ハヤトのプライバシー
全く趣の違う話で戸惑われるかも、R15 をつけておきます。
ハヤトは、朝霞駐屯地の迎賓館の一室に住んでいる。
その夜ハヤトは、安井など下士官連中とビールや焼酎を結構な量飲んで眠りついた。その飲み会で、安井の下士官仲間の浅井みどり2曹、グラマーな32歳の未亡人も一緒であった。彼女がちょっかいをかけてきたこともあり、酔った彼女といちゃつく形になったこともあったのだろう、夢のなかにロマニーの裸体が出てきた。
ロマニーは、リーラスル王国の王室専属の接待婦であり、重要な客人に対して性接待をするのが役割である。そうした女性はリーラスル王国のケースで10人ほどおり、ハヤトは勇者の資格を得た召喚から3年を経た18歳の時に、いわば王室の客人としての接待婦の制度を利用することを許された結果、長く性的なパートナーとして彼女となじんでいたのだ。
ロマニーの裸体と夢の中で睦みあい、絶頂に達してはっと目を覚ますとパンツを汚しており、少々みじめな思いをしながら密かに風呂でそれを洗ったが、洗いながら、浅井みどりに連絡を取ろうと決心したハヤトであった。
ちなみにハヤトにとって、召喚されてからのそれまでの3年間の内で、最初の1年は彼にとって地獄のようなものであった。
召喚によって、肉体的にかつ魔力の面で大幅にかさ上げされた彼であったが、平凡な日本の中学生であった彼が、激しい戦闘訓練の中に放り込まれて、とりわけ最初は毎日体力のぎりぎりまで絞り出すのはまさに死んだ方がましと思った毎日であった。
しかし人間は慣れるもので、そんな毎日に慣れて楽になったと思った頃、今度は肉体を絞ることに加えて今度は精神力をぎりぎりまで絞る魔法の訓練が始まった。その毎日の中でも、長い経験のある訓練の監督官は、その疲労の状態を確かめつつハヤトに食事を慎重に与えた結果、細身であるが敏捷かつ強靭な筋肉が形成されていった。
その過程で、ハヤトの日本の中学生らしいふっくらして柔らかな体は、全くぜい肉はそぎ落とされ、鋭くしなやか肉体に変わっていった。身長も、召喚時に175cmで殆ど伸びは止まったと考えていたものが180㎝まで伸び、1年を過ぎるころには身長、体格共に全く見た感じが変わっていた。
顔貌も、目つきが鋭くなり顔も少年らしい柔らかさが無くなっていた。ハヤトは、一緒に訓練を始めた似たような年齢の若者の中でも、格闘技、剣技、槍術かつ弓術において傑出した水準になった。その時点で初歩的な訓練が終わったとみなされ、今までの大部屋での少年達での共同生活に別れを告げ、質素ではあるが個室を与えられた。
その時点で、ハヤトが非常に驚いたのは、彼の部屋に少女が送り込まれてきたことである。リーラスル王国においては、戦士を育てるためには、その育成する若者の適切な性処理も必要であるということをよく理解していたが故での措置である。
また、奴隷制度のある、この国ではそうした役割をする、貧しいものまた奴隷は容易に見つかるのだ。
日本においても、公的な奴隷制度そのものはなかったが、貧しい女性はしばしば売春婦に落ちていったものだ。ハヤトに与えられたのは、生まれついての奴隷の身分の、サヤラというほっそりした中背の17歳の少女であった。
彼女は、このように性処理係として仕えるのは2人目ということであり、性交そのものは全く抵抗がないようであったが、肉体的に苦痛を与えられるのを恐れていた。ハヤトは、日本人の普通の感覚をもっている男の子として、こうして送り込まれた女性とそのシナリオ通りにふるまう、つまり彼女を抱くのには大いに抵抗があった。
しかし、彼女は、もしその用を為されないということは、折檻をうけると恐れており、そしてそれは事実であったが、そのために仮の主人になるハヤトとそういう関係になるために必死であった。
