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東アジア再編成2

読んで頂きありがとうございます。

最近はランキングが少しあがり、更新の意欲が増しております。

韓国ネタは長くなりがちです。

 このようにして、中国は11の国に分かれた。それは、10の共産中国に反旗を翻して分かれた共和国と、北京を首都とする過去の中国を引き継いだ国である。これらは北京を首都とする国も含めて、いずれもハヤトが共産国では資源探査をしないと言っていたことを意識してか、選挙で選ばれた政権で共産主義でないことを謳っている。


 しかし、実際には一旦共産主義に染まった国が、自由主義というか資本主義に変換することは容易ではない。それは、ロシアそのもの、旧ソ連から分かれた西アジアの国々を見ていれば一目瞭然である。権威主義、秘密主義の政府と官僚、上意下達の社会構造と、人々に染み付いた観念はそう簡単に変わるものではない。


 共産主義の国の最大の欠点は何かというと、それは人材を有効に使えないことであろう。例えば、会議においてはその会議の最上位者しか喋らないし、最上位者が居なくなると2番目がしゃべる。また、担当ベースの者が時間をかけて出した結論を上位者がいとも簡単にひっくり返す。そして、それに対して誰も抗議できない。


 すなわち、学歴やゴマをするのがうまかったりして、一定の地位に登ったものは、まさに独裁者としてふるまうのだ。その意味では、担当ベースの者がいかに優秀であろうが、彼または彼女の意見が重視されることはない。であればこそ、簡単にわいろ社会が形成されるし、目的のためには何でもするという社会になるのだ。


「11の共和国はいずれも、共産主義ではないと言っているが、多分イギリスの支配下にいた香港を除けば、これからも殆ど共産主義に染まった社会である点は改められないだろうね。まあ、とは言え効率の悪い社会になるだろうから、危険であることはないだろう。

 また、共産主義を表に出していた時代と違って政府の独断で何もかも決められることはないだろうからね。あまり、援助を求められても困るから、資源探査はやるべきだと思うよ」


 日本新世紀会の水田の言であるが、それに対してハヤトはこう返している。

「ああ、資源探査はするさ。しかし、広さから言っても今までの調査が行き届いていない点から言っても、資源は内モンゴル、ウイグルそれにチベットに多いだろうね。

 また、今までであれば、内陸の資源というのは輸送面で不利だったけれど、重力エンジン輸送機にとっては関係ないからね。これらの地区の住民は、国を奪われた上に随分いじめられたようだけど、すこしはいい思いをして欲しいものだ」


 このようにして、巨人中国がなくなって、周辺の国々と大同小異の国になったわけである。しかし、周辺の内モンゴル、ウイグルそれにチベット等の地域と違って、中華と言われる地区の国々は、人口が最大で2億を超えて十分サイズとしては大きい。

 これらの国々の独立宣言からそれほど間を置かずに、殆どの諸外国が承認している。それに対して、北京を首都とする中華人民共和国は、自分の国こそが旧領土の持ち主であるとは言い張ったが、それほど独立を承認することに抗議はしなかった。これは令主席の判断であるが、反論も多かったようだ。


 こうして、台湾は日本とはすでに正式の国交を結んでいたが、台湾共和国として誰はばかることなく、国名を名乗ることが出来た。しかし、中国の拒否権によって国連に加われない点は変わっていない。


 さて、韓国と朝鮮共和国であるが、中国の分裂によって大いに影響をうけることになったが、その影響は韓国の方がより大きかった。北朝鮮と呼ばれていた朝鮮共和国であるが、第2次朝鮮戦後に成立した政府を率いる日系の安大統領が2期めの終わりに来ており、彼は今期限りの引退を最初から表明している。


 これは、中央アジアを中心とした旧ソ連の共和国だった国々の指導者は、ほとんど例外なく長期政権にしがみついている有様を見て、自分の国でそのようなことのないようにということである。実際に自分の任期中に、憲法に大統領の3選防止を謳っている。

 そういえば、日本の共産党の委員長も長く続けたようで、共産主義及び一旦それに染まった人々はそのようになりやすいようだ。


 その間に、朝鮮共和国(朝鮮国)は平均で年率10%を超える経済成長を遂げているが、それでも元のGDPが極端に低かったせいで、世界の最貧国のひとつであることに変わりはない。しかし、国民の早期の魔法の処方を実現させ、そのレベルの上がった国民の手で懸案であった農業を改革して安定して食料自給を成し遂げた。


 さらに、日本からの援助でインフラ整備を進めたこともあって、主として日本と台湾から安く勤勉な労働力を求めて、多くの工場が進出して経済の底上げに繋げている。また高度成長政策も経済基盤のあまりの弱さからタイ等とは異なる形態であるが、公共インフラや住宅改善を中心に実施しつつあるのが、今の経済成長である。


