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彼女の若かかりし頃はどんな女性だったのだろうか。過去に彼女と交際してきた男性にこれ程嫉妬した事はない。今まで嫉妬という感情は一切湧いてこなかったので、なにか初々しい気分でもあったが、嫌な感覚でもあった。
ある機会に彼女の過去の写真などを見る事が出来た。
写真の彼女は相変わらず綺麗な瞳をしている。
そんな中でも特に目がいったのが、短大の卒業アルバムの一枚。
正直に言おう。やられてしまった。精神が。
(うわー…チョー美人…)
自分の妻の過去の写真を見てそんな事を思う自分が不思議でならなかった。
『へえー。初めてみたけど楽しいな。』
「恥ずかしいから見ないでよー。」
『いいじゃん。少しくらい。』
「そんなに興味あるの?」
『そりゃ知らない沙織だからな。』
(はい…知らないわけじゃないんです。汗)
「ま、そうだけど…」
(ま、君の記憶にはないみたいだな。汗)
「どう?初めて見たけど、別に変わってないでしょ?」
(いや…初めてじゃないんですけどね…)
『俺は…初めて…じゃないかも…と思ったり。』
「ん?なに?」
『え?いや別に何も。』
(ま、知らなくて当然か。)
彼女の中では俺が見たことさえない自分なのだろう。過去の自分を見られたくないのか、早めに写真を取り上げようとしていた。
彼女の性格的に過去を見られるのは恥ずかしいのだと思う。
『なぁ。』
「うん?」
『俺と初めて出逢ったの。いつ?』
「はぁ?もう忘れたの?最低」
『いつだっけ?それとも自分が忘れた?(笑)』
「4月29日」
(まぁそうだろうな…そう言うと思った。)
俺が関東地方に引っ越してきた理由…
それは君を見つけるため…
すでに関東にいる確率が高いのはわかっていた…
そう…東京に。
それは彼女と正式に出会う…
さらに数年前の事…




