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3話

ガンッ!!


凄い音がした


あれ?俺死んだよね

体は動く

手をニギニギさせながら


「おあっ」

思わず声が出てしまった俺の手がちっちゃい


「マイアスー大丈夫?少し遠くに投げすぎたかしら?」

大人の女性が言っている


これはって思っていたら母という記憶が蘇ってきた

そう俺は母に投げられていた


「ちゃんと身を縮めて守らないとダメよ。教えたようにやりなさい」

そしてもう一回投げられた

今度はちゃんと体を守るように丸まった


「そうよ、それよやれば出来るじゃない」

母は喜んでいた

俺は防御が得意だからなって思ったがそれは前世の記憶で今世ではマイアス・シカーラスという騎士の息子で現在3歳だった


今の現状を見ればわかりづらいかもしれないが母はとても子供を愛している

騎士の息子としてちゃんと生きていけるように鍛えているつもりだった

確実に方向が間違っているが子供には何も言えない


「次は魔法よ」

そうこの世界には魔法がある


「ウィンドボール」

そのまま風の玉だ

あたっても怪我はしないが当たったあと吹き飛ばされて頭を打ったりするから決して安全ではない


「うわっ」

俺は身を屈めてボールが当たったあと吹き飛ばされて転がった

身を屈めて居たので背中を打ち付けるとかは無かったが転がるだけでも意外と痛い



それから2年経ったが母はなぜか守ることしか教えてくれない

もしかしたら小さいからだけかもしれない

でも前世の記憶を取り戻した俺は防御が上手くなったので母のむちゃぶりにもついていけるようになった基本殴られたり吹き飛ばされたりするがほぼノーダメージでやり過ごせるようになった


