猫、異世界で王様になる
「ギャー―ー------…」
と、とりあえず
なんとかしないと
『あっ、まだ人のままだから、猫にするね♪』
「いや…、その前に落ちてるんですけど」
『大丈夫♪大丈夫♪猫になれば、墜落してもシナナイカラ♪』
「そーゆー問題じゃ、無い!」
『じゃ、頑張って♪えい!』
ボンッて煙に包まれたが、高速落下中なのでソッコー姿が現れた。
マジ猫…
ドラえも○みたいに丸くもなく、カリ○様みたいに、デフォルメもさせて無い…
普通に猫…
まぁ、鏡で見たわけじゃないから、手足と腹しか見てないが、
って、今
「落ちてたんだ~~~--…」
とりあえず、ド○えもん繋がりで…
「タケコプタ~!」
見た目、吸盤付きの竹トンボを創造して頭に付ける
…
キュル ル ル ル ル
な、なんとか 助かった…
猫になった瞬間、頭に入って来た情報(世界知識)によると、この世界で“創造”したモノはこの世界の物になるらしい。
よって機械等を創造した場合でも、原料もエネルギー源もこの世界の物を使う。だからチートなとんでも道具でも所有権はこの世界になる…らしい。
そして、その機械の発動方法も魔法で雷→電気→機械ではなく、魔力をエネルギー源にそれに近い魔法を発動する魔道具になるらしい。
つまり、
タケコプタは浮力を得る風の魔道具になるらしい。
なんか“らしい”多いナァ、
頭に無理矢理入れた知識(世界知識)は慣れるまで、違和感バリバリなのは否めないニャ~
「ニャ~?ってなんだニャ!」
ヤバいニャ…、言葉も思考もニャが付いてるニャ……
フゥ
「30半ばのおじさんの猫言葉はツラいニャ………」
とりあえず、
足元に広がる森に少し開けた場所を見つけて着地。
「どんな姿か、確認ニャ!」
姿見を創造
「おっきいロシアンブルーだニャ……」
二足歩行をしている以外、地球の猫と何も変わらないニャ…
「装備でも整えるかニャ?」
マント
ブーツ
四次元ポシェット
「うん、まんま長靴を履いた猫だニャ…」
姿見とタケコプタを四次元ポシェットにしまい、歩きはじめた。
場所を確かめるかニャ…
世界知識先生の説明によるとニャ
この世界の名は
メレゲント
大陸は大雑把に一つしかないらしく、“コ”の字に似た形をしてるニャ。
(日本位の島は至るところに点在)
現在地は…
「大陸の北部・フェアリーランド内、中央森林の西かニャ…」
国や種族の分布は
北部は妖精、精霊が多い国フェアリーランド
中央は人が多く、現在五つ国が存在する
南部は魔族が多い。
勢力図は画けるが、国としては存在しない。
モンスター、魔物は全世界に分布。
こんな感じだニャ。
「世界一周は大変そうだニャ。さて、どこに行こうかニャ~」
ニャ、ここから東に(ご都合主義だニャ…)猫の王国があるニャ。
ケット・シーは猫の王様ニャから、行っても大丈夫ニャろう(希望的観測ニャ…)。
「そうと決まればレッツゴーニャ!」
「着いたニャ…」
あっさり着いたニャ…てっきりモンスターに追われたり、女の子に会ったりすると思っていたニャ…
「フラグ建てるの遅かったかニャ~…」
あ、なんか来るニャ。
やっぱり、戦闘能力の確認は必須だニャ!(ご都合主義ニャ!)
「ドラゴン?」
マジ?初戦闘がドラゴンって、マジッぱないっすニャ。
「メレンゲのニャ郎…」
あ、メレンゲって♪♪って語尾に付く神様の名前ニャ。
「って、もう目の前…」デカっ!
ただでさえ猫、小さいのに…このドラゴン普通よりおっきいんじゃない?…
『我が名はカンヘル!我が目を盗ろうとした猫を渡せ!』
「僕も猫なんだがニャ…」
目なんてとってないニャ…たぶん。
『ヌシではない!ヌシの後ろの猫だ』
後ろ?