 この際に大いに助けになっているのが、資源探査の結果発見された多くの鉱物資源である。レアメタル貴金属等の鉱脈の存在と始まっている採掘は借款に際しての担保として大いに有効になっているし、これらの精錬業を国内で起こして人々の働き口を提供している。


 このように、朝鮮国はまだ貧しいものの、農業革命のお陰で飢えることもなく、日本からの借款でAE励起発電所も建設されてエネルギーに困ることもない。また家の中にはテレビ、洗濯機、冷蔵庫と徐々に電化製品も整えられつつあるうえ、今や殆どの人が電動バイクを持っている。


 しかし、これらは多くの人にとっては、現金では買える値段ではないので月賦で買っているので、その貧しさが判る。しかし、何もなかった数年間に比べて、またいつ戦争になるか判らない不安な時代に比べて、皆将来に対して明るい希望を持っている。


 一つには、朝鮮国は安大統領の方針で、所得差を拡大しないことに政策の重点を置いたために、国民が一様に貧しく偏りの少ない社会になっていることも、国民の意識高揚に大きく寄与している。

 これは、外の社会から遮断されて1人の絶対者を崇拝するように仕向けられた国民が、いきなりそれを打ち切られ、新指導者が絶対性を強く否定するという状況になった。


 さらに、魔法の処方を受け、知能が高まった時、過去の絶対者のいた政権がいかに愚かであり、自分勝手であったかということをいやというほど知った。その状態で人々は大いに混乱したが、情報を隠さない現政権が、自らの強化された知能で見てもまともな政策を打っていることを認めざるを得なかった。


 また、政権の中央にいる者達が、その特権を使って自分たちより特段良い生活をしているわけではないことも分かった。これは安とその親しい同志が、過去の北朝鮮の愚かな施政を見てきたことによる。とりわけ、強制収容所を始めとして、その吐き気のするような悪辣さ醜悪さは決してしないと強く決心していたのである。


 また、自国が少なくとも今後10年は、国際的にみれば貧しいことは間違いないことである。一方で、今や国民が外の世界を自由に見ることができることから、できるだけ公平に貧しくあるしか国を保つ方法はないということも根底にある。



 その意味で言えば、韓国の状況は全く違っていて、嫉妬社会で不満社会である。無論、韓国は朝鮮国に比べるとはるかに豊かであり、GDPは世界の10番から15番の間を行き来している状態である。

 しかし、GDPの額としては微減の状態にあり、世界の経済が昇竜のごとく経済が伸びている日本及び東南アジア諸国と東アフリカ諸国に引っ張られて膨らんでいる一方で、中国・韓国・EU諸国が縮んでいる。これは明らかに、欧州諸国が中国と同様、魔法の処方と技術革新に取り残されつつあったことが原因している。


 韓国は、金ユッケの革命政権後の選挙で、金が正式に大統領に選ばれたことから5年の任期を全うしたが、金は日本に対してニュートラルであったものの、マスコミの反日的姿勢は変わらなかった。また韓国国民は、マスコミの誘導に極めて乗せられやすいため、国民多数の反日的姿勢は結局変わらなかった。


 そうなると、慰安婦というのは韓国にとって便利な道具であり、もはや生存者が2人になった元慰安婦は聖女の地位を獲得したと言っていいだろう。それはすなわち、慰安婦像を打ち壊した、金政権の批判に向くわけであり、金の後半2年の政権運営はマスコミ・国民の総批判にさらされ、極めて厳しいものになった。


 金が憲法の規定通り1期5年で退くと、次の大統領は左かかった保守の郭ジョシュンが選ばれた。郭は強固な反日主義者であり、就任当初から日本に対して内向けに厳しいことを言って、日本に対して様々な嫌がらせに近い要求を突き付けている。


 しかし、高度成長のさなかにあり、社会が急速に変化している日本にとって、韓国はほとんど関心の外にあった。なにしろその頃は、アフリカ東岸の日本自治区や返された北方領土をというフロンティアがあったし、身体強化ができ魔法の処方ができる日本人はどこでも引っ張りだこであった。


 だから、政府としても、韓国政府からいかなる要求があろうと、ニュートラルに判断して是非を決めて対処すればいいので、困ることは全くなかった。大体において、軍事的にどうやっても韓国が日本にできることは全くなく、経済についても規模において6倍超の差があれば、嫌がらせもできない。

 僅かに国連の場で、日本の躍進を快く思っていない国を焚きつけて、嫌がらせに近い勧告を出す程度がせいぜいである。そうなると、ますます燃えるのが韓国民であり、郭政権は2015年の慰安合意を破棄すると一方的に発表し、復活した慰安婦協議会の手で、ソウルの日本大使館前、及びプサンの領事館前に慰安婦像を建ててしまった。


