表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/12

第3話, エルフのおねえさん

ヒロイン登場?

ぼくと勇者は、バルタム男爵領を出て、王都へ向かう旅路にあった。


勇者ソータは、あんまりボロボロだったんで

兄貴の服を着せたよ。 お古だけどね。


あと、ぼくの剣を持たせた。 何も持ってなかったからね。


するとこいつ、素材はいいから、かなりそれらしくなったよ。


パーティーメンバーからは、自由に外れられそうなので、

そのまま、仮メンバーとして、一緒に行動することにした。


家には手紙を置いてきたけど、今頃騒ぎになってるかも知れない。


ゲームなら、フィールドマップ画面を少し移動すれば、すぐ王都に着いたが、

現実はそうは行かない。  丸2日はかかる。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

本来なら、パーティーメンバーは

幼馴染のヒロイン‥‥攻撃魔法の専門家(エキスパート)だ。

見習い僧侶‥‥聖魔法(回復魔法)の専門家(エキスパート)

王城の兵士‥‥剣の使い手。

この3人に、万能型の勇者を加えた4人で、魔王に挑むことになるはずだった。



まさか全員スルーするなんて‥‥


特に幼馴染のヒロイン! これをスルーしちゃいかんでしょ!

ラノベだったら、ヒロイン不在は致命的だぞ。


「危険な旅に、女を連れて行けるかよ!」


いや、正論。 正論だけれども‥‥


とにかく、この3人を集めなければ。

順番は逆になるが、距離的にまず、王都にいる兵士からだ。


王都には勇者のメイン武器になる聖剣もあるし、

いろいろイベントもある。


無駄にした1ヶ月を、早く取り戻さねばね。 世話が焼けるよ。 まったく!


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

クーンツという町に着いた。

「今日はここに泊まろう」

あまり治安のよさそうな町ではないけど、仕方がない。


暗くなる前に宿を探す。


すると往来で女の人が、チンピラにからまれていた。

「やめてください」

「グヘヘヘ いいじゃねえか! 遊ぼうぜ! ねえちゃん」


見かけない変わった服装の、すごい美人だ。

足がとんでもなく長い。


「やめろ‼️ 嫌がってるだろうッ!」

さすが勇者。 ソータがすかさず止めに入った。


「煩せえッ!」


ドンガラガッシャ〜ン!!!!


あ、ぶん投げられた‥‥近くの屋台を大破して!

レベル2とは言え、力で負けてるはずないんだけどなあ。

体重差かあ‥‥


まあ、勇者は無傷だ。 さすが頑丈さ13! 


美人のおねえさんが、すごい目をしてチンピラを睨んだ。


やばい。


ぼくは慌てて間に入る。

そして、チンピラを()()()()()


「??」

おねえさんが、驚いている。


ぼくの「空間」スキルから派生した「亜空間収納」ってスキルだ。

早い話が、アイテムBOX能力なわけだけど、アイテムBOXと違って

「生き物」も収納できる。

収納できる物の大きさに、制限があるみたいだけど

こんなチンピラのおっさんぐらいだったら余裕だ。


収納された本人に、収納されてる自覚は、たぶんない。


次の瞬間、チンピラを「放出」する。

ただし‥‥‥


「な、何だ? 突然景色がズレたみたいな‥‥」

チンピラは状況が理解できずに、困惑している。


「キャアアアアア! 変態よおッ!!!!」


周りにいた人たちが、騒ぎ出した。

チンピラは下半身丸出しで突っ立っていたのだ。


うん、ズボンはまだ「亜空間」に収納したままだ。


「う、うわあああああああ!」

チンピラでも下半身丸出しは、恥ずかしいらしく、股間を押さえて

どこかへ走って逃げ去ってしまった。


「危なかった」

「あははははは、どこがよ? 坊やの圧勝じゃないの」

おねえさんは大笑いしている。


「おねえさん、今、()()()()使おうとしたよね?」


「え? なななな、何のことかしら‥‥‥」

とぼけるのヘタか‥‥


「ぼく、鑑定のスキル持ちなんだよ」


おねえさんは、笑うのを止め真顔になった。


美人のおねえさんの鑑定結果は


名前 ビビアン

種族 エルフ

年齢 318才

職業 賢者

魔力量 23730

使える魔法 極大魔法 ほか‥‥



つっこみ所満載だが‥‥‥

この世界、魔法を使える人は10人に1人くらい。

貴族に多い。

その中でも、戦闘に使えるレベルである、魔力量100を超えるのは

もっと少なく、

魔力量1000を超えようものなら、宮廷魔術師のトップに君臨できる。


その20倍以上だ。 すご過ぎる。


「おねえさんの魔力で、魔法ぶっ放したら、大惨事になるとこだったよ」


「だってえ‥‥」

かわい娘ぶるエルフ。 300才超えてるよね。


「君こそ、変わった能力待ってるのね。 何をやったのか

おねえさんでも、分からなかったわよ」


長い手足で、抱きついてくるエルフ。 えらく人との距離感が近い人だ。


その様子を、勇者が体育座りしたまま、恨めしそうに見つめていた。



















勇者いいとこなし。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