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~第1話~ 1枚目
さて、ではさっそく書き始めようか?
とりあえず、ここまでの顛末を説明しておこう。
僕は、どこにでもいる普通の少年。いつものように道を歩いていたら、突然、悪魔にとっつかまって、この世界へと連れてこられてしまったのだ。世界…ってほどでもないな。ただの真っ白な部屋。そこに、机と椅子があった。悪魔から1台のノートパソコンを渡されて、小説を書けと命令された。
それだけの話。顛末ってほどのコトはなかったかな?
それよりも、小説の方だな。何を書こう?
小説っていったら、やっぱり勇者だよな、うん。それで、お姫様がいて、魔王にさらわれて、勇者はお姫様を助けに旅に出る。
…駄目だな。こんなのは、小説とはいえない。ただのゴミクズだ。もっと奇抜なアイデアが必要。そうだな、じゃあ、逆のアイデアはどうだろう?勇者の方が、実は悪人だったとか。名目上は勇者なんだけど、裏ではいろいろと悪事を働いている。そういうのは、どうだろうか?
などと書いている間に、1枚書き終えてしまった。チョロいチョロい!