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~第9話~ 瞑想
ここで、僕は瞑想に入る。
ベッドの上にあぐらをかいて座り、心静かに落ち着けて考える。
何分も何十分も何時間も、そのまま考え続ける。
勇者が…
ライラ・ライが…
卑怯者が…
裏切り者…
街…
一般市民…
世界…
魔王…
さっきまでの僕は、もはやどこにもいない。存在しない。静かに、ただ静かに思考のみがゆっくりと動き続ける。
何を慌てていたのだろうか?小説とは、そんなものか?これはチャンス。天が…いや、1匹の悪魔が与えてくれた千載一遇のチャンス。ここを乗り切り、小説を完成させるのだ。最高の小説を。そうすれば、小説家への道も開けるかも知れない。
たった1つの作品も完成させられないで、何が小説か?何が小説家か?この程度のスランプ、難関でも何でもない。長き道の道中に落ちている小石1つに過ぎはしない。目的地は、どこだ?ゴールを目指せ!だが、決して慌てるな。走る必要はない。歩けばいい。1歩1歩、着実に。歩き続ければいい…
そして、ついに僕は閃いた!!