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異世界の嫁

使用上の注意をよく読んで正しくお使いください

作者: 吾井 植緒

ノリで書いたので、かなり広い心で読んでいただけたらと思います。


薬を飲んだんだそうな。


惚れ薬。


で、性能抜群の薬の効果は本日も持続中。


「好きです。」


「はいはい。薬のせいでね。」


「本気で愛してます。」


バカだなぁ。それは薬のせいなのに。



 ※ ※ ※ ※ ※


ことのおこりはですね。

そろそろダイエットするかなぁ。

いやいや明日から本気だすってな事を思いながらパソコンの前に座ってたわたくしが

異世界トリップしたことに始まるわけですよ。


魔方陣に老紳士的な魔法使い。

そして美形の殿下。


なんというテンプレ。


そして召喚された私は殿下の嫁として子供を生んでほしいと。


これまたテンプレ。


あ、チートはないそうです。

言葉は分かるようにしてくれました。魔法すげー。


まぁ、害はなさそうなんで。

魔法使い様が出してくれた茶を飲みながら、いろいろ話したんですが。


落ち着いてよく考えればですね、この無駄にキラキラな殿下の嫁。

で、さすがの私も魔法使いに言ったんですよ。

間違えたんですよねって。


いつか王子さまってのもわかるけどさ、私は現実ってのを知ってるわけよ。


老紳士な魔法使い様は神様の導きがうんぬんって否定してくれたけどさぁ。


殿下は22歳。

わたくし32歳。


殿下は長身細マッチョ。

わたくし寸胴は免れたものの下半身デブの肥満体系。

マジ肥満なのよ下腹出てる。体重は伏せるけどね!


やばくね?やばくね?

チャラく茶化してみても釣り合わないよね!

こんなんが嫁って私が男でも拒否するわー。

おかげで彼氏いない暦=年齢の立派な妖精さんだしね。


これが物語ならかわいい黒髪の乙女がってなるはずだよね。

自称喪女とか言ってるけど、実はってさ。

うるんだ黒い瞳に白、じゃなくてバター?蜂蜜?とりあえず黄色人種の肌を賛美する表記でさ。

私もそういうの好きでよく読んでたしね。知ってるんだわ。

でも現実はコレ。

自称じゃなくてマジ喪女。三人称にしても喪女表記間違いないアテクシですよ?

ホントすいませんってなるわけよ。

今スウェット上下だしさ。

パーツは悪くないし、悲観するほどのお顔じゃないですよってメイドさんそれ褒めてねーし。


しかも殿下が拒否ってくれりゃいいのにさ。惚れ薬だぜ。

バカだよねー。今目の前で絶賛赤面中のキラキラ殿下。

麗しいとか奥ゆかしいとかほざいてます。アホか。


ちなみになんでそんなもんを飲んだかというと。

殿下は俺様な性格だったらしく

いくら神様の導きでもよばれた女がどんな奴かわからんので、惚れ薬を飲んだと。


あ、なんか宰相様とやらが帰れないとか言ってます。

残念なことに普通のおっさんです。銀髪美形とかは期待してませんでしたが。まぁおっさんです。

とりあえず殿下が惚れてるうちに子供しこめば勝ったも同然とか言ってます。

神罰が怖いらしいです。

陛下と呼ばれてるおっさんは父親としてそういうのどうなんですかね。

女遊び凄すぎて他国からも総スカンだから嫁のなり手がいない、ここらでまとまって欲しい?

知るか!リア充はもげればいいと思うよ?

一人生んで、あとは遊んでくらせるだけ王家からもぎ取れるからって。

大神官様のいう事じゃないんじゃない。その王家の人の前でさ、


※ ※ ※ ※ ※


確かに喪女的にはおいしいよね。

一生縁のない筈のキラキラ殿下との結婚なんてさ。

でもねぇ。

夢みたいんですよ。喪女も。

愛し、愛されの結婚生活ってヤツをさ。


たとえ一生一人でもそれを夢見ながら生きていたいわけよ。

薬にだまされた幸せなんてないんですよ。


喪女なりのプライドですかねー。


 ※ ※ ※ ※ ※


つかなんでバカ正直に惚れ薬のこと言うかなぁ。

黙ってればバレずにサクサク言ったかもよ?


まぁおかしいなとは思うけど、最終的には殿下はブス専かデブ専かなぁとか思うかもしれないじゃん?


てなことを言ったら、魔法使い様がしまったぁああああって叫びました。

その手があったかって皆顔に出てるから、どうしようもないよね。

平和なんですね、この国。

上層部がこんなにいい人達で大丈夫なのかな。外交とか。


わーわー騒いでるおっさん達はキラキラ殿下の母親で王妃様が追い出しました。

殿下の嫁とり知らなかったらしいです。

王妃様似なんですね、殿下は。

TVでやってた年齢不詳の美魔女ってヤツですよ。うつくしいです。

とても20代の息子がいるとは思えませんわー。


「神罰って結構こわいのよ。」


王妃様に言われました。

薬とはいえ、惚れてる状態の殿下がかわいそうだしと。

帰れないのはガチだそうです。マジか。ゲームとかアニメとか無縁になっちゃったよ、クソ。


家族やら友人やらについて思いを馳せるシーンはカットで。

だって恥ずかしいじゃん。いい年こいて。

まぁそんなこんなで意地張るのも面倒になってきたし、王妃様の話に乗ることにしました。


神罰が怖いので神殿には神様の意向を伺うという名のキャンセル依頼。

惚れ薬は解毒しないと駄目だそうなので魔法使いは薬の解毒剤を作ることに。

その間は正式じゃないけど、嫁ってコトで城で暮らすこと。

殿下はその間頑張って口説くそうです。惚れ薬ってわかってて口説く殿下すげーな。

ホントに俺様殿下なんですか。聞いた印象と違うんですけど。惚れ薬すげー。


あと気が向いたら、殿下と子作りしていいそうです。

てか、気が変わったら脱処女しちゃえばだって。

殿下はその辺上手いから安心してくださいとのこと。

オイオイいいのかよ。全国の妖精仲間諸君はどう思う?

ネットが無いから相談できねーじゃん。

喪女ですがだましうちで脱処女するべき?ってスレ建てたいわー。



まぁ真面目でチキンな喪女である私にその度胸はなく。

てかいいと言われるとかえってできないモンだねー。


さて、今日も殿下の口説きをかわしながらダイエットのウォーキングでもしてきますかな。




30過ぎると妖精と小耳に挟んだので、つい。

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