第七話 夢
時々、夢を見る。
あの、恐ろしい光景をはっきりと映し出す。思い出させる。
まるで、俺にそれを忘れさせないために、俺を苦しめるために、…俺に、こんな夢を見せているかのようだった。
その夢を見ると、必ずうなされて目が覚める。
息切れして、体中汗びっしょりの状態で。
いつまで、俺はこんな夢にうなされ続けなくてはならないのだろう。
いつまで、俺を苦しめ続けるのか…。
***
「先生〜、何の用ですかぁ」
教室に行ってみたら、先生はしっかりと椅子に腰掛けていて、資料を見ていた。
一番前の席に、啓が座っていた。こちらに気付くと、にっこりと微笑む。
他にも何人か、よく知っている人が座っている。
…宮本の姿もある。
大体予想がついていたけど、やっぱりこのメンバーって…。
「うん、呼び出すの遅くなってごめんね。林間学校のことなんだけど…。」
やっぱり、林間のことだったか…。
「さ、どこでもいいから座って。」
伊織彩音先生。
このクラスの担任だ。
外見も中身も若い。
長い髪を後ろに束ねていて、明るい先生。
生徒からも人気だった。
俺は、啓の隣に座る。
「よっ、啓。」
「蓮、お前ちょっと遅れたっぽいぞ。」
「やべっ。」
俺は、少し遅れたらしい。
けっこう話が進んでいた。
「…ということで、キャンプファイヤーはこれでよろしいでしょうか。」
宮本が仕切っていく話に、急いで追いつこうとする。
…というか、さっき宮本と会ってからそんなに経ってないのに…。
この事実は、とても早いスピードで話が進んでいることを物語っていた。
啓に教えてもらいながら、話についていく努力をした。
「…で、この役は飛鳥君がやるのがいいと私は思うのですが、どうでしょうか。」
へっ!?
急に自分の名前を出されて、心の中で素っ頓狂な声を出す。
口に出なくて良かった…。
「な、何の役…?」
おそるおそる聞いてみると、宮本の口からは…、
どんな言葉が出てくるんでしょうね…。
まだ僕にも分かりません。(キッパリ。)
感想よろしくお願いします。