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猫 ねこ ネコ  作者: カレー屋きんちゃん
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猫、異世界立つ

某日某所


「今月は二軒か…」


新聞配達員は今月の新歓件数を確認しながら、肌寒い春の朝をバイクでとばしていた。


30歳を越え、折り返し40歳も近付いてきた男は体力の減退を日々感じずにはいられなかった。


「昼間の仕事、どうしよっかな~」


朝は朝刊を配っているが、昼間は違う仕事をしていた。

俗に言うWワークと言うやつだが、先日、年下の先輩の態度に頭に来て辞めてしまったのだ。


「朝刊だけだと、生活費でギリか…」


などと、考え事をしながらも走っては止まり、走っては止まり新聞を配っていく。


「これでラストっと」


後は事務所に戻って片付ければ終わりって、思いながらバイクをとばしてると


猫が飛び出してきた。


「あぶな…」


そして気が付くと目の前には車…


「マジで?」



『おいおい、朝だからって…まだ薄暗いんだからライトぐらいつけろよな~

それにこっちが優先道路じゃ~ん止まれよ~、こっちは無事だったからよかったものの…』

降りてきた運転手に、聞こえるか聞こえないかの声でぶつぶつ言ってると


「大丈夫か?!

…救急車呼ぶぞ!ちょっと待ってろ!」



『いやいや、無視ですか?本人は無事だと…』


と思ったら目の前には倒れた自分…


『え?』


嘘…

死んじゃった?


『んな訳ないじゃ~ん』

運転手の肩をたたくと、


スカッ


『えっ?』



もう一度


スカッ





『えっ、えぇ~?!』



やっちゃった?

まだ、普通の人の寿命の半分もたって無いのに~


『ふう…

さて。

私は天国かな…、地獄かな…』


警察に捕まるような悪いことは、してないんだけどなぁ…

って、冷静に考えていると、目の前が急に明るくなる。



白…

一面白一色



「何にも無いな…」


うろうろする


「んで、ここは天国? 地獄にしては明るいし…」



再度、うろうろする




 -30分後-



天国でも地獄でもいいから、何か出て来いよ!



『呼んだ?』



「わっ!いきなり?!

…で、ここは?」


『ココアは無いよ、コーヒーでいい?』



「…」

『…♪』


どこからか、テーブルセットとコーヒーセットが出てくる。



「ここはどこ?」



『ココ壱は、そこの十字路右に曲がって、2件目ね♪』



「………」

『…♪?』




「…覚悟は出来てるか?(怒)

歯を食いしばれ!」


ベキ!ボカ!ドフ!

バシッバシッバシッ!

ドガッ!




『……(泣)』


「それで、ここはどこで、君は誰かな?ん?」



『…はい、ここは天界の私の部屋で、私は神です…』



「………」

『………』




サッ!m(_ _)m

「失礼しました!」



『いいって♪いいって♪別にその程度じゃ、ケガなんてしないから♪』



「じゃ、改めて

何で“天国”じゃなくて、“天界”にきたの?それも神様のプライベートルームに」



『それはね…実は手違いがあって…』


「は?」



『それで…転せ…』

「いや、ちょっと待て!」


『えっ?』



「今、なんて言った?」『えっ?転…』

「いや、その前!」


『手違いで…』

「手違いで私は死んだと?」


『はい…』



「………」

『………』




「…覚悟は出来てるか?(怒)

歯を食いしばれ!」


『いや…やめ、やめて!ギャー---!』






  (しばらくお待ちください)




「じゃあ、詳しい話を聞こうか?」


コーヒーを一口飲んで促す。



『…はい、…私も座ってよろしいでしょうか?』



「許可しましょう。

で、何でこうなった?」



『はい、実は…』


『友達の飼ってる“猫”が逃げてね♪、それを探してたら君が事故ってた♪』


「ちょっと待て、その猫って…」



『そ、バイクの前に飛び出した奴♪』



「やっぱりか…」


どーりで動きが普通の猫より早いと思ったよ。


『地球のチーターより早いからね♪』



「えっ?」

心読んだ?



