~第5話~ ノルマ3枚
さて、困ったぞ…
目が覚めて、ベッドから起き上がってきて、僕は思案に暮れていた。
前回のノルマが2枚だったから、今回は3枚。ここまではいい。枚数的には、大したことはない。ただし、内容の方は問題だ。ここまで何も考えずに書いてきたし、前回の最後で急展開を迎えている。どうにか、それに合わせた内容にしなければ…
そうだな。この辺で新キャラクターを登場させよう。それで、どうにかなるだろう。
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~第2話~ おてんば姫 ライラ・ライ
さて、ここで場面は変わり、1人の登場人物を紹介しなければなりません。それは、かわいらしい女の子であります。名を、“ライラ・ライ”といいます。
ライラ・ライは、ある国のお姫様でした。ゆくゆくは、この国の跡を継ぎ、女王になる立場にあります。あるいは、他の国から王子様を迎え、その方を国王とせねばなりません。けれども、ライラ・ライは、まだ子供。遊びたい盛りなのでありました。
ライラ・ライの父親は、“カイル・ライ”といいまして、この国の国王様です。カイル・ライには弟君がいらっしゃって、“ケイン・ライ”という名でした。カイル王と弟のケイン様は仲が悪く、いつもケンカばかりしていました。
そんなでしたから、ライラ・ライは、ケイン様からしても目の上のたんこぶだったわけです。
ライラ・ライの住む国は、ここ最近、景気が悪くなりつつありました。「なぜだろう?」と人々は、首をかしげます。「魔王が討ち倒されて、世界は平和になったはずなのに、以前よりも生活が苦しくなったような気がするぞ」と、人々はそのように感じます。そうして、それは気のせいなどではなく、実際に以前よりも生活が苦しくなっていたのです。
それは、そうです。実は、魔王が世界を支配していた時代には、この国は景気がよかったのです。この国だけではなく、他の国も。世界中のほとんどの国は、同じ状況でした。魔王の軍団が世界を支配していた時期には人々の生活は潤い、その時代が終わりを告げてから突然、苦しくなったのです。
そう!魔王が世界を滅ぼしかけていたとか、人々を奴隷の如くこき使っていたなどという噂は、全部嘘!情報操作され拡散された真っ赤な嘘だったのです!
ここにきて、人々はその事実に薄々気づきかけていましたが、表面上は、皆、それを否定し続けていました。
もしも、それを認めてしまったら、「これまで自分達がやってきたのは、一体、何だったのだろう?」「全ては過ちだった。我々は、その過ちに荷担してしまっていた」というコトになります。人というのは、得てしてプライドの高いもの。なかなか、自分の過ちを認めたがりません。
こうして、人々は苦しみながら生きていく人生を選んでしまったわけです。
さて、ここでお話をライラ・ライに戻しましょう。
ライラ・ライは、国王の弟君ケイン・ライ様に嫌われておりました。そうして、巧妙な罠にはめられて、国外へと放り出されてしまうのです。
けれども、ライラ・ライは、そんなコトは気にしません。むしろ、外の世界へ出られたことをたいそう喜んで、世界を旅することに決めました。こうして、ライラ・ライの冒険が始まったのです。
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ま、こんなとこかな?
とりあえず、急場は凌いだぞ。さて、次はどうしよう?