当然童貞であり、かつ女の子と手も握ったこともないハヤトにとって、それなりに女の子らしい体つきの可愛い顔のサヤラから、必死に迫られると到底抵抗はできなかった。
その日の内に、彼らは肉体関係を結ぶことになり、また、そういう風に一旦堰を越えると、抑えが利かなくなってその晩には4回をこなしたため、翌日の訓練では腰ががくがくして、『過ぎるのはだめだ』ということを痛感した結果になった。
結局ハヤトは、勇者として名実ともに認められるまでの残り2年間を、半分ほどの遠征の期間を除いて、いわば恋人としてサヤラと過ごすことになった。ハヤトにとっても初めて女性と一緒にすごすことで、人生で最も性欲の強い時期をその相手に不自由せずに過ごすことが出来た点で満足ができるものであったが、その間はサヤラにとっても幸せな時期であった。
ハヤトは、サヤラとはいきなり性交を行う関係から始めたわけであるが、彼の世話を一生懸命して、彼の満足を一番に考え尽くす相手と過ごすことが悪かろうはずはなかった。
また、サヤラにとっては、ハヤトは今まで出会ったことのない、優しい主人であった。前の主人は、殴る蹴るは当たり前で、いつもののしられて全く人間扱いされず、行為も相手を全く思いやることない苦痛に満ちたものであった。
その点では、ハヤトは日本に育った若者らしく、暴力どころか、相手に極めて優しく、食事もできるだけいいものを与えてくれ、いつも優しい言葉をかけてくれる。その行為は最初こそ激しいものであったが、慣れるにつれ、優しい愛撫を伴うもので、サヤラは最近は夜のその行為が楽しみになってきている。
加えて、ある程度の休み時間も与えられるようになってきたハヤトと、しばしば一緒に街に出かけては服を始め様々な小物を買ってくれる。奴隷であったサヤラにとっては、こうして主人と街をぶらつき自分の買い物をするというのは全くの初めての経験であり、また非常に心躍るものであった。
しかし、ハヤトが彼女を街歩きに連れまわるにおいては様々な摩擦もあり、彼女も心が折れそうになったことも多いが、ハヤトの断固たる態度で続けてきた。
最初は、ハヤトが花柄のワンピースを買ってきて、彼女がいつも着ているくすんだ色の一種の貫頭着を脱いで着るように言った時だ。
「外に一緒に行こうと言っただろう?しかし、外に出るのにお前のその服であんまりだから、賄のサーヤマさんに頼んで外で買ってきてもらった。これに着がえろ、ほら手伝ってやる」ハヤトが、彼の休日のある日の朝彼女に言った。
確かにハヤトが何度もそう言っているのは聞いていたが、奴隷の自分が遊びで一緒に外に行けると思ってはおらず「そうね。行けたらいいわね」と話を合わせていたのだ。
彼女とて、外には出たことはあり、娘たちが華やかな街着を着て歩いているのをまぶしく見たものだが、まさか自分が着られるとは!半ば夢心地で、彼に手伝ってもらってその服を着る。
自分の姿は見ることは出来ないが、いつものくすんだ色の服の代わりに色の着いた華やかな服に包まれた自分がいる。うきうきした気持ちでハヤトに連れられて、外に出ると、早速絡んでくるものがいる。
「ハヤト!おまえ、奴隷女なんかを連れてどこへ行くんだ。奴隷にそんな服を着せて?」
ハヤトの訓練仲間のルーザルだ。低位の貴族家のもので、普段から勇者候補のハヤトをねたんで絡んでくるが、今日のところは純粋に驚いたようだ。
「奴隷だろうが、今はおれのパートナーだ。今日は一緒に街に遊びに行くのだ」ハヤトは少し怯みを覚えながらも言うが、リーザルが呆れて言い返す。
「はあ!何を言っているんだ、お前。奴隷なんて人の部類に入らない。そんなものを連れて歩けばお前が恥をかくだけだ」しかし、そう言われるとハヤトは断固として言い返す。
