手記
作者は歴史特に世界史が苦手です。それなのにこんな話を書きました。ですから、現実世界とは全然違います。実際の国や民族等とは何にも関係ありません。
私が社会人としての生活を始めてからもう随分経ったように思う。
自分的にはもう一人前のつもりでいるが、先輩たちに言わせてみるとまだまだひよっ子らしい。
そのせいか、私に回ってくる仕事は雑用のようなものばかりだ。
大切な仕事だとわかっているので何も言わないが、もう少し重要で大きな仕事をしてみたいと思うのも本音である。
大きな三日月のような形をしたこの大陸は、民族の坩堝とか呼ばれているらしかった。
一応一つの国ではあるのだが、半ば無理やりまとめたような多民族国家である。
それがこのアテリア同盟である、と教わった。
私の職場であるアテリア民族センターは、その三日月のちょうど真ん中に位置する人工島に建てられたもので、全民族共通の役場のような場所である。
役所と警察、果ては裁判所などがくっついたもので、民族間を超えた結婚あるいはもめごとを取り仕切ることが主な仕事だ。
この国の、絶妙なバランスを保つ今の状態を維持するための、重要な職なのだ。
それなのに、