第十話 情報
「はぁ…」
どうしよう。どうしよう。
こんなにも簡単に、相手の罠にかかっていたなんて…
美空の言葉・…本当なのか…?
***
―宮本が…。
―蓮の不正の噂を流していたんだって。
―蓮を陥れるために…。
―それで、蓮を動揺させて、最後には…
***
最後の言葉は美空の情報が足りなかったらしく、そこまでの情報だったが…。
第一、どこでこんな話を聞いたんだよ。
気になった俺は、電話をかけてみることにした。
ここは俺の自室だ。
俺はベッドに横たわり、ケータイを取り出した。
***
「おい、美空。さっきの話、本当なのか?」
―…、あれ。蓮?どうしたのこんな夜遅く。
美空はこんな夜遅く、という表現をしたが、俺にとっては夜遅くではない。
そのことはつっこまない。人によって感じ方はずいぶん違ってくるのだから。
「ほら、あの話。宮本が噂を流してたって話。」
―ああ、あれ?ホントホント。しっかり自分の耳で聞いたんだから。…聞き間違いがなければの話だけど。
…なんかすごく信じたくなくなってきた。
「その話、誰に聞いたんだよ。」
―んー?廊下で偶然。だから嘘かもしれないよ〜?
おいおい。聞き間違いもなにも、その情報は嘘っぱちかもしれないってことかよ…。
「どんな感じで喋ってた?そいつは男?女?学年は?」
―ちょ、ちょっと待って!!いっぺんに聞かないでよ。…まずは、どんな感じで喋ってたかね。
ちょっと反省。あわてていろいろ聞きすぎた。
―大声でもない。でも、こそこそ話してたわけでもないわ。でも、少し聞き取りにくい声だったかな。
やばい話なら、もっと小声で話すものだ。やはりなにかの勘違いか…?
―性別は男だった。三人で話してたわ。学年は私達と同じみたい。
「…ありがとう。聞きたいことは聞いたから、もう俺寝るわ。おやすみ〜。」
―あっ!ちょっと待ってよ、蓮。
「…何?」
―聞くだけ聞いて、さっさと切っちゃうなんて、不公平だよ。私の話も聞いて。
「…。悪かったよ。何?」
たまに女は鋭いことを言う。
それはあまりにも納得できてしまい、うんと頷くしかできなくなる。
―…、あのさ。
変なところで終わらせてしまってすみません。
…蓮君は、階段を上っているようなものです。
最終的には、階段は途切れ、落ちていくわけです。
階段を上っていくにつれ、落ちるときの痛みは強まるのです。
なんのために階段を上っていったのか。
絶望に染まる、最期。
それが書きたくて、この物語が生まれました。
なんだか某ゲームの詩に似てますね。
…何が書きたかったか分からなくなってきたので、書きました。ハイ。
感想、誤字などありましたらお願いします。