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~第17話~ ノルマ6枚

 ~第5話~ フーガ


 私、ライラ・ライの目の前に、1匹のワンちゃんが座っております。ハァハァと息をして、こちらを眺めているのです。

 ワン!と叫ぶかと思ったら、そうではありませんでした。その代わりに、こう言ったのです。

「団子を1つ頂けませんか?」と。

 まるで、どこかのおとぎ話みたい。私は、最初にそう思いました。それから、すぐに思い直しました。え?犬が喋った!?

「その美味そうな団子を1つ頂けませんか?腹が減って仕方がないのです」

 私はすぐに追加のお団子を注文すると、ワンちゃんに向って差し出しました。すると、ペロリ。瞬く間に平らげてしまいます。さらに、お団子を注文。すると、またペロリ。今度は、まとめて5本、追加注文。それらも、まるで飲み物でも飲むかのように、アッという間にペロペロリ。

「ふぅ…ようやく落ち着きました。姫様、どうもありがとう」

 犬は、どうやら私のコトを知っているようです。というか、正体がバレてる!?

「少々、お耳をお貸しください」と、犬が小声になって囁きかけてきます。

 私が犬を抱っこして、自分の耳の側まで近づけてやると、犬はこう話しかけてきました。

「フーガにございます」

 フーガ?え?まさか、あの!?私は、突然、思い出しました。その名前には聞き覚えがあります。

「フーガって、あのフーガなの?」

 そう私が尋ねると、犬は静かに答えます。

「そうです。あのフーガにございます」

 フーガというのは、魔王であるお父様の部下の1人、魔人フーガ。魔界八人衆の1人でもあるのです。それが、このような憐れな姿に…

「どうして、こんなにちっちゃくなっちゃったの?」という私の質問に対して。

「それは、話せば長くなるのですが…」しばらく間を空けてから「ここでは、ちょっと…場所を移しましょう」と、フーガ。

 それも、そうね。と、私も思い、私たちは団子屋を後にしたのでした。


 それから、私は街の宿屋に部屋を取って、フーガと一緒に上がりこみました。

 私たち2人(1人と1匹?)は、ゆったりと話を始めます。

「実は、あの後、大変な目に遭いまして」と、フーガ。

 あの後というのは、勇者の軍勢が城に攻め込んで来た時のことです。魔王であるお父様は、何らかの理由で力を封じられ、まともに戦うことができませんでした。そうして、城は占領され、長き戦いに終止符が打たれたのです。

 勇者軍が行方を捜していたことから、お父様はどうやら生きていらっしゃるようなのですが、どこにいらっしゃるのかはサッパリわかりません。

「それならば、ここに」と言ったフーガの方を見ると、首にかけられているペンダントが光を発しています。

「これが…お父様!?」

 私が尋ねると、犬となったフーガは、静かに頷き、語ります。

「あの後、力を封じられた魔王様を、我ら八人衆はお守りいたしました。けれども、勇者の軍勢に数で押され、致し方なく最後の手段を使ったのです」

「最後の手段!?」

「そうです。我らは、残された魔力を結集させ、魔王様の体を8つのアイテムに分割しました。そうして、魔力を使い果たし、元の姿へと戻ってしまったのです」

「元の姿に?」

「その通り」

 フーガの話によると、八人衆は元々8匹の獣だったそうです。それを魔王であるお父様が、その魔力と能力を使い、魔人へと変えたというのです。そうして、今度は八人衆がその能力の全てを使い、お父様を8つのアイテムへと分割してしまった。その後、元の獣の姿となった八人衆は、世界中へと散り散りになって飛ばされてしまったと、そう言うのでした。

「では、8人全員を集め、8つのアイテムを揃えれば、お父様は再び元の姿に戻れると?」

 私が尋ねると、フーガは力強く答えます。

「それには、強力なエネルギーが必要になります。けれど、姫様ならば、それもできましょう」


 さて、大変なコトになりました。私は八人衆の残り7人…獣の姿となってしまった今となっては、残り7匹ですが、それらを見つけ出し、8つのアイテムを全て集めなければならなくなりました。

 果して、私はその使命を果たすことができるのでしょうか?

 これからの私、ライラ・ライの冒険に乞うご期待!!

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