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呪いのG☆D★KILLER ~彼女は彼女の為に。~  作者: ボンバイエ
第一章 見知らぬ人。見知らぬ場所。
16/31

ヂロン盗賊団の討伐。 その1

予定通り更新。


「凛ちゃん。次に行くよ。」



私の前に座っている玲ちゃんが言った。

私は目の端にあった涙を手で拭った。



「わかった。」



そこから一度、森を出てルノーの街へと戻りミリュイさんを下ろして今度は山に向かった。

ある程度の距離を来た所で止まって集まる。


「ここから見える山にチロル盗賊団のアジトがあるわ。あの山が見えるかしら?」


「あの山ですか?」


「そうよ。今から私と凛ちゃんと二人で先行するからミスティアの面々は捕縛を手伝ってちょうだい。」


「わかりました。」


「ああ。そうだ。相手は盗賊団よ。女をみれば見境なく襲ってくる様な奴らだから、手加減は必要ないわよ。殺してしまっても問題ないわ。」


「「「「「はい!」」」」」



ミンティアのメンバーに私を含めた5人は緊張した顔で返事をした。

今度は人と相対する事になる。

人型ではなく人。

気後れしそうになる自分を叱咤し頬を叩く。

その様子を見ていた玲ちゃんは私に近づくと私を抱きしめた。



「大丈夫よ。とにかく今は、慣れてくれたらそれで良いから。」


「うん。」



玲ちゃんが抱きしめていた腕を解き皆へと向き直った。



「行くよ。」


「「「「「おー!」」」」」



再度サラちゃん達に乗り山へと進む。

そして麓へ来た所で玲ちゃんが魔術を発動させた。

捜索(サーチ)」と短く詠唱した魔法は周辺のエリアを捜索する魔法で、玲ちゃんクラスだとこの山全体を観る事が出来るそうだ。



「見張りが三か所に居るわね。同調(リンク)



玲ちゃんが視覚したモノを同調(リンク)という視覚情報の共有する事が出来る魔法で私とミンティアのメンバーと共有する。



「ほとんど寝ている感じかな?」


「そうね。二人一組で三組の見張りだけど、一組以外は寝ているわね。寝ていない所に私達が行くわ。寝ている所は貴方達(ミンティア)にお願いするわ。この後は同調を維持したままにするから、着いてきて。彼等従魔に言葉で話せば理解してくれるから指示を出して。」


「「「「はい。」」」」



そこからは三手に分かれて進んだ。



「凛ちゃん。しっかり掴まってね。サラよろしくね。」


『わおぉん!』


「えっ?うん?」



疾風と呼ぶに相応しいスピードでサラちゃんは木々の間を駆け抜けた。

そして、私が想像していなかった動きをサラちゃんがした。

そう、跳んだのだ。

大跳躍だ。

みるみる大地が遠のいていく。



「えっ?えっ?えっ?!え~?!」


静寂(サイレンス)凛ちゃん。静かにね?」


≪無理だよ!?≫


「まぁ、もう何も聞こえないけどね。」


『御主人様。着きます。』


「了解。睡眠(スリープ)。」


≪ちょっと。無視?!って、落ちてる?えっ?えっ?えぇ~!!≫



どんどん大地が近づいてくる。

跳躍なのだから、ずっと空に浮かんでいるハズはないけど、初めて事で驚きすぎて全てぶっ飛んだ。

“気絶しなかっただけ成長している。”と、私はそう思いたい。


何事も無かったかの様にサラちゃんはスタッと着地する。

物理の法則は何処にいったの?と思う程に衝撃は無かった。



≪嘘?凄い!凄すぎる?!≫


「何を言っているの?」


『ご主人様。静寂(サイレンス)がまだ効いております。』


「ああ。そうだった。でもその前に落ち着かせないと。凛ちゃん。落ち着いて。」


≪これが落ち着ける訳ないって!何あれ?!事前に説明してよ?!≫


「何を言っているか聞こえないけど、凛ちゃんの顔を見ていると何が言いたいか何となく分かっちゃうのよね。不思議。」


≪てへへへ。なんか照れちゃうね。って、単純って事かな?!≫


「どうも、興奮したままね。まぁ良いわ。とにかくあいつ等を縛り上げるよ。私が見本を見せるからしっかり見て覚えてね。基本は魔物でやっていたのと変らないから。」



玲ちゃんが指さした先には汚い格好をした男が二人倒れていた。

たしか、私達が向かう先は起きている見張りだった気がしたのだけど?



「あれは、私が魔法で寝かせたの。完全に落ちているから少々じゃ起きないよ。本当に分かり易いね。」


≪そんな事ないもん!≫


「ごめん、ごめん。さぁやろう。」



玲ちゃんは縄を無限収納(アイテムボックス)から三束取り出して、私に一束寄越した。

玲ちゃんは慣れた手つきで手早く男を縛っていく。

私も魔物を縛った事を思い出しながら、玲ちゃんに倣って両手両足を含めて縛った。

私が縛り終わると、もう一本の縄を出して二人を繋ぐ。


「よし。これでOKね。で、同じ様に魔法でも出来るのよ。念動力(テレキネシス)とういう魔法で縄を動かしてイメージする形に縛るという方法よ。後は土魔法ね。解除(ディスペル)。」


「土魔法?」


「そう。口で言うより、やった方が早いわね。見ていて。土掘(ディグ)。」



穴が二つほど目の前に出来た。

その穴に二人の男を入れる。

念動力(テレキネシス)”と唱えて土を戻すと首から上だけが顔を出した男二人が出来上がった。



「こんな感じね。」


「なるほど。」


「これでも、縄でも縛るだけだと煩いから口も縛る方が良いよ。はい。」



私は玲ちゃんから別の縄を受け取り二人の男の口を縛った。

これで起きてもモゴモゴ言うだけだ。


鬼軍曹はやっぱ恐ろしいな。

背中を冷や汗が流れた。

これを罰ゲームでやられない様に気をつけようと心の底で密かに思ったのは事実だ。


次回更新は

明日、2021年10月17日(日曜日)12時

よろしくお願いします。

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