「わっ!いつの間にいたニャ?!」
??「え?普通に君を跨いで」
ああ、ドラゴンに気を取られる時かニャ?
「って、お前もデカっ!」
僕の倍ニャ…
「いや、だってベース虎だし…」
ベース虎?
『渡してもらえるか?』
「はい、どうぞニャ!」「いやいやいや、ケット・シーだろ?この国で匿えよ!いや、匿ってください!」
国で匿えって言ったて、猫の国だよ?普通に無理だろ?
それも僕、この国と無関係ニャのに。
「頑張っ!」
「そこをなんとか!」
と土下座
いや…、虎がただの猫に土下座の図って…
「報酬は?」
「?、金は命より大事なんで。命で」
おいおい、命より大事なのお金って…
「わかったニャ…
気は進まないけど力試ししとくニャ…」
『?、やるのか?ただの猫でも手加減はせぬぞ?』
「OKだニャ戦闘開始ニャ」まずは、魔法を試そうかニャ?
初級の火の魔法に限界まで魔力を込めて
「えいっ!だニャ?」
イメージ的には“メラ”。
ゴオォォォォォォ!
ドゴーン!!
「え?」
予想はしてたけど…
まさしく「バー○様萌え」
10㎝位火の玉がドラゴンに当たった瞬間爆発炎上…
『なかなかやるな、猫!っ』
と口を閉じた。
「ブレスかニャ!」
何で防ごうかニャ~…
よし、召喚で防ごう!
他の魔法だと確実に防げそうだしニャ…
「同じ猫科のよしみで、
ソロモンの秘法!72柱が一柱、『ヴァレフォル』召喚だニャ!」
「え?」
ドゴーン!!!
エエェェェェ!!
「ニャんでやねん!」
ニャんで虎擬きがブレス喰らってんねん!
「うぅ、いや、僕がヴァレフォルだからさぁ…」
適当に呼んだら、ビンゴって…
「お疲れニャッ、やっぱ自分の事は自分で解決しろって事ニャ!」
「いやいや…、まあ深くは考えないにしても、一度引き受けたんなら、なんとかしてよ~」
ボロボロになりながら懇願。
『……そろそろ再開してもいいか?』
「「あ、すいません、どうぞ(だニャ)」」
『…そろそろ終らせるか、ギガフレアブレス』
ネーミングセンスェ
ボォワォォォォォ!!
さっきの倍の太さのブレスと
3つの魔方陣からさっきと同等かやや強いブレスが向かってきた
「怒らせたかな?」
「多分ニャ…じゃあ、こちらも本気で」
と、天地魔○の構え…
「え?大丈夫?…僕を呼ぶ位だから、強いんだろうけど…」
○ーン様舐めちゃいかんニャ!
先行してた魔方陣分3本をフェニックスウ○ングで弾き
極太のブレスをカラ○ティエンドで真っ二つ
そして…
神級の炎をぶっ飛ばした。
「カイザーフェニックスニャ!!」
キエエエエェェェェェ………
ドラゴンの倍の大きさの火の鳥がドラゴンごと地平線の彼方に消えていった…
「地形…変わってない?」
「………」
魔法…地上で放つの辞めようかニャ…
~閑話休題~
「ところで、君は本当にヴァレフォル君なのかニャ?」
どう見ても全身毛皮のタイガーマスク…
「あ、これは逃走(戦闘)用の姿で本来はロバの胴体にライオンの頭手足です」
と、そこには鬣付きのおよねこブーニャ○…
「で、なんでソロモン72柱の君がメレゲントにいるんだニャ?」
「あ~、72柱の大半はここの出身で、冥界経由でいろんなとこ派遣行くから」
ニャんですと?
「ルシっちのとこの魔界とここの南部ゲートで繋がってるし…」
なんか混沌としてるニャ~この世界…
ん?
「ちょっと待っててニャ
(直通携帯創造)プルル、ガチャ『やぁ♪どうしたのかな?♪』
ちょっと聞くがニャ、メレェ、神になる前の名前は?
