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1話 捜査から外れた探偵

お二人さん、おめでとう。


テスト期間中、しかも日曜日に模試がある好みが精いっぱい書いたから、変なところがあっても、まぁ、笑って読んで下さいな

「で、つまりのところ、盗まれちゃたわけね」


「……そうよ」


ハンチングとマントを着こなす幼い少女は、悔恨に濡れる女警官に向けてやれやれ、と皮肉的に呟いた。警官は少女の表情は良い気味だ、と明らかに嘲笑うような顔を見ても、何も言えない。


「やっぱり、怪盗マーニィーの捜査からこのアーニィーをはずしたのは間違いだったのね。うぅーん、美都子さぁ~ん、言い残すことあるぅ?」


「あんたね! 前回は壺の中に爆弾を仕掛けて、マーニィーが手をかけた瞬間に爆破したのよ!? 今回ははずされて当然じゃない!」


カッとして美都子は机を叩きつけながら言い返す。まだ口をつけていないティーカップから温い紅茶が溢れた。


「う、うるさいなぁ~。マーニィーとの勝負で負けなかったからいいの! それに爆破落ちも面白かったじゃん! 壺だけに……」


美都子は無言でアーニィーの頭を叩いた。


「あの壺、24億8千万するのよ……。ああ、もう……」


「うぅ~! 痛いなぁ! ……それで? 今回はどんな風に盗まれたの? ネックレスだっけ?」



気を沈ませる顔と気を悪くした顔が互いの焦点も合わぬままに続いた。


「警備員が配置されるずっと前から、宝石店のあちこちに爆弾が仕掛けられていたのよ。マーニィーが宝石を無条件で渡すなら爆発は起こさないって脅してきたから、仕方なくね……」


「ふーん、このアーニィーならマーニィーが爆弾のスイッチを押すよりも早く、宝石店の宝石全部と警備員を安全な場所に避難させちゃうね。んで、マーニィーなら保険として宝石店以外の、全く関係のない場所も脅しの道具として使うために爆弾を仕掛けていたと思うよ。さぁーて、その時はどうーしようかなぁー」


楽しそうにあれこれと考える、一回りも年下の少女を見て、美都子はどこか勝負に負けた気がし、諦めたように答える。


「わかってるわよ、結局、私たち警察も、あの『怪盗マーニィー』の対策として、マーニィーの双子の妹である『名探偵アーニィー』ーーつまり貴方の協力は必須だと決断したわ。ただ、絶対に前回のようなミスだけはしないように」


「ショーがないなぁ。報酬があるし、わかったよう、キチンとする、うん」


渋々な探偵様を見て、美都子はどうにも納得がいかない。


「……やっぱり、解せないわ。貴方にとって、マーニィーは姉なんでしょ?」


「そだよ」


「そだよ、って……」


「うん、でも今も、マーニィーと遊ぶの楽しいよ。こうやって、騙し騙されあい」


「いえ、でもマーニィーに勝ったら、逮捕されるのよ」


「逮捕されるって、悪いことしたんだから逮捕されちゃうよ」


言外の意味も汲み取れず、キョトンとするアーニィーに、美都子は追求するのをやめた

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