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姫将軍と世界の楔  作者: 朔夜
後日談
52/59

プロローグ

すみません。再開するのに随分間が開いてしまいました……

後日談なので、オチはまだ決まっていません。

「――と、いう事なんだ。是非とも君の許可が欲しいんだけど」

「そう……」


 その申請に。

 彼女は顎に軽く握った右手を当て、しばらくの間考え込んだ。


 理由は、きちんと順序立てて彼は説明してくれた。

 若干――特に政治面を考えた場合、もしもの際、彼女の許可がある事を彼から明言されてしまうと、非常にマズイ事になる。

 しかし、彼は無断で実行する事なく、彼女の許可を取りに来ているのだ。

 あっさりと却下しにくい。


「……許すとしたら条件付きになるけど、それでも構わない?」

「君に迷惑はかけないと誓うよ。可能性はかなり低いと思うけど、もしも仮に露見しても、君や一族には無断で実行したと証言する」


 彼女が安易に許可出来ないと、事前に理解していたらしく、彼は神妙な顔できっぱりと言い切った。


「そう……先に言っておくけど、貴方のしようとしている事は犯罪。理由や行動はどうあれ、犯罪は犯罪。捕まれば確実に殺されるでしょう。それは、ちゃんと分かっているわね?」

「ああ。でも、俺は……実際に体験した。自分は無事に逃れられたからと言って、忘れたふりをするのは、見過ごす事は出来そうにない」


 感情を押し殺したような低い声でそう呟き、目を伏せて、ゆるゆると彼は首を振る。

 再び、彼女に向けられた眼差しは酷く静かに凪いでいて。

 彼の覚悟の強さを、まざまざと見せつけていた。


 反対しても無駄だろう。

 彼女はそう判断し、大きく溜め息をついた。


「…………覚悟出来ているのなら、私から忠告しても無駄ね。分かったわ。申請を認めてあげる」


 認められなかったら、彼は他で何とかしようとを模索するだろう。

 その手段は、この申請が許可された場合よりも格段に危ない橋を渡る事になる。

 そして、彼はその事を理解していた。

 そうでなかったら――申請しなくても何とかなるなら、計画も今後の展望も含めて彼女に語らない。


 ほっと安堵の表情を見せる彼を、彼女はじっと見据えた。 


「許可の条件は2つ。1つは貴方も理解しているように、これは私の黙認であって正式な許可ではないという事。露見した場合、私や貴方の一族以外にも迷惑をかける事になるから。もう1つは――」


 もう1つを聞いて、彼は顔を引き攣らせた。

 2つ目の条件は、事前に予想もしていなかったらしい。


 彼女が理由を続けると、彼は生ぬるい眼差しで彼女を見返した。

 しばし、無言で考え込んでいたものの、彼は許可が降りる事を優先したようで。

 困ったような顔をしていたものの、結局は首を縦に振った。


「……分かったよ。その条件を呑む。じゃあ、機会があればまた……」

「ええ。またね」


 

展開はある程度決めましたが、更新はのんびり行おうと思います。

読んで下さった方、ありがとうございます

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