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第10話, 女帝竜

丸1日掛かって、デグウィート王国に帰ってきた。

魔王討伐達成の報告に、国中が歓喜した。

勇者の証言だけで、証拠はないんだけどね。  いいのか?


歓迎式典が執り行われ、中止されていたミレニアム祭の再開催と

勇者と王女の婚約が発表された。


一段落したので、ぼく達はパーティーを解散した。

お役御免だ。


これからどうするか‥

バルタム子爵邸に帰って思案に耽ける。


レベルがソータが魔王を倒しまくったせいで、30になっていた。

パーティーを外れても、ステータスは残るらしい。

200倍近い力になったことになる。


怖いよ。 大丈夫か?

日常生活に支障が出るんじゃないのか?


うん、取り敢えず大丈夫そうだ。

力の加減は、普通にできる。


しかし普通の子供ってわけには、いかなくなったなあ。

魔王討伐の英雄だもんね。

せっかくの子供時代だったのに……


今後どうするか悩んでいたら、ララがじゃれ付いて来た。


ララをどうする?


このまま、家に置いていていいのか? マズくね?


「ねえ、ララ。 ここに居ていいのか?

グララが心配してるんじゃないのか?」

「ん? 平気、平気!」


いや、平気じゃないよ。 7才の娘を勝手に連れ回してるんだから。

激怒していても不思議じゃない。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

人気のない場所から、ララにドラゴンに戻ってもらって

背中に乗せてもらって、グララの居る「竜の谷」へ飛んで行った。


そしたらビビアンさんが、飛んで追いかけてきた。

「酷いわ! 置いてき堀なんて酷いわ! プンプン!」


忘れてたよ。 我が家に当たり前のように居着いてていたからね。


「女帝竜グララのとこに、行くんだよ。 危ないよ」

「だったら尚のこと、私も行かなくちゃだわ」


「竜の谷」はゲームの2Dマップとは違って、壮観だった。


「ママ、ただいま〜」

ララ、それデグウィート語だぞ。


谷にある巨大洞窟の中から、地響きが聞こえてくる。

グララが、姿を表した。


「ガウガウガウ?(今まで、何処へ行っていたのだ?)」

 でかい。 5階建のビル位ある。

しっぽまで含めたら、その倍はありそうだ。


「谷、退屈! ユウムと一緒、楽しい」

「ガウガウ?(ユウムとは何者だ?)」


「ガウガウガウ(お嬢さんを勝手に、連れ回してしまい申し訳ありませんでした。

ご心配なされたでしょう)」


ジロリ… グララに睨まれた。  

さすが、SSSの強さを持つドラゴン、すごい威圧感。


ビビアンさんは元々、大宮廷魔術師の20倍の魔力の持ち主だったから

レベル30になった今、その200倍‥‥4000倍の魔力があるわけだけど

たぶん、そのビビアンさんでも、敵わないんじゃないだろうか。


ドラゴン形態に戻ったララと二人掛りでどうか。

ぼくなんか、論外だ。


うん、逃げよう。 

そんな大死闘をするつもりはない。


突然、目の前のグララの巨体が、光と共に姿を消した。

後には、妙齢のご婦人が立っている。


「まあまあ、ララちゃんが男の人を連れて帰ってくるなんて」


人化したグララらしい。


ちょっとふくよかな、人の良さそうなおばさんって感じだ。


「何、突っ立てるの? 歓迎するわよ。 さあ奥に入って入って!」


ゲームでは、ただただ怖い存在だったグララのイメージが

音を立てて壊れた瞬間だった。











































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