~第29話~ 不満の残る展開
ウ~ム…
ちょっと納得いかないな。内容的に不満が残る。なんか、いいような気もするし、悪いような気もするし。とりあえず、今回はどうにかクリアーしたけど、次回をどうするかな?
僕は、ベッドに横になって、そんな風に考えていた。
大まかなストーリーは考えてあったのだが、途中で流れにまかせてキャラクターに勝手に走らせてみた。すると、思ってもいなかった方向へと物語が進んでしまったのだ。
正直、次回の解決策を考えていない。もしかしたら、これは解決できないかも知れない。ある意味で、ラスボスを倒すよりも難しい展開にしてしまった。なにしろ、力技で解決するわけにいかなくなってしまったのだから。いや、最悪の最悪は、力技でどうにかするしかないのだが…できれば、そうしたくはない。
小説っていうのは難しいモノだな。あまりにも単調過ぎると、つまらない。かといって、紆余曲折を経るような展開にしてしまうと、作者自身にも解決できなくなってしまう事態に陥ってしまうこともあるわけだ。
どこかで、主人公たちに無理難題を言いつけて、それらをクリアーさせるようにしなければならない。そういうところに、小説の醍醐味があるのだろう。けれどもそれが作者の力量を超えてしまったら…
いや、やめよう。考えるべきは、そこではない。考えなければならないのは、次の展開だ。そこに全力を尽くそう。とりあえず、今夜はもう寝よう。そうして、明日また考えよう。きっと、明日になれば、いいアイデアも思い浮かぶだろう。
こうして、僕は夢の世界へと入り込んでいったのだった…