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~第10話~ 再び、ノルマ4枚

 ~第3話~ 勇者の裏切り


 勇者とは、誰だったのか?ここで、話を一旦、そこへ戻すとしましょう。

 実は、前回のライ王国が、ここで関係してくるのです。決して、たった今、適当にでっちあげて考えたストーリーなどではありません。これは、最初から決まっていた出来事。僕は、順を追って、それらを語っているに過ぎないのです。


 カイル・ライ王と、その妻であるレイラ・ライお妃の間には、ライラ・ライという娘がおりました。それはそれは、かわいらしい女の子でした。ところが、カイル・ライ王にはケイン・ライ様という弟がいて、ライラ・ライを国外へと追放してしまったのです。

 …と、ここまでは前回もお話ししましたよね?実は、そのケイン・ライ様こそが、魔王を討ち倒した勇者、その人なのでありました!ケイン・ライ様…いや、ケイン!あの野郎!!許すまじ!!


 そして、魔王とは誰か?察しのよい読者ならば、既にわかっているはず。そう!国王であるカイル・ライだったのです!魔王であるカイル・ライ国王は、決して圧政など敷いてはいませんでした。人々にやさしく接し、国民からは広く慕われる心の広い王様だったのです。

 そうして、その正しきやり方を世に広め、世界へと浸透させていきました。世界を支配した魔王の伝説は、ある意味で真実だったのです。ただし、武力で強制的に支配した世界などではなく、ゆっくりとやさしさで満ちた方法で、政治手腕を振るい、世界を変えていっただけなのでした。

 それを、あの勇者と呼ばれたケインの野郎が、情報操作でカイル王を貶めていったのです。ケインは、そういう能力にだけは長けていましたから。ついに、国王はその座を追われ、ケインは国王の地位についたのです。つまり、世界の支配者の座に。

 こうして、国王は行方不明に。お妃であったレイラ・ライは、高い高い塔のてっぺんへと幽閉され、娘のライラ・ライは、国外へと追放されてしまいました。


 その後、どうなったかは、皆様のご存じの通り。

 世界は、以前とは比べものにならない程、息苦しい場所となっていきました。それは、そうです。理想的な政治によって運営されていた国々は、途端に税率を上げ、各国の国民は重税に苦しむこととなりました。

 懐を潤わせたのは、勇者と呼ばれたケインと、その周辺の者達。そして、各国の国王や、重要な地位に就いた者どもだけ。世の中の8割とか9割くらいの人々は、以前よりも遥かに苦しい生活を強いられることとなってしまったのです。


 さて、それでは、そろそろ僕が何者かを語らなければなりませんね。

 なぜ、こんなにも裏事情に詳しいのか?今、話した出来事は全部、お前のでっちあげなのでは?そんな風に思われる方もいらっしゃることでしょう。

 でも、それは、僕の正体を話せば、わかっていただけるはず。実は、僕は…いえ、私は…私の名はライラ・ライ。そう、あのにっくきケインの野郎に殺されかけ、命からがら国外へと逃げだしたカイル・ライの娘にして、次期女王候補だった者。

 女の姿をしていては、すぐに正体がバレてしまう。なので、こうして男の子の格好をしながら、世界を旅して回っているのです。

 何の為に?もちろん、行方不明になったお父様を捜し出し、国を取り戻す為に!塔のてっぺんに幽閉されているお母様を助け出し、ケインに復讐する為に!

 では、再び旅を続けるといたしましょう。全ての目的を果たす、その日まで!

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