将棋でアマチュア初段になる方法(100話・12万文字・3万PV突破記念)
小説家になろうで、『おれの義妹がこんなに強いわけがない~妹とはじめる将棋生活~』という将棋ラブコメを書いているDと申します。拙作がついに、100話・12万文字・3万PVを突破するということで、今回は記念エッセイを投稿させていただきます。
テーマは、「将棋でアマチュア初段になる方法」です!
将棋ラブコメを読んで将棋に興味を持ったという感想を多くいただきました。twitterなどを通しても、有段者のかた・級位者のかた問わず交流が増えております。その方々とお話をしていると、ネット将棋の1級や初段の壁が厚いという意見が多かったです。
調べてみたところ、将棋人口は約700万人。その中で将棋をはじめて、有段者にたどりつけるひとはおよそ10%以下だと推定されているそうです。
その意見に答えるような形で、今回はエッセイを書かせていただきたいと思っています。
自分も将棋をはじめるのが成人してからというのもあるのか、過去に1級で停滞して、初段の壁を打ち破るまでに1年ほどかかりました。その間は、本当に苦しかったです。その時の経験を生かして、読みやすいエッセイを書ければと思っています。
今回の対象は、駒の動かし方がわかるくらいの方から級位者ぐらいの方を対象としています。ご理解ください。
それでは、有段者になるための3つの段階を紹介していきたいと考えています。
段階1「得意戦法を身につける」
これは、どんなひとでも言うことですね。
「駒の動かし方をおぼえたら、なにかひとつ得意戦法を身につけろ」と。
でも、将棋の戦法はたくさんあるし、条件によっては使えなくなる戦法も多いです。
そんな方々のために、汎用性の高い5つの戦法を紹介します。この中からひとつかふたつ選んでおぼえれば、もう大丈夫。ほとんどの相手と対戦を楽しむことができます!
① 棒銀
飛車と銀を使って、敵陣を突破する作戦です。
シンプルだけど、火力は抜群! 相手が受け間違えたら、有段者だろうが即勝利です。
② 中飛車
これもわかりやすく、火力抜群!
飛車を中央に動かして、敵陣を制圧していくパワフルな戦法。美濃囲いという守備陣も作りやすく、堅くて派手。どんどん攻めていけます。左の銀をうまく攻撃に使っていってください。初級者同士ならこれで必勝!
③ 早石田
火力100%の将棋。数手で、開戦する攻め将棋。これまた、相手が受け間違えたら、有段者だろうが即勝利です。
④ 四間飛車
攻守バランスが取れていて、安定した将棋が可能。美濃囲いにもできるので、せめられても安心。画像の奥側が、四間飛車の陣形です。
⑤ 右四間飛車
相手が角の通り道をふさいだら、使える戦法。
火力はこの中でも最強クラス。
級位者時代は「必勝戦法」ともいわれる大エース
以上、初級者の方におすすめする5大戦法でした。火力抜群なので、負けても楽しい将棋になりますよ。これを見よう見まねで使って、ネットで遊んでみてください。向き不向きがあるので、いちばんしっくりくる戦法を使いましょう。
ちなみに、自分は①③⑤を愛用していました!
段階2「詰将棋を解く」
上記の戦法からしっくりくる戦法がわかったひとはこちらです。詰将棋を解く。
詰将棋とは、簡単に言えば、相手の王様を捕まえる練習のことです。ネットや本屋にたくさんの問題集がおいてあるので、それを使いましょう。
コツは、ゲーム画面や将棋盤を使うのではなくて、脳内で考えること。そうすることで、自分の頭の中に将棋のイメージが作りやすくなり、対局中に駒たちがばんばん動きます。その駒たちが、正確に早く動くことが将棋の勝利のためには、必要です。
詰将棋には1手詰から1525手詰までたくさんあります。もちろん数百手の問題は普通の人では解けません。
おおまかな棋力で推奨する手数を書いておきますので、参考にしてください。
1手詰……駒の動かし方がわかるひと~4級くらいまで
3手詰……3~2級までのひと
5手詰以上……1級以上
私的にはこんなイメージです。
1手詰は、駒を1回動かすだけなのでかなり簡単ですが、それ以上は脳内で駒を動かさなくてはいけないので、初めての方はかなり難しいです。1分程度考えてわからなかったら、答えを見てしまいましょう。そして、その答えをおぼえるのです。
詰将棋は勝ち方のパターンをおぼえる作業とも考えられるので、おぼえればおぼえるほど強くなります。そして、頭の中のパターンが増えることによって、見たことがない問題も自然と解けるようになってきます。
これも自分の中のイメージで申し訳ないのですが、3手詰を自力で1000問以上解けた人は、1級の壁を突破し、5手詰を自力で2000問・7手詰を1000問以上解けた人は有段者の壁を突破できることが多いと思います。
だいたい、1日30問を目標にするといいと思います。そうすれば、2級クラスの実力までは数か月くらいで達成できるでしょう。
どうして、めんどくさい詰将棋を何千問も解かなくちゃいけないんだと思う方もいらっしゃると思います。そんな方はこちらのデータを確認ください。
これは、私ととある三段の方が対局した将棋を、AIで分析したデータとなります。
棒グラフが上に行けば、私の有利。下にいけば三段の方が有利。
序盤は、向こうの大優勢となっていますよね?
でも、後半にわたしが大逆転している。
これはどうしてか?
それは、わたしのほうが、三段の方よりも早く詰みに気がついたからです。つまり、王を捕まえる手順を早く見つけられたほうが、将棋に勝つということを如実に示すデータとなっているんですね。
将棋は王を捕まえるゲームなので、終盤の力にかなり左右されます。有段者同士の対局でもそうならば、級位者同士の戦いは、もっとはっきりとした結果になります。なので、詰将棋をたくさん解く=終盤力の底上げ=詰みに早く気がつく=勝利という結果をもたらすのです。
段階3 実戦
そして、最後の段階です。詰将棋をたくさん解いて自信満々になったら、たくさん対局しましょう。強い人のやりかたを見よう見まねで真似するのも最高のトレーニングとなります。いまはネット将棋全盛時代です。手軽にできるネット将棋がたくさんあります。そこで、ぶつかり稽古をして、自分の将棋を磨いてください。並行して、詰将棋も毎日解けば、もう有段者の道はすぐそこです。
有段者の壁を超えた時、将棋はもっとおもしろくなります。プロの対局も解説付きならなんとなくわかるようになるし、過去の名局や有段者たちはインターネットの至る所に転がっている。あとは楽しい楽しい未開のフロンティアです。
このエッセイが、みなさんの将棋ライフの充実に役立つことができたら幸いです。
最後となりましたが、わたしの将棋ラブコメ『おれの義妹がこんなに強いわけがない ~妹とはじめる将棋生活~』も読んでもらえると嬉しいです。わたしのマイページか下のURLをご使用ください。
https://ncode.syosetu.com/n0999fg/
読んでいただきありがとうございました。