第十七話 登山
「えー、これから山を登りまーす。」
伊織先生の声が響く。
「せんせぇ、もうちょっと教師らしい言い方してくださーい。」
その一言に、どっと笑いがあふれた。
「そこ、うるさいですよー!はい、しゅっぱーつ!!」
「せんせぇ、もうちょっと教師らしい言い方してくださーい。」
「やっぱりうるさいですよー!さっさといきましょー。」
このやり取りがとても幸せな毎日を再現してくれる。
「じゃ、飛鳥君。よろしくね。」
「ハイ、任せてください。」
「先生は飛鳥君のすぐ後ろでルートの指示するから。安心してね。」
「ハイ。」
***
登山は順調に過ぎていった。
しかし、それは起こってしまった。
***
「ぅわっ!?」
登山後半。
俺は、うっかり木の根に足を引っ掛けて、転んでしまった。
「痛っ…」
別にそれで足をひねってしまった、とか。そういうのではなかった。
“もともとあった傷”に、みごとに木の根が当たってしまったんだ。
「飛鳥君、大丈夫?」
先生が駆け寄ってくる。
幸い、俺が転んで倒れた方向が前だったので、後ろには問題なかったらしい。
「立てる?」
先生に聞かれて、俺は足に力を入れる。
「あー、無理っぽいっす。山、降りるんで先行っててください。」
ルートも覚えているから大丈夫だろう。
「いちおう空知君についていってもらいましょう。」
「ほら、蓮。ちょっと道をずれよう。みんなは先にいっててくださーい。」
俺たちは道をずれる。
「…大丈夫か?」
「大丈夫だよ、工。それより俺達の代わりに楽しんできてくれよな」
「…ああ」
工がちらり、と啓をにらんだ気がした。
にっこりと啓が微笑む。
工が上へ上って行ったのを見て、俺は啓のほうを改めて見る。
「悪いな、啓。せっかくの登山を邪魔して。」
「いや、いいんだ。」
「…そうか。…お、だいぶ人も少なくなってきたな、そろそろか?」
上に向かっていく人がまばらになってくる。
「なぁ、蓮。ちょっといいか?」
「あぁ、いいぜ。なんだ?」
「……………」
そういったと思うと、啓は口をとじた。
啓の口が開くのを待った。
「…向こうで、話さないか?」
啓が指差した方向は、崖がある方向だった。
「あっちか?」
「そうだ」
「あっちはいっていいのかな、崖だぞ。」
「大丈夫だよ、落ちなきゃいいんだよ、落ちなきゃ。」
「それもそうか」
「ごめんな、どうしても、人に聞かれたくなくて。」
確かにここだと、体力がない人があとからくる可能性がある。
聞かれたくない話なら仕方がない。
「じゃ、いくか」
「肩貸す。一人で歩けないだろ?」
「おう、サンキュー。」
そして俺たちは、人気のない崖のほうへと歩いていった。
適当に書きました。
この文章を書いている今、とてつもない後悔を覚えています。
ということで、後で書き直します。
許してください。
次回は自重しませんよ!!
多分きっともうすぐ公開です!!
後悔…しないでくださいね。
(8月1日)