじさんアウト!」
「捕まっちゃた~」
何だニャ?
最初のセリフとはウラハラに…
健全な鬼ごっこ?
「これが大佐かニャ?」
「はい、そうです」
「帰ってよし!」
「イエス、サー!」
何故かサーと呼ばれるニャ~、只のかわいい猫なのに…
エー、ウソー
黙れ!
イエッ、サー!
………
「誰だ!私の細やかな楽しみを邪魔するのは!」
「邪魔して悪いニャヒューイットくん!
僕はウァサゴ、72柱ニャ!」
さあ、どうでる?
「し、新魔王ウァサゴか!ゼパル様の言っていた通りになったか…」
ゼパルかニャ…
確か奴の能力の1つにあったニャ~強制恋愛…
「こうなったら…」
ニャ?指輪?
「【召喚】!」
変身か、力借りる位だと思ったんだがニャ~
まさか呼ぶとはニャ…
「ゼパル様!新魔王が来ました!」
「………、早かったなウァサゴ…」
「予想済みって事は結構ヤバい事考えてるのかニャ?」
「ああ、私では無いがな…」
赤服に全身甲冑…
「…ベリトかニャ?」
「たったこれだけの接触でそこまで判るか…
やはり魔王一危険な存在とベリトが言っていた通りだな!」
「ベリトは何が望みニャ?」
基本、自分の害にならなきゃ邪魔しないニャ
「天界侵略、手始めにこの世界を征服し兵力確保」
あちゃー、こんな真面目に悪魔やっちゃってる奴がいたとはニャ~
他の支配階級クラスの悪魔は皆、不真面目(穏健、ばか、僕は前者、自分の平和な猫生活の為)だったからニャ…
「ウァサゴ…、貴様は邪魔だ!ここで消えてもらう!」
えー、戦闘も真面目~仕方ないニャ~
ここは凹って配下にするニャ
「勝ったら部下ニャ!」
「やってみろ!はっ!」
オー、超早い突きニャ~
ニャ?72柱同士でそんなに余裕有るのかってかニャ?
あるニャ~
〈フールカスサイド〉
「…この部屋に少佐がいるのか?」
「ああ、そうだ」
「…行け」
…アスタロトとは魔界平定の時、一度共闘して実力は心得ている…
そのアスタロトと五分の可能性があるとなると、戦闘になったら勝てないな…
…ウァサゴにメモをもらったが、これで駄目ならどれだけ時間を稼げるか…
ガチャ
「誰だ」
「…72柱ウァサゴ配下、魔界騎士フールカス
貴殿が少佐か?」
「72柱?アスタロトの関係者か?」
…最悪の展開か…
「…何をしに、ここに潜入した」
「フィガロを探してたら、不思議な場所に来てしまった…
それで、アスタロトに会ってな…
ここの破壊工作の手伝いをするはめになった」
…どうやら、戦闘はせずに済みそうだ。
フィガロと言ったら天界の…その上アスタロト…地獄や消滅位で済みそうにない…
「…私の上司、ウァサゴがここの中枢を叩いている…
今から向かえばもう片付いているだろう。貴殿の帰還も容易いはずだ」
「……名残惜しいが…」
メモによると、残りそうになったら…
「マラ○ヒを迎えにとウァサゴが言っていたが…」
「急いで行こう、フィガロが心配だ!」
…効果覿面だな…
その後、2人でウァサゴの元へ。
途中、大佐寄りの兵士に妨害にあうが、瞬殺で先に進む。
フールカスは槍で無双。
少佐は特製銀弾丸の銃でハザード。
2分後、ウァサゴが居るであろう大佐の部屋の前に着いた。
さあて、料理の時間ニャ~
多分、フールカスはソッコーでこちらにくるはずニャ
時間にして1、2分かニャ?
なので、ゼパルちゃんが来た時に時空結界を部屋にかけたのニャ!
そうすれば、逃げられないしニャ♪
今?