母の防御の鍛錬でわかったことはイメージだ

イメージした魔力を形に変えるのが魔法だとすれば俺の考えもちゃんとイメージ出来ていれば問題ないはずだ

そこで俺は魔力を貯めるイメージをしながら手にありったけの魔力を貯めて袋の口から手を突っ込み体中の魔力を袋に流し込んだ


「貯まれ!!貯まれ!!貯まれ!!」

魔力はほとんど空っぽになるまで袋に流し込んだ


「貯めた魔力よ出よ」

何も起こらなかった


「失敗したのかどうしようかこの袋、ペンでも入れておくか」

そう言うとペンが消えた


「あれ?ペンは?ペンよ出よ」

ペンが消えてまた現れた

失敗かと思ったが袋に魔力を貯めるイメージをした結果出来たのは魔法の袋だった


貯める事をイメージしたことでアイテムボックスのようなものが出来た

どこまで入るかと思って家の中の物を入れて回ったが一向に入らなくなることは無かった

大体だが10tトラック位積み込んだがまだまだ入りそうだし重さも変わらない

飛んだチート袋が出来てしまった


「母さん、このくらいの袋たくさん頂戴」

母にお願いすることにした


「何に使うの?」

母は不思議そうな顔をしていたが


「いろいろ入れるんだよ、庭で冒険者ごっこしたいから」

俺の台詞に母はほっこりした笑顔で


「わかったわ持って行きなさい」

小さい袋をたくさんくれた


「ありがとう母さん」

母に感謝をして袋を持って自分の部屋に行った

それから毎日鍛錬が終わったあと自室にて袋を魔法の袋に作り替えた

袋を付けるベルトも作った

種類としては腰ベルトと肩掛けのベルト腰のベルトに掛けるベルトなどを作った

それに全部袋をつけられるようにして50個位下げられるようにした

自分の部屋の荷物はこの袋の中に全部入れたので今じゃ自室には何もない

寝るときも袋からベッドを出してから寝るようにしてる


ある朝

「そろそろ起きなさい」

母がドアを開けながら声をかけてきた


「もう起きてるよ」

俺が返事をすると


「そうなのよか・・・どうしたのこの部屋!!」

母は絶叫した


「どうしたの?」

っとドアを閉じて袋からベッドとタンスを出してからドアを開けた


「あらベッドもタンスもあるわねマイアス何をしたの」

母は疑問形ではなく俺が確実になにかしていると思って聞いてきた


「袋を魔法の袋にしたのホラっ」

ベッドとタンスを袋に入れた

それを見た母が


「そろそろいいわね、今日からはファイアーショットよ」

とんでもないことを言ってきた


「え?」

唐突すぎて困る


「ここまで出来るんだもの次の段階に進みましょう」

さすが母だとんでもないことをさらりという

2年の間に守る事と言う名の只の我慢大会が行われていた

何せ守り方は大雑把で「こうやるのよ」と言ったら次は実践する

これからもそうなのだろうがボール系までは護身用の魔法と言ってもいい

でもショット系は人を殺せる魔法だ


「じゃあファイアーショットの守り方はボール系みたいに魔力を纏うだけじゃダメよ」


そう2年前は守り方を教わる前に魔法をくらって転がりそれを見た母は「この魔法じゃ死なないわ、でも防がないと転がった時に痛いわよ、だから転ばないように魔力を体に纏うのよ」と言われたのだ

転がす前に言って欲しかったとあの頃は思ったが結局纏うのに一日掛りで何十回も転がったんだ


「じゃあどうするかだけどそれは纏う時に属性を加えるのよファイアショットの場合は火か水か氷を纏うの。

火で火を防ぐ時は攻撃魔法より強力な魔法じゃないと防げないわ

火を水で防ぐ場合は水膜が保つ限りは大丈夫よ

火を氷で防ぐ人はほとんど居ないわ使えないから

わかったわね行くわよ」

母は容赦がないこの説明で理解出来る5歳児は居ない


俺は直接くらうのはまずいと思い咄嗟に風を高速で動かしながら纏うイメージを固めた

直接くらいたくないなら受け流すしかない

左足を前にだし右足を引き腰を落として右腕でガード左腕で右腕を支えて構えた


ゆっくりと打ち出されたファイアショットが近づいてきた


ジュッ


一瞬風で空気をすって火が大きくなったように見えたが風の勢いが強かったのか霧散した

弾くだけのつもりが予想と外れてファイアショットは跡形もなく消え去った


「なっマイアス、あなた何したの?」

母は驚いているようだが俺からしたら火を火で火を水の膜で防ぐとかのが信じられない

水を掛けるならいいが水の膜なんて蒸発して火の餌になって怖いじゃないか

まあ母にそんなことは言えないから


「怖かったから必死だったんだよ」

なんの説明もしなかった

本当に必死だったよ

想像してくれ母親が火のついた薪を投げてくるような感じを

そんなものは恐怖でしかない









こんな鍛錬を毎日行い

さらに3年経った

そしてそれは起こった


「逃げるわよ」

母が急に慌てだした


「どうしたの?」

俺は母に訪ねた


「この国は戦争を始めたのよ一度も父さんを見たことなかったでしょ

父さんは騎士だから戦争の準備に忙しかったの母さんと父さんは逃げられないからあなただけでも逃げるのよ」

母はとても冷静なのだがそれでも焦っているようだった


「わかったよ荷物はどうするの?」


「家の中のものは全部持って行きなさい、おそらくこの戦争は勝てないわ

母さんも逃げたいけど父さんが騎士だから無理なのだからあなたは一人で逃げることになるし

もうマイアス・シカーラスは名乗れないわ新しい名前を考えておきなさい

もう何も教えられないけど今まで教えたことを活かせば死ぬことはないはずよ」

母は涙を流しながら俺に言ってくる


「うん」

俺も泣きながら答える

前世では味わえない愛情をたくさんもらった

これからは母の教えと前世の知識を使って全力で生きていこうと思った


家にある金目のものをほとんど持ってこれ以上の会話も辛いので泣きながら家を出た

というか国すらも出ていった

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