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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

只今、転落中

作者: Edamame

ー 残り5秒 ー



どうも、時間が無いので簡単に説明させていただきます。

僕の名前は(おち) 輝男(てるお)どこにでもいる普通の大学生です。

今、僕のおかれている状況は、簡潔に言うと。


落下中です。


さっきまで崖の上の展望台にいたのですけれども何故か落ちてしまいました。


ー残り4秒ー


今日は、彼女との仲直りを兼ねて観光地であるこの崖に来ていたのですが、とても残念です。

ものの2秒前まで二人で「凄い高いね~」とかいっていたのに、その凄い高いところから落ちてしまうとは……全くついていません。

ちなみに、仲直りというのは先日彼女と口論になったものでして。その仲直りです。


ー残り3秒ー


というのも、彼女が僕の部屋に携帯を忘れていった時。彼女の携帯に電話がかかってきたんです。重要な話だったら大変だと思ったんで、僕が出たんです。

すると、電話に出たのはシュンという僕の友人だったんです。僕が喋るより前にシュンが「今どこにいる?一緒にホテルでも行かない?」と言ったので浮気されたものだと思ったんです。


ー残り2秒ー


僕は少々早とちりする癖がありまして。彼女のアパートメントに押し入って暴言をぶちまけたんです。彼女は何を言ってるかわからないとばかり言っていて、埒があかないと思ってシュンを呼んだんです。シュンはすぐにやって来て、事の次第を説明してくれました。なんとシュンは彼女に電話をかけたつもりでは無かったと言うのです。それは、シュンはシュンの彼女に電話をかけたつもりだったんだそうですが、間違えて1つ下の欄を選択して気がつかずに連絡をしてしまったらしいのです。

僕は彼女に謝って、その仲直りでここに来たんですが……………ん?あの人影は?


ー残り1秒ー


崖の上の彼女の隣にいるのは……シュン?

何故?おかしいな、今日は僕と彼女の二人で来たはず……もしかしてシュンも来る予定だったのかな?


……? あれ? よく考えたらおかしいな。


そうだ、何故シュンは彼女の連絡先を持っていたんだ?

それに…何故、シュンは彼女の家がわかったんだ?

一度だって教えた覚えはないのに……

………どうやら僕は何か勘違いしていたみたいです。


彼女らには、僕が邪魔だったみたいですね。


ー残り0秒ー


そうか、そうですか。

はぁ、全く、別れたかったら言ってくれればよかったのに。


………


僕の遺品、誰が処理してくれるんだろう。

彼女がいないなら、お袋かな。

あぁ、死ぬ前にお袋に会いたかったな。

お袋、元気してるかな。

あぁ、お袋。


今までありがとうございました。


僕はお先に上に逝ってます。


ー残り-1秒ー






スイカの割れる様な音が一瞬聞こえた気がします。


なんか凄く眠いです。


身体が溶けたように感覚が無いです。


無いです。


おやすみなさい。




ーENDー

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