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呪いのG☆D★KILLER ~彼女は彼女の為に。~  作者: ボンバイエ
第一章 見知らぬ人。見知らぬ場所。
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神を信じますか?

男の願望が詰まった少女像になってしまうかも知れません。

それは先に謝っておきます。

すいません。


神と人の差は何だろうか?

完全な存在と不完全な存在である。とよく言われる。


では神とは何なのか?

世界を創りし者であり、絶対的存在である。


では人はどうか?

今の地球上で、無数のバーチャル世界を創り出した。

バーチャル世界において、その創作者は絶対的存在である。


その世界に創造された生きとし生けるモノは、創作者により無残に殺され、人権を無視される。

時には、英雄にされ王にされる。

そして、殺人者にされ、醜い存在(モノ)にされる。


創作者の都合によって、どのようにもされる世界。

それは、この地球においても同じ事が言えるのではないだろうか?

私達は神の都合によってどのようにもされるのではないか?


私はそう思っていた。

人に出来る事が神に出来ぬはずが無いのだから・・・。



◇◇◇◆◇◇◇



「アナタハ神ヲシンジマスカ?」


「えっと、どちら様でしょうか?」


突然、変な外人さんに声かけられた。

私はビックリして立ち止まってしまった。

いつもなら、スルッと無視して立ち去れるのだが、何故かこの時はそう答えていた。


「ワタシハ神ニ命ヲササゲテイル者デス。」


少し重たい答えが返って来た。

やっぱり、面倒だと思う事はするべきではない。


「はぁ。」


そこへ、ドンという音と共に、私にぶつかってくるモノがある。たぶん鞄だと思う。


「凛。おはよう。」


「あっ?!おはよう。」


「何してんの?遅刻しちゃうよ?!」


そう言って、怪しげな外国人さんの前から私を引っ張り連れ出してくれる。


「オウ。マダオハナシハオワッテマセンヨ?!」


「ごめんね~。今から学校なの。時間が無いのよ~。」


彼女は、そう言うと私の耳元で小さい声で囁く。


『走るよ。良い?』


『うん。』


私は頷いた。

すると彼女は私の手を取り引っ張る様に走り出した。

私も彼女と同じ様に走りだす。


遠くの方から変な外国人さんが何か言っている声が聞えた気がしたが、振り向いた時にはその人は居なかった。振り切れたのかな?


少し真っすぐ走り、十字路迄来ると曲り止まった。


「はぁはぁはぁ。もう大丈夫かな?」


彼女は曲がり角から顔を覗かせ確認している。


「はぁはぁはぁ。ありがとう。佐伯さん。うぅん。はぁはぁ。」


全力疾走。息が切れる。情けないなぁ~。


「あそこのベンチ座ろう。」


そう言って佐伯さんは私の手を掴んだまま、ベンチへと腰を下ろす。

私も佐伯さんに倣ってベンチに座る。


「もう。神崎さん、何やってんの?普通はあんなの相手しないよ?」


「そ、そうだね。あははは。」


私は苦笑いをするしかなかった。

何故、今日に限って相手をしてしまったのか?私自身も分からなかったからだ。


「ふふふ。」


「どうしたの?」


「いや、あの神崎さんがそんな顔して笑うなんて思ってなかったから。ふふふ。」


どうも、私の苦笑いが佐伯さんのツボだったらしい。

佐伯さんはクラス一の美人さんだ。

イヤ、学校一かな?もしかすると地域一?日本一かもしれない。

白い肌は透明感があり、ロングヘア―が良く似合う。

しかも品があり、頭が良い。

足も長いし細い。

顔も凄く小さい。

女の私でも見とれてしまう程に綺麗なのだ。


それにしても、笑うのを止めてくれないかなぁ?だけど、可愛く笑うなぁ~。

見ていると私まで可笑しくなってしまう。


「あははは。」

「ふふふふふ。」


いつの間にか、私達は笑い合っていた。


それから、私達は友達になった。

そして、親友と呼べる存在になっていった。


「私達は親友よね?」


「もちろんよ。凛ちゃん!」


「ありがとう。玲ちゃん!」



何をするのも一緒。

ショッピングに行ったり、遊園地に行ったり、カラオケに行ったり、二人で行動していた。


「修学旅行楽しみだね。」


「うん。凛ちゃんは何処に行きたいの?」


「何処が良いかな?玲ちゃんは?」


「う~ん。私は凛ちゃんとなら、何処でも良いな。」


「私も玲ちゃんと一緒ならどこでも良い。」


「「あはははは。」」



しかし、ある夏の日、玲ちゃんは突如、行方不明になってしまった。私を残して・・・。


『凛ちゃん。うちの玲花が行きそうな所、知らない?』


玲ちゃんのお母さんから聞かれた言葉だ。


『私も分かる限り探したんですけど、何処にも、何処にも・・・グス。居なかったです。』


『そ、そう。ごめんね。凛ちゃん。』


玲ちゃんのお母さんとお父さんが悲しそうな顔で私の顔を見る。

私の頬をつたる涙を我慢できなかった。

私は大きな声で泣いてしまった。

それに釣られたのか、玲ちゃんのお母さんは、私に抱きつき一緒に泣いた。

私の心はズタズタになった。


結局、玲ちゃんは見つからなかった。

沢山の大人たちが血眼になって探してくれた。

それでも、見つからなかったのだ。


だから私は、神様に祈った。

『私の玲ちゃんを、私の元へ返してください。』

毎日、毎日、毎日・・・。


祈ると同時に私は深く考えだした。

何故、玲ちゃんは私の前から消えてしまったのか?

誘拐されたのか?殺されてしまったのか?

答えが出ぬまま月日は流れて行った。



◇◇◇◆◇◇◇



私達は創造主によって、どのようにもされてしまう。

この世界は、頑張ってもどうにもならない事がある。


彼女の居ない世界はつまらない。

彼女が居ない世界は嫌いだ。


彼女を消した創造主なんて嫌いだ。

彼女を返してくれない創造主なんて許せない。


『危ない!』


遠くからそんな声が聞えた。

その後直ぐに、私の体は大きな衝撃を受けた。


私の眼は、徐々に薄れゆく景色をずっと映していた。

そして、何も見えなくなった。


ようやく、私は嫌いな創造主から、世界から解放される。



次回更新は明日。

2021年10月2日12:00予定。

よろしくお願いします。

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