『気にしない、気にしない♪

それでね、死ぬ予定になかった君を転生で生き返らそうと、そういう訳ね♪』


「そっか…、普通に地球で生き返ることは?」



『無理なんだよね~♪こっちの間違いでも、地球での“死”は消せないんだよね~♪』



ふ~ん、じゃ、どこに転生?


『地球と、猫の持ち主の世界じゃあだめなんだよね~♪そこで、私の世界に転生ってなったんだけど…』



「ん?、どうした?」



『お願いがあるんだけど…』


なんだなんだ?

まだ何かあるのか?


『転生を猫でお願いします(^人^;)』



(・o・)


「猫?」


『いや~、最近転生者が多くてね~♪創世神に釘を刺されちゃって♪

私の世界も“人”に空きが無いんだよね~』



「断るっ!」


『ステータスは自由にしていいから♪、ね?』



しょうがないな…

「…で、どんな世界なんだ?」



『地球で言うファンタジーな世界だよ♪中世ヨーロッパチックな街並みに魔法にドラゴン、魔王に勇者までいるよ♪』



ふ~ん、じゃ

「おまえと同じステータスに」


『いいよ♪』


デジマ?


『後、好きな力でも物でも2つあげる♪』



その前に、神様のステータスって?



『魔法は自然属性全部に光・闇・時空ね♪あ、創造はだめね♪神になりたいんならいいけど♪』


面倒くさそうだから、いいや


『やっぱり?』


ナチュラルに読心術しちゃってるし『気にしない気にしない♪』はぁ…まあ、いいや。

「で、身体能力は?」


『世界最強♪魔力も∞♪あと、種族はケット・シー、妖精ね♪』



ん、猫ならサーベルタイガーとかキラーパンサーとかみたいのだと思った…


『アニマル系だと、身体能力は耐えれても、魔力が耐えられないんだよね~♪』


「わかった」



『あと、神ステータスにある完全理解オールノウン世界知識シンラバンショウも入れとくよ♪』


ん~、ただですら反則級の力に

鋼鉄兄弟んとこのお父様が欲しがってたものまで…



『知識が無いと使え無いし、暴走しちゃうからね♪』


ごもっとも…


『じゃあ、あと2つ何がいい?♪』




うーん、迷うな~

「うっし、猫だけにドラえ○んの四次元ポケット(スペア&道具修復機能付き)と、龍玉のご飯の父の能力?」


『いや~、歳がバレるね♪「大きなお世話じゃ!」どっちもあげるまでもなく、同じことができると思うよ♪』




「なん……だと…」

しくじった…最初に能力上げ過ぎて、チート付ける必要がなくなった…


『やり直す?♪』




「いや…もうちょっと待って…」



 (再び、しばらくお待ちください)










よし!


「じゃ、魔法補助具と利力の杖で」



『ん♪それで、その能力は?♪』



「補助具の方は、その名の通り魔法の補助。自分が思い描いた魔法に必要な属性・魔力・バランスを瞬時に判断・実行させてくれる物で。


『うんうん♪』


「利力の杖の方は、魔力を攻撃力に変えるあれ。できれば、某大魔王のような奴」



『うんうん♪……却下ね♪

世界知識の中に魔法の構成法は入ってるし、その杖神噐越えちゃうよ♪』



結構考えたんだけどなぁ…


『そゆことで、君の残りの能力は、創造と召喚♪神様決定ね♪』


「えっ?そゆことでじゃなくて『時間無いから、もう送るネ♪』いや!待て!神様決定って」


『じゃ~ね~♪(ポチッ)』




「ポチって、ギャー―ー--------!」




『猫が神様になったら、カリン様かな?まあ、なったら神様替わって貰お♪』

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