 かって、北の核の脅威にさらされた時に、『慰安婦などは売春婦』と公然と叫ばれたことを全く忘れたようになっている。この点は、この国民は不思議な人々であり、自国のサッカー選手が日本人選手に対し猿と馬鹿にした時に非難された言い訳に、日章旗を見たという嘘(多分)を言ったことが日章旗=戦犯旗になった原因になったことなど全く知ろうともしない。都合の悪いことは、その真実を知ろうとせずにひたすら強固に信じ込むのだ。


 それに対しては、日本はビザなし渡航を停止して、それ以来韓国人の日本への渡航は格段に難しくなった。これに対して日本では、一部のすっかり勢いがなくなった左巻きのマスコミが非難した程度あり、日本人は殆どがこの措置を歓迎した。


 しかし、韓国世論というよりマスコミは、これを暴挙として強烈に湧いた。自分たちのやったことは正しくて、相手が気に入らないことをするのは許さないという例によって典型的なリアクションである。韓国も無論報復措置として、日本人のビザなし渡航を止めたが、すでに、年間20〜30万人程度の観光客しか行ってない日本としては、殆ど影響がなかった。


 一方で、韓国民は反日の一方で、魔法の処方が極めて有用であることは承知している。日本は韓国に対しては、敵性国中国と違って、処方を制限していないために、距離が近く安く往復できることを利用して、多数が日本に渡って処方を受けている。


 しかし、韓国人は処方をできるほどの魔力持ちはいないので、3年ほど前の魔力増幅装置による処方が可能になるまでは、日本人か台湾人しか処方をできる人はいなかった。また日本政府も処方ができる人材が韓国に渡ることを制限していたが、これはさらに中国に渡る可能性が高いということだ。


 結局韓国人は処方を受けるためには、日本に来るしか方法がなかったのだ。さらには、高齢者に対する処方は、3年前から同様に日本で受けられるようになった、しかし、これは殆どビサが必要になった時期に重なり、日本政府は処方のビザ発給の条件として処方のみで30万円の費用を徴収したが、来日者が殺到した。

 こうして、多くの人々が日本に来て処方を受けた結果、現在のところ12歳以上で35%が処方を受けたと言われる。


 日本は公には、特に韓国に対して技術的な移転の制限はしていないということになっていた。

 しかし、韓国は準敵性国の扱いになっており、政府も相当な制限をかけており、さらにその移転の主役になる民間が、韓国業者に対して多大なる警戒心を持っていたので、移転の条件は厳しいものになっていた。


 まず、最重要技術であるAE励起発電、AEバッテリー、重力エンジンは、日本新世紀会の介入で国が基本特許を持っている。また、その実用化の時期には、比較的融和的な金政権から郭政権になっていたので、その高圧的な郭政府の技術移転の要求は、最初から相手にされなかった。


 実際に、韓国政府からの要求書は、礼に反するとして日本政府から突き返されたので、一方的にお願いする立場の韓国政府が、要請書に書き換えて出し直した経緯がある。しかし、日本の対応は厳しいもので、心臓部の韓国内の設計・製造は認めなかったので、それを海外に輸出して稼ごうと思っていた韓国の思惑を完全に外している。


 また、こうした重要技術のみでなく、様々な製品類は細かいところにノウハウがあって、それが製品の差別化につながっている。韓国の長年の日本に対する反日感情に基づく嫌がらせ行為と言動の結果、大部分の日本人に嫌韓と言わずともうんざりした感情を持っている。これは、処方によって知力が増した日本人が、物事をより正確に捉えられる点がよりその感情を増幅している面がある。

 つまり、従来だったら気が付かない嫌がらせに気が付いてしまうのだ。


 また、知力の増した日本人は、相手に技術を供与した結果がどうなるかを、より正確にシミュレートできる。したがって、韓国の企業から日本企業への技術提携の話は、正当な有償以外の話は全て断わられ、日本から韓国への民間ベースの技術移転は大幅に細った。


 日本から見ると韓国企業との技術提携など全くメリットはないのだ。しかし、韓国人も先述のように多くが処方を受けて知力が増しているので、韓国からも画期的な成果が出そうなものである。

 しかし、韓国人には協力という概念が極めて薄く、自分の増大した知力を自分の手柄のみのために使う傾向がある。また、とりわけ処方を受け始めたころは、知力の増大を誇り、受けていないものを馬鹿にするためにトラブルが続発した。

 この感情的なトラブル、また自分の手柄を目指す体質はアイデアとしては出てきても実用化ができず、日本に比べると職場での改良・改善は限定的であった。


 もちろん、韓国人も多くの者が知力が増大しているために、この状態を正しく認識して危機感を覚える人は大勢おり、ネット社会ではそれなりに論陣を張って受け要れられつつある。しかしこれらの人々の意見がマジョリティになるまではもう少しの時間が必要だろう。

 このように、韓国は主として日本を敵として捉えているために、親日的な台湾に比べ明らかに衰退の道をたどっているが、日本としては全く困っていない。


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