いつもの4人【火.カヤ】
【火曜日】
==カヤ==
「疲れたー」
今日の夏季講習を終え、固まった体を伸びでほぐす。
夏休みでも勉強がついて回るのは嫌だけれど、冷房がセットでついてくるのは好きだ。夏季講習は終わったけれど、そのまま場所を借りて夏季課題に手を付ける。冷房が効いていない家でやるのはごめんだ。
「うぇ、カヤまだ残るの?」
マユミが嫌そうな顔をする。カナコは思案顔だ。
「あー、あたしも残ってやってこうかな」
「マジ?」
「どーせいつかはやるんだし、みんなでやったほうが楽じゃない?」
「だね」
ミサがにこにこと同意する。
「ミサも。まじか。じゃあ私も付き合うとするかね」
「なら、コンビニでおやつ買ってこよーよ」
「いーね。それには完全同意だわ」
いつもの四人で話に花を咲かせながら教室を出る。
「この夏、どっか遊びにいかね?」
マユミは胸元に風を送りながらだるそうに訊ねてきた。
「わかる。来年は受験一色だろうし、遊べるのは今年までだよね」
「とかいって、来年も遊んでそうじゃない?」
「ははっ、そうなるといいんだけど」
「まっ、今年遊ぶことはけってーい。どこ行く?」
「海?」
「遊園地?」
「山?」
「山はないわ」
くだらない言い合いに笑い、コンビニを目指す。
やっぱり、この4人でいるのは楽しい。
この夏も4人でいろんな思い出を作りたいな。