(^ω^)
35回目の…
「やったかニャ?」
「……まだ…だ!」
勇者以外は何回で立てなくなるか?実験中ニャ
「じゃあ、次は飛翔脚食事用小刀」
斗利己ニャ~
「まだだ~」
オー、やり返す元気がまだあるかニャ~
「三又串盾
&
百連ピック拳ニャ~」
あ、結界もつかニャ…
ドフ 「グッ!」ドフ 「ヴ」ドフ、ドフ、ドフ、ドフドフドフドフドフ ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドレドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドミソドドドドドドドドドドドドドドドド?
100回超えたニャ~
「お~い、生きてるかニャ~?」
「………」
ただの屍のようだ。
このまま、死なれたら地獄の往復時間が勿体無いニャ…
「ちょっとだけ時間を戻すニャ
で、ほんのちょっとだけ回復ニャ~」
記憶はそのままニャ
「好きにしろ…」
バタン
丁度来たニャ
「ニャ~、遅かったニャ~」
嘘ニャ、丁度ニャ
「……どうなったんだ?」
「ゼパルが大佐を操ってたニャ、黒幕はベリトニャ」
「…ベリト?あり得ん、奴は至って普通な悪魔だ…」
「そうニャ、普通の悪魔ニャ
だから、この平穏な魔界しいては世界が許せないんニャ」
「話中悪いが、すぐにフィガロの所に行きたいんだが…」
「じゃないと、殺されるかニャ?」
「……いや、もっと酷いかもしれん…」
「サインくれニャ、そしたら送還するニャ」
いや~本当に黒髪長髪天然シャドウ…MI6なのに下半身に節操のない変態色魔に会えるとはニャ…
「これでいいか?」
「ニャ、創造、扉
これを逝きたい場所を考えて開けるニャ」
次元を越えるが、召喚の応用で魔力を練ったからなんとかなるはずニャ…
ガチャ
「バン…どこいってたの?そして、ナニシテタ」
バタン
「…暫く、ここにい「帰るニャ!」ヴっ」
ガチャ ドン ウワキシテマシタ バタン
扉を消した
「ニャ~、想像するだけで楽しいニャ~」わかるかニャ?わからなかったらアスタロトで検索ニャ
わからない?知らんニャ!
「……で、これはどうするんだ?」
「ああ、ゼパルちゃん?
フールカスにあげる、煮るなり、焼くなり、部下にするなり好きにするニャ」
「………部下だ」
そうだよニャ~
自分で部下になれ
って言っておいて焼く言われたら…って少し焦ったのは内緒ニャ
「じゃ、一仕事したら合流して、観光再開ニャ!」
「………」
…ベリトはいいのか?
さあ、シッカリふざけたところで、カトプレアを観光地らしく戻すニャ!
「ゼパル~、ここ占領する前の領主はどこニャ?」
「城の牢屋に居る」
お、殺してなかったニャ
クーデターって言ってたから、死人をどうにかするの大変だニャ~って思っていたのに
「…兵力の確保、その為の人心掌握。戦争に長けた悪魔…ハルファス・マルファス辺りも仲間か…」
「ああ」
「何人位ニャ?72柱は」
「10人位だ…3魔王の所の引き抜きで、まだ増えるだろう」
問題増やして…
でも、3ばかよりは正統派だから、まだいいかニャ
ベリトニャ~前の召喚も拒否してたし、今召喚しようとしたら存在すら感知出来なかったしニャ…
…あとでなんとかするかニャ
「人質の解放したら、町を元に戻すニャ…ついでに城の中身も変えるかニャ~」
帝王解放、その際猫王国と同盟を組ませ、町の修繕を提案。
そして…
城内部を大改造。
一般公開部分を作り観光地化を進め、
猫王国との直通大型転移魔方陣を設置、
王国同様の訓練場を作った。
町並は…市民を避難させ一気に焼き尽くした……
その後、創造で修復。元の砂の城塞に戻った。
「さて、そろそろ呼ぶかニャ~」
「もう、終わったの?」
「さすが、仕事早いな」
「視察再開だね」
合流後、本来の市街を探索。
建物はセントラルと同系列だが、町並みは古代ギリシャのメトロポリスといった感じだ。
一通り眺めた後、一行は帝王に挨拶し、カトプレアをあとにした。