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隠す者

誤字脱字や誤った表現がありましたらご指摘くださると助かりますm(_ _)m

俺と影斗の試合があったその夜、寮の俺達の部屋にて。


「陽向、君、特殊能力(ユニークスキル)持ってたのね。」


「ま、まあな。」


「しかも2つも。」


「ま、まあな。」


空里が俺に質問攻めしてくるよぉ〜怖いよぉ〜。


今はリビングのソファーに俺と空里並んで座っている状態だ。


朝陽と夕陽は何しているかというと買い物だ。


俺が疲れているのを気づかって私達が!って飛び出していった。


いやぁ、できた妹を持ったものだ。


それに比べ…こいつは…


さっきからずっと影斗との試合のことを質問してくる。


俺疲れてんだよ。身体包帯ぐるぐる巻きなんだよ。


まあ、そりゃそうか。俺の特殊能力(ユニークスキル)を黙ってたわけだし。


「まあ、在学中は隠しとくつもりだったんだけどなぁ。」


「なんで?」


「いやぁ、自分の可能性にかけてみたかったんだよ。」


「それだけ?!」


「それだけ。」


なんで驚かれた?可能性にかけるってあるじゃん?ないの?


「え、えぇぇ…。」


何故か空里は呆れたようだった。


「思った以上にみんな強い。空里と模擬戦した時から特殊能力(ユニークスキル)は使おうと思ってた。で、使う状況にさせてしまったのが影斗だっただけだよ。」


俺は賞賛するように笑顔でそう言った。だが、


「でも私との模擬戦は使わなかったじゃない…。」


いや…それは…うん。


「使う必要がなかったというか…。」


「それって私は弱いってことでしょ?!?!」


「い、いや、それとはちょっと違うって言うか…。」


俺は必死で空里をなだめるが、


「もういいよ!!!」


と言ってすねてしまった。


望み薄。


「え、えっとな?空里。」


俺は真剣な顔をして、


「俺と君では戦い方が違う。」


「……どうゆうこと…?」


「うん、君の武装(ギア)は長剣だね。」


「そうね。」


「そして君は広範囲攻撃が得意だ。」


「うん。」


空里が真剣な顔をして俺の話を聞き始めた。


「けど、それは1発躱してしまえば隙だらけ。」


「あ。」


「気づいたか?君の広範囲攻撃はその1発にかけてるだろ?」


「そうね。大体それで倒せたから…。」


「それがダメなんだ。いいか?広範囲攻撃にはどうしても抜け穴がある。俺はその抜け穴を探って君に接近したんだ。でも、君はこれで倒す、いや倒せると思って避けられた場合の手をうってないんだ。」


「なら、どうすればいいの?」


「俺は『ユニゾンサイス』は本当は相手の動きを予測して刃を当てたり、わざと出現させて相手の間合いを防いだりするのが本当の使い方なんだ。影斗のときは広範囲攻撃に似た使い方をしたけど、状況が状況だったしね。これは俺の意見なんだけど、時間差をつければいいと思う。簡単なフェイントだけじゃなく、2、3発打てるくらいに温存しておくんだ。」


「なるほど。」


「そうすれば例え1発目で避けられても次で仕留めればいい、というより、初発で仕留めると考えたない方がいい。」


「どうして?」


「1発程度なら、避けられる人はざらにいるからね。」


「そ、そうね…強い人は…避けられるわよね…。」


「そうだね。」


そして俺は空里に言い聞かせるようにこう言った。


「これは朝陽と夕陽にも言ったことなんだけど…。できないことをできることにすることはとても重要なことだとは思うよ、けどね、できることに可能性を見出すことも大事だと思うんだ。」








そして、迎えた翌朝。


私はベッドの上に寝そべって考え事をしていた。


私は昨日の夜言われた陽向の言葉が脳裏に焼いついて離れなかった。


『できることに可能性を見出すことも大事だと思うんだ。』


私にできるのか?今私ができることから、可能性を見出すことはできるのだろうか?


だが陽向はその言葉の後にこうも言っていた。


『まあ、これは俺の考え方、俺の戦い方だ。鵜呑みにする必要はない。見つけてみなよ、君の戦い方をもう一度見つめ直して。』


私の…戦い方…。


今まで、自分の武装(ギア)である『紅蓮の魔剣(レーヴァテイン)』の力を信じて、敵を正面からひれ伏してきた。でも、


そんなの…戦い方じゃない…。


自分でもわかっていた。これじゃだめだと。


私の周りの者は早乙女の名を持つだけで頭を下げ、私を敬う。


褒められて育ってきた自分に、こうも正面からアドバイスをしてくれたのは私の父以外には、陽向だけだ。


如月と早乙女。


本家と分家の間柄を差し引いても、だ。


彼は、私とは戦い方が根本的に違う。


極端に言えば、戦術と力技だ。


変わらなくちゃ。


そう心に決め、ベッドからはねおきた。









『さあ!今日も始まりました!帝学剣術魔術大会!今日は2日目です!ここ帝鬼第3闘技場では、ギャラリーが熱く燃え上がって、凄まじい熱気を振るい立たせています!!実況は私!未来(みらい) 千春(ちはる)がお送りいたします!解説は、二階堂 マリア先生です!』


『よっろっしっくねぇ〜♪』


『先生!今日はやけに張り切っていますね〜?!』


『そうだねぇ〜♪』


『やはり、早乙女選手でしょうか?』


『んまあねぇ〜それもあるけど〜このふたりだよ?』


二階堂 マリア先生は主に魔術を担当している。


魔術関係のことを全くしない陽向はよくマリア先生にしごかれているのを見る。


なんで陽向はあんなに魔術を嫌がるのか。よくわからない。


控え室の中で、私は精神統一を行っていた。


これは陽向に対戦の前には短い時間でもいいからルーティンを作っとくといいと言われたからだ。


目を閉じて、精神を集中させる。


するとその時、アナウンスが流れた。


『2日目第1回戦の対戦カードはー!?(レッド)コーナー!『緋色の剣姫(スカーレット)』!早乙女 空里!!』


歓声とともに私はフィールドにでた。


『続きましてー?!(ブルー)コーナー!』


けれども、私はこの対戦はやるべきかどうか躊躇っていた。


だ彼女を傷つけたくはない。なぜなら、


『『蒼の戦乙女(ヴァルキリー)』如月 夕陽!!』


私の第1回戦の相手は、陽向の妹の、如月 夕陽だったから。


空里VS夕陽!勝つのはどっちだ?!


次回もお楽しみに!!

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