『ん?♪サマエルだけど?♪』もーいいニャ…あと、メレェからの念話、これからはこの携帯で受けるニャ『え…?♪あ』じゃあだニャ」ガチャ
…メレェの奴、元々冥界担当天使かニャ
…
こりゃ、ハードな生活になりソーダニャ…
不自然に出来た大きな一本道を背に、二人(二匹?)は猫王国の入り口に向かった。
「入国ですか?」
と、大きな門に着いた途端猫に聞かれた
ヤバい、お金もパスもないニャ…
「そうだよ、二人ね」
「分かりました、どうぞ。あと、国王様から重大発表があるそうなんで、2時間後に王城前に集まってください」
「?、入国って簡単にできるのかニャ?」
「猫の方は、NOチェックでOKです。」
「ふ~ん、そいえば今の王様って誰ニャ?」
「バール様です」
「「え?!」」
ハモった?
「バールって72柱だよニャ?」
「うん、僕も丁度彼を探してたんだよ。」
ふ~ん、結構な大物をお探しで…
なんかあるニャ…
「とりあえず、時間まで町を見学ニャ」
猫王国は、城を中心に町が円状に広がり大きさは約直径1㎞。
2時間もあれば、1周できるだろう。
時計周りに歩いて行く。
町のつくりは…
予想に反しアラビア風な丸い屋根と白壁が目立つ。
「レンガとか木の家が多いと思ってたニャ…」
「多分、バールさんの影響ですね…」
そっか…バールってそっちの方の神様だったはずだニャ…
「店とか入ってみるかニャ?」
「いいですね…貴金属系の店「武器・防具を見ようニャ」…はい…」
こいつ…かなり手癖が悪いニャ…
盾と剣が書いてある店を見つけ入ってみる
「いらっしゃい」
中は雑然と盾・剣・鎗など種類ごとに壁や棚に飾ってあった。
「お勧めは?」
「杖とローブに新しいのが入っているよ」
と、奥からかっぷくのいい猫が出てきた。
「どんなのかニャ?」
「防火防温のローブと、オリハルコンの杖だ。杖は魔力の伝導・貯めに優れその辺の剣より軽くて強いよ!」
ッしゃ!やっぱり、実物見てからの方が創造しやすいんだよニャ~
ついでに成分的なモノも理解して…っと、OK!
「ありがとうニャ、また機会があったらよらせてもらうニャ~」
そそくさと、店を出る。
「もういいの?買い物するかと思った。」
「ミャ?もうもらったからいいニャ」
「盗った?♪」
「喜ぶな!盗んではないニャ、データは取ったけど♪」
人目に付かない路地に入り、…一寸だけ集中し創造!
そこには、黒塗りの杖。
先には魔力を貯め易いダイヤとサファイアの2㎝大の装飾。
更に、剣の柄・鐔みたいな物も見える。
「よっ カチャ うん、きれいだニャ カチン!」
仕込みになっているが、中身は刃などはなく細身のシルバーの杖。
よし、完璧ニャ。
「剣?」
「違うニャ、杖だニャ。一寸仕掛けはあるがニャ」
ふふふ、次の戦闘楽しみニャ。
「まだまだ時間あるニャ、ご飯を食べようニャ」
色々あったから、朝から何も食べてないニャ
「いいですね、城の近くまで行って ゆっくりしましょう。」
少しぶらっとして、レストランぽい店に入る。
「いらっしゃい!」
適度に混みあった店内を歩き、窓際の席に座る。
「ご注文は?」
「Aセット」
「Bセットで」
「畏まりました」
こっちの食事は…
あまり地球と変わりないニャ。
ハンバーグやフライ
野菜や調味料も名前は多少変わっても、同じようだニャ。
食後
コーヒーを飲みながら
「一寸、お金見せてニャ」
「え?持ってないの……はい、盗らないでね…」
「…お前じゃないんニャから、心配するニャ」
今回は創造でやり過ごそう。
経済に影響しないよう、今度からは正規の方法をとるが。
えっと、貨幣単位は
銅貨×10=銀貨
銀貨×10=金貨
銅貨一枚100円位の価値だニャ。
「はい、返すニャ」
「割勘?」
「ここは僕が払うニャ、 会計頼むニャ~!」
ウェイトレスが来る前に金銀銅貨10枚づつ創造、ポシェットへ。
「別々ですか」
「一緒でいいニャ」
「1銀6銅です」
「はいニャ」
「ありがとうございました」
そろそろ時間だニャ
「行こうニャ」
「はい」
城の前には沢山の人が集まっていた。
しばらくすると、
城のバルコニーに王様らしき猫と家来らしき猫が数匹出てきた。
王「今日、集まってもらったのは他でもない。
………、ワシ、王様辞める!」
………
「「「「ええぇ~~~~~!」」」」
こりゃまた、
王「ついては、次の王をここの中から選ぼうと思う。」
拡声魔法でも使ってるのかニャ~
王「うーん、ビシッ
君に決めた!」
ホログラムみたいなので城の前にデカデカと姿が…
僕?
