第十三話 警告
がしっ…
ものすごく、強い力。
こんなに細い体から、どうしたらこんなに強い力が出てくるかに疑問を抱いたが、そんなことよりも、すごく痛い。
体中に激痛が走り、俺は思わず小さく声を上げる。
「…ケイコク、だよ」
俺の耳元で…、小さく、優がささやく…。
ケイコク…。…警告…?
「…っ、警告…?何のことだよ…?」
「それはね」
優が、そっと俺に言う。
その声色は、とても恐ろしいほどに冷め切っていた。
怖い。
どうしてかは分からない。だけど怖い。
そっ…と、優の顔を見てみると…
口元は笑っていた。でも、目は笑ってない…!!!
優がゆっくりと口を開く。
「林間学校に、行っちゃいけない。」
…え?
「…どうして…?」
「行ったら…確実に…」
そこで優は話すのをやめてしまう。
確実に…何なんだよ…?
どうなるっていうんだよ…?
優の口が開くのをひたすら待つ。
そうしているうちに、俺の体中が汗がびっしょりになっていく…。
気持ち悪い…。はやく、この場が過ぎ去ってしまえばいいのに、と心の底から願う。
「確実に、後悔すると思う。」
…後悔、か…
みんなが林間学校に行っている間、ずっと家にいたら、それこそ後悔すると思う。
ギシッ…
今までよりも、もっと強い力で肩をつかまれる。
「いっ!!」
「これは警告。聞くか聞かないかは蓮の自由。でもね…。」
ふっ…
一瞬、優が俺の肩をつかむ力をゆるめた。
痛みから解放され、俺は少しほっとする。
しかし、それは本当に一瞬で、すぐにものすごい痛みがおそってくる…。
「聞かないと、確実に後悔するから。」
久しぶりの「嘆きの声」の更新です。
ここまで辛抱強く待ってくださっていた方、ありがとうございます。
これからも、よろしくお願いします。