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6・【つまんねェ停滞した世の中を吹き飛ばす風を…】

延々と、

延々と続く彼の説教。


その場の者らは一言も喋らない。

彼がただ、一方的に親玉に対して説教を続けるだけで。


その説教を続ける彼は飽きやしないのだろうか?

一部の者らはそう思っていた。

が、彼は寧ろ楽しそうに説教を続けるだけ。


先程まで、酔っ払いグデングデンになっていたかと思いきや、

強盗共を相手に、場の者らを魅了すらした刀技を見せ、

その次はつい先程まで敵だった親玉相手に楽しそうに説教を。


一体彼は何をしたいんだ。


ある意味、呆れている者も少なくはない。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


暫く、説教の続く中で、酒場の外が騒がしくなって来た…


――この街の保安官だ。



「…おっと? 何やら…、 保安官達が来たみてェだぜ?

あぁ、そうか。 お前の悪事が知れ渡っちまったんだなァ!!


うぃ、もうお前に説教出来ねェのはちっとばかし残念だけど…

後はこの街の保安官達に任せちまうかねェ。

何せ…、俺はこの街の人間じゃねェし、只のブラブラ剣士だしな!! ははっ!」


彼はそう言いながら笑い、

親玉の前から離れた。


と、同時に外の保安官らが騒ぎの起きた酒場の中に足を踏み入れる。

ただちに親玉、そして部下の者らは取り押さえられ、

この酒場の強盗騒ぎは 収束する事となった。


強盗らと、彼が闘った酒場には、特に目立った破損も無く、

直ぐに、酒場特有の元の活気が訪れた。


彼は酒場の客ら、保安官から称えられる。

強盗事件を解決した男として称えられた。


しかし彼は、

「別に解決してェとかそんな事思ってやったんじゃねェよ。

アイツらが俺に突っ掛かって来たから返り討ちにしただけってんだ」

と、言って己の成し遂げた事を威張る事はしなかった。


…流れ者の剣士にとって、これは只の『喧嘩』で、

彼はその売られた『喧嘩』を買って、勝った。

それだけに過ぎないのかもしれない。


何にせよ、彼が強盗共らを打ち倒し、

酒場の安泰を守ったと言う事実には変わりは無いのだが…。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「兄ちゃん、もう行くのか?」


目まぐるしい数十分間。

騒ぎの収束から、又五分と立たない間に、

紅ノ剣士、彼はこの街から立つ、とマスターに告げた。


「おう。

んー、何かアレだ。

まぁ今回ゴタゴタに巻き込まれちまったし、

また変な事に巻き込まれる前にこの街から出て行こうかなァ ってな。


あぁ、おっさんには良い酒飲ましてもらったかンな。

それは感謝するぜ」



「そうか…

そいつァ少し名残惜しい。

兄ちゃんの活躍、期待してるぜ?

もし、またこの街に来る事があったら、ウチの店に来てくれよ!

今度は今回の事もあるし、サービスしてやるよ兄ちゃん!」


「へェー。

んじゃ、また機会があったら立ち寄らせてもらうぜおっさん」


彼はそう言って、ブチ破られた酒場の扉の前に歩んだ。


風のように来たりて、

風のように去る。


そんな事を連想させる、彼の後姿。



歩みを一瞬だけ、止める。

彼が一度、マスターの方を振り返って、謂う。



「おっさん、 …世の中にはさァ。

そろそろ『風』が必要と思うんだぜ。

今みてェに つまんねェ奴等がはこびって。

お偉いさん方は 堅苦しい政治に没頭しやがって。

だから、そろそろよ…

この世の中に『一陣の風』でも吹けば良いと 俺は思う。

凝り固まった、つまんねェ停滞した世の中を吹き飛ばす風を… な」


そう謂った。

このつまらない世の中に風を――…


マスターは、彼の願いを垣間見た気がした。


謂い終えた彼は、

後は音も無く酒場を抜け出て、

その歩みのまま… 街から立った。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


彼は、『風』を願い、風を求める。


自由に、気の向くままに生きる、 その中に求める。


己の手で 風を。

そう願う節も無い事は無かった。

小さきながら胸の中に。


彼のやる事は、彼にしか分からない。


行く先は、気まぐれに…。


さて、次は何処に行くかな?

そう思い、また、

希望と、軽蔑を含んだ、

それでいて、少々冷ややかな笑いを見せて。


彼は再び、この大地を歩き始めた…。

【焔月】

大分間が空いてしまったが、6話。

決してサボタージュしていた訳では…うわなにをするくぁwせふじこlp((

彼の『目的』というか『願い』を言うか

昔の妄想を掘り起こしての執筆だから ちょっと曖昧な部分も…

んま、がんばって描くしかない。

そして紅ノ剣士は 頭がいいのか悪いのか…

作者でもわからなくなってきた。

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