~第42話~ 枚数不足
ポカ~ンと口を開けて、天井を眺める。僕は、今、ベッドの上に寝転がっている。ベッド上に寝転がって、今後の展開を考えている。
ストーリー自体はできている…はずだったのだが。実際に書いてみると、枚数が足りない。次のノルマは16枚なのに、わずか半分にも届かない。何日もがんばって、たったの6枚だけ。無理をすれば、もう何枚かは埋まるだろうが、ノルマである16枚には到底及ばない。
「さて、どうしたものだろうか…」
真っ白な部屋の中で、僕は独り呟く。
考えろ。考えるんだ。きっと、何かいい案が思い浮かぶはず。さっきから、そう念じながら何時間も天井を眺めているのだが、サッパリ思い浮かばない。アイデアが落ちてこない。天井なんて眺めていても無駄なのかも知れない。
いよいよ最後の仲間との出会い。これで、予定していた8匹の仲間が集うことになる。ここまでは、なかなかいい感じで進んでいる。それなのに、まさか、こんな所で枚数不足に悩むとは…
しかも、それは今回だけではない。今後ずっと付きまとう問題である。今回、枚数が足りなくて苦しむということは、次回も、そのまた次回も、最終回までずっとず~っと苦しみ続けるということを意味している。それを考えると嫌になる。
「やっぱり、無理だったんだろうか?1話に原稿用紙1枚ずつ増えていく小説だなんて、最初から無理だったのかも知れない…」
またも、僕は独り言を呟く。
いや、違うな。逆に考えるんだ。用意していたアイデアで枚数が足りないのならば、ここはその逆の行動を取ればいい。つまり、無理に用意していたアイデアを引き伸ばすのではなく、アイデアを足してやるのだ。次の次の回に使うつもりだったアイデアを前倒しで使ってしまおう。
もちろん、そんなことをすれば、その次の回に困ることになる。だが、その時にはその時で、また考えればいい。とりあえず、ここは目の前の原稿をあげることを優先しよう。困った時は、困った時で考えればいい。何かとんでもない新展開を用意すればいいじゃないか!
こうして、僕の心は決まった!