「いや、奴隷も人だ。それに、少なくとも彼女にそうなった責任はない。彼女は俺の大事なパートナーだから、俺は人として女の子として扱う。要らざる口をだすな!」
ハヤトににらみつけられて、戦闘能力では全く敵わないリーザルは引き下がるしかないが、なおも悪態をつく。
「はん!街に連れて行って恥をかいてこい」その言葉にサヤラはひるんで、ハヤトの袖をつかみ言う。
「ハヤト様、私はご一緒できません。奴隷の私と一緒に行けば、ハヤト様が恥をかきます」
しかし、ハヤトは断固として言う。「ばかな、俺は間もなくこの世界の勇者になるのだ。俺がいいというのだから、あのようなものが何を言おうが気にすることはない」
ハヤトも、最初は女の子とデートということでやや気恥しかったが、近代日本に育って人に対する差別意識の全くない彼としては、奴隷制度そのものが許せなかった。
また、強制的に召喚された彼としては、ラーナラ世界のリーラスル王国に対しては、その辛い訓練からも反発があり、彼らの価値観に従う必要は全く感じていなかった。だから、1年を過ぎてからは国の役人に強く交渉して、給金を出させていた。10日ごとに金貨1枚で、家族が楽に1ヵ月暮らせる金額である。だから、外に出てたいていの買い物はできるのだ。
そうして、外出した彼らであったが、やはり街中の娘と同じ服装はしていても、首にはめられた奴隷のしるしは目立ち、視線が集まるのを感じてサヤラはハヤトに隠れるようにうつむいて歩いた。
彼らが商店街をあるいていると、チンピラらしき3人の若者が寄ってくる。
「おめえ、奴隷の女を連れて、いい服を着せているじゃねえか。その奴隷女をよこせ。こづかい付きでな」真ん中にいた大柄で派手な服を着た若者がにやにやしながら言ったとたん、ハヤトは真っすぐその顎を蹴り上げた。
さらに、蹴り上げた足を着地させるや、体を倒しつつ反対の足のブン!と振り回し、もう1人のこめかみを蹴り付け、さらにその蹴り上げた足を引いてその方向を変え、反応できないでいる残り一人のこめかみを蹴りつける。
数瞬で、3人のチンピラはものもいえずすっ飛び横たわる。
「ばかが!相手を見てものを言え」ハヤトは吐き捨て、サヤラの手を引いて目についた服装店に入り、スカーフを買って彼女に首元を巻かせる。これで、見た目には奴隷の首輪は見えなくなり、人目を集めることもなくなり、サヤラも大いに気が楽になった。サヤラは、最初は手を引くハヤトの後ろを歩いていたが、だんだん慣れてきて並んで歩くようになってきた。
その後も、そうした外出はその後も何度もあったが、サヤラにとって、最初のデート(ハヤトが言う言葉)でハヤトに手を引かれて街を歩き、さまざまな屋台のお菓子などを食べ、また追加の服や様々な小物を買ってもらったそのことは、一生たびたび夢にも出てくる大事な思い出になった。
しかし、ハヤトも彼女もいずれ別れることになることは承知していた。ハヤトにとって、彼女は、セックスのパートナーであり好ましい相手ではあったが、いきなり送り込まれてきた相手であり、一生の相手とは捉えられなかった。一方のサヤラにとって、ハヤトはすでに愛する人ではあったが、到底一生一緒に暮らしてくれる相手とは思えなかった。
彼らの別れは、ハヤトがすでにその戦闘力、魔術、更には集団戦の戦術において並ぶものがなくなり、対魔族で連合を組んでいる5か国の合意で「勇者」の称号を正式に与えた時になった。その時点から彼はいつ帰るとも知れない遠征に出発し、各地の魔獣を滅ぼしつつ、魔族の国に攻め入るのだ。
ハヤトはその日に備えて、サヤラのために周到に準備をしていた。まず、自らも教えるが、教室に送り込んで読み書きを始めとしてそれなりの教養を身につけさせ、得意であることが分かった料理も、親身になってくれる賄のサーヤマにずっと教えてもらっていた。