「ニャんでやねん!」
王「今日は以上だ。詳しくはまた後日報告する。
新王と隣のヴァレ…ライオンは城に来るよう、解散。」
「「………」」
この展開は読めなかったニャ…
「あのホログラム…ダンダリアンか?…」
「…もしかして、僕は君の用事に巻き込まれたんではないかニャ?」
72柱が同じ72柱に会いに来る…
そん時気付けばよかったニャ…
「多分、そうだと思う…ごめん」
「いや、謝んなくてもいいニャ…」ただ、面倒なだけニャ。
兵士が迎えに来たので城に向かった。
王「いや~悪いね急に」
「いや、本当ニ」
王「いや~本当にすまん。
ヴァレフォルから聞いたと思うけど、ワシはバールじゃ。
して、ヌシの名は?」
名前…
決めてなかった…
「…うん、オズ。名前はオズで」
映画に対抗って訳じゃないけど、魔法使いで国を納めるって言ったら、ねぇ
「?、オズか?スペルは?「OZ」違うか…、いや~同じ名前が72柱にいるから」
あ、そっか…居たな豹が
「名前変えるかニャ?「ん?」一寸待つニャ」
携帯で
プルル、ガチャ
『ハーイ♪メレンゲで』「間違えましたニャ」『いやいやいや、待って待って♪なんか用?』
「いやニャ~、名前、考えてなくって適当に付けようと思ったんだけどニャ~
名前で気になったんだがニャ、ウァサゴって誰だニャ?
被らない様検索かけてもウァサゴだけ誰なのかわかんないんだニャ~」
一寸気になって
『知りたい?♪』
「さてはお前だニャ?」
『ピンポ~ン♪』
「卓球か!」
なんか疲れたニャ…
「名前…もらっておくニャ、別に構わないニャ?」
『いいよ~♪頑張って2代目!♪』
「………」ガチャ、プー プー プー
「待たせたニャ
オズは王の時の名前ニャ、普段はウァサゴだニャ」
「オズの次は顔無しか?お主、何物だ?」
「ん?あんまり気にするニャ、そのうちわかるニャ」
「で、本物のウァサゴ?」
「一応そうだニャ、先代から名前襲名したからニャ」
「まあ、実力は前のウァサゴと同じかそれ以上だし問題無いじゃろ。
ところで、ヴァレ。何か話があったんじゃなかったか?」
それそれ、ドラゴンと王様騒ぎで忘れかけてたニャ。
「うん…
今、僕、ルシっち…ルシファーのとこにいるんだけど…
べリアルとベレト、更にアスモデウスが手を組んだ…」
「なんじゃと?!」
「…サタン不在の魔界のパワーバランスが崩れたな…」
ダンダリアン初めてしゃべったニャ(笑)
「うん、そうなんだ。
ガアプはピンだし、アスタロトは野心家だから誰にもつかないだろうけど…
他の連中がね…
それをルシが心配してね、他の72柱の実力者の動向と意見をね…」
「「「………」」」
いや~大変(楽し)そうだニャ~
僕?ふふふ
まずは、色々準備しないと♪
「お三方?バールさんは今日からフリーだし、これからゆっくり決めるニャ
と」
「…忘れておった、これから大臣を呼んで説明させよう。ワシらは別室で話をしておる」
「しばらくは滞在するから、何かあったら連絡するね」
「わかったニャ」
こっちから用があったら召喚するニャ~
さ~て、楽しくなってきたニャ~
色々起こったが、どうぶち壊してあげるかニャ~ (笑)