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嘆きの声  作者: 水城翼
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第四話 仕方のないこと

***


「…へぇ。」

「で、でも俺は何もやっていないんだ!!」

「…ふぅん。」

「…なぁ、ちゃんと聞いてる?」

「…うん。」


さっきから短い返事しか返ってきてない…。


「だって俺、工が大会に出てくれればそれでよかったんだ。なのに、なんで…こんなことに…。」


「蓮。」


うつむいた俺に向かって、美空は俺に呼びかける。


「分かった。蓮は、何もやってないよね。蓮の言葉、信じるよ。…もし、その言葉に『嘘』があったら、私は…「おーい、お二人さん。」

 

「「啓!?」」


啓が、にこにこと笑いながらやってくる。


「よぉ、美空、蓮。仲良くやってるか?」

「は?」

「何で?」

「だって、二人とも真剣な顔して話してるんだもん。喧嘩したのかな〜、って思って。」


話していることがこんな内容だけど、啓は微笑んだままだ。


「うん、ちょっと…、いろいろあって。」



「『噂』のこと?」



…!?なんで分かるんだよ!?


「だって、今の深刻な話題って言ったら、やっぱり『噂』のことくらいかな〜って思って、な。」


俺は、よっぽど驚いた顔をしていたらしい。

啓がそのことを察して説明してくれた。


「だから、気にするなって言ったのに。」

「……だって…。」


俺はつい口ごもってしまった。


「…だって俺、そんなこと一切やっていないのに。なのにありもしない『噂』を流されて。気にしないわけないだろ。」


ようやく言葉が見つかって、理由わけを話した。


「…仕方ないことだよ、蓮。誰だって、恨んだり、妬んだりすることはあるんだから。」


美空の手が俺の肩に触れる。



仕方ないことなのかな…?



これは、仕方のないことなのかな……?



人の心を傷つけるこの行為は、仕方のないことなのかな………?


ここまで読んでくれて、ありがとうございます。

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