ハヤトの訓練に目途がついて、勇者になる時期の目途がついたころ、ハヤトは、サヤラとも相談の上で街の事情に詳しいサーヤマにも相談に乗ってもらって貯めてきた金で小さな家を買って食堂に改装した。無論サヤラの奴隷からの解放のための国の同意は取り付けたうえである。
ハヤトの、勇者としての旅への出発の前の日の最後の夜、ハヤトとサヤラは燃えに燃え長い間絡み合っていた。別れの朝、サヤラは涙にぬれてハヤトにしがみついて離さなかったが、彼らの2年間を過ごしたちいさな部屋のドアがノックされ、ようやく離れた。
「行ってくる。元気で幸せになれ。いい旦那を見つけろよ」ハヤトが言うのに、涙をこぼしながらうつむいてしかし最後に顔を挙げてサヤラはようやく言う。
「ご武運を、御無事をお祈りしています」それが、彼らがお互いの顔を見た最後であった。
サヤラは金貨300枚、一生困らないだろうという金を、国から分捕ったハヤトから与えられていた。
その後、ハヤトがリーラスル王国帰った際に、相変わらず賄をしているサーマヤに聞いたところ、サヤラの食堂はそれなりに流行っており、本人も張り切って働いているとのことで安心させられている。さらに、ハヤトが日本に帰る寸前には常連客の商人と結婚する運びになったということで、サーマヤに祝儀の品を届けさせたものだ。
ちなみにロマニーであるが、最初の遠征から帰り、折角の接待所を使う権利を行使して、細身でハヤトの初恋だった美山先生とよく似ているロマニーを相手に選び、その後地球に送り返されるまで、リーラスル王国に滞在時には愛を交わしたものだ。
彼女は、ブロンドの中背の細身ながら出るところは出た魅力的な体をしており、めったにいないレベルの優し気な美人である。その性技は長い伝統に支えられた洗練されたもので、与えられる快楽は比べたくはないが、サヤラとはレベルが違ったものであった。
また、彼女及びその同僚は、自らの役割に誇りをもっており、選ばれた相手に夜の褥で尽くすことで相手に快楽を与えることを全力で努めている。彼女らはある程度年を取ると、有力貴族に側室として下げわたされ、大事にされてその家で一生を終える。
ちなみにハヤトは、勇者としての4年間に各国を訪れた際には、明らかな意図のもとに数多くの大貴族の令嬢を紹介された。それは、勇者として魔王を滅ぼした暁には各国の王をも超える政治的な存在になるから、その政治力を自分の家に生かそうというものである。
しかし、大貴族の令嬢であるほど、確かに美人である者は多いが、権高でお高く日本の感覚が残っているハヤトから見れば『ばかじゃないか』という思いしかなかった。さらに、その親も貪欲さが丸見えで、とても付き合いと思う対象ではなかった。
結局、ハヤトとしては10人以上紹介された王族を含むそうした令嬢に心を動かされることはなかったし、その経験が最終的に彼をして日本に帰る決心をさせる原因になったのだ。
まあ、こうしたことから夜のエロチックな夢にロマニーが出てくるのは当然であろう。
ハヤトは、翌日さっそく浅井みどりに連絡をとった。昨夜、彼女から「どう、不自由しているのじゃない?あなた、私の好みだからお相手するわよ」とささやかれていたのだ。彼女に関しては大変ボランティア精神に富んだ女性で、あとくされは少なくともないと聞いていたのだ。
その日の夜、早速駐屯地内の酒場に飲みに行き、そのままハヤトの宿舎に一緒に行く。
「いいのかな、ここで」躊躇うハヤトにみどりが言う。
「いいのよ、ここの人の口は堅いのよ。それとハヤトは、隊員ではないし、私は隊員だけど自由意志だから問題ないわ」
久しぶりに女性の肌に触れたハヤトは夢中になったが、「うまいわあ、あなた。どこで、そんなテクニックを習ってきたのよ」とうめくように言われ、ロマニーの教えの賜物だと思ったものだ。
明日も投稿します。