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「８％の悪意」第二章　問題提示04

＜秋人＞

（まいったな。どうする？）

（出来ればこのまま……）

（俺としてはそう。このままずっと無関係ポジショニングを貫いて、今日と言う日を終えてやろうと思ってたんだが……）

（……困った）

（あいつらの学校で起きたっていう、テスト問題の流出）

『そんな不当行為を働いた生徒は誰か？』

（という疑問に対して、学校側では今“泉まゆか”の名前が持ち上がっている）

（……確かに）

（テスト開始の三日前。つまり１８日金曜日に不慮の事故で発生した、職員室の窓ガラス破損）

（そして、ガラス破損の同日。夜に学校の敷地内に忍び込んだという事実をすでに認めている“泉まゆか”）

（さらに加えて。後日、職員室近くの植え込み下から発見されたらしい“泉まゆか”の遺失物）

（状況だけを考えれば、学校側が件に関わりのある人物として、“泉まゆか”に注目するのには、十分すぎる条件が揃っていると言える）

（だが……）

「……ぷふぁ」

（はあ。この後、どうすっかな）

（とりあえずの足がかりは、見つかっちまった。不本意ながら）

（とは言っても。これだけでどうこうできる話じゃねーし）

（つーか。まだ全然、“欲しい”情報が足りてないわけで）

（仮に、あいつらの会話に参加して、話しを掘り下げてけば……）

（そりゃあ必要な情報の一つや二つは見つかるかもしれんが）

（しかし、だ。ぶっちゃけ、めんどくせぇ）

（…………）

　　　『だとしても、まゆかはやってません！』

「はぁぁぁぁぁ」

（まあ。これまで巻き込まれてきた、いつかの“あれ”や“これ”やと比べれば、いくらか平和的な問題と言えなくもない、か）

（……ったく）

（しゃーねぇ。コーヒー代分くらいは働いておくか）

（１２００円税別だ、このやろう）