表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学校と雪の魔女  作者: エスパトローネ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/1

1 ウィンストン家

ウィンストンの双子の娘が公園に来たのは、9月にしてはやけに暑い残暑の日のことだった。


妹のエフィーは公園に行こうとして車道に飛び出したが、直前で姉に止められた。


「エフィー、だめよ――車が来てるじゃない」

「えー? エリカ、つまんないー」

「怪我したら大変よ」


エリカはエフィーをなだめると、横断歩道を渡って公園へと入った。


公園に入った途端、近所の子供がエリカに飛びかかってきた。いつものことだ。


「エリカだ!」

「え? まじで!? ――ほんとだ!」

「やったー!」


エリカは近所の子供たちの小さなスターだった。

なぜなら……


「こおりみせて!」

「はーやーくー!!」


5、6人の小さな手がエリカを引っ張る。

エリカはニッコリと笑い、「離れて」といった。


「はいはい、わかったから……見ててね」


エリカは自分の手の平を空に向け、ふうーっと息をかける。

その吐息が白く光った。――九月なのに。


エリカの手の上では――雪の結晶のようなものが、キラキラと舞っていた。


子供たちはそれを見逃すまいと、忠告も無視して前のめりになっている。

エリカが手をひらひらさせれば、結晶はたちまち大きな塊となった。


「わー……!」


女の子が感激の声を漏らす。


エリカはその塊を鷲掴みにすると、地面へ叩きつけた。


バキバキっ! と音がしたかと思えば――叩きつけた先から地面は凍っていき、気がつけば、公園はアイススケート場のようになっていた。


「すっごーい!!」

「スケートする!!」


エリカはにっこり笑う。

子供たちは乱暴にリュックからスケートブーツを取り出すと、ゆっくりと滑り出した。


エリカは公園を季節関係なくアイススケート場にできる。

雪がなくても雪だるまを作れたり、雪合戦で雪玉を自動生成することもできる。


エリカは子供たちを喜ばすためだけにその"力"をつかった。


「ねーエリカ! ドラゴンつくらないの?」


「あれはもうだめよ。だってここら一帯の木凍らせちゃって大変なことになったじゃない。お父さんに「もう動くものは作っちゃいけない」ってこっぴどく叱られたわ――「しゅうしゅう」がつかなくなるから、ってね」


「えー……」

「でもスケートがあるわ! ほら、はやく行かないととけちゃうわよ」


男の子はご立腹だったが、できないものはしょうがない。

彼は気を取り直して、他の子たちの方へと滑っていった。


エリカもたまに転びそうになる年下たちの周りにクッション代わりの雪を放ちながら、自身も夏のスケートを楽しんだ。


一時間後くらいに親たちが向かいに来る。その時にはこの氷は全て溶ける。

たとえ帰った子供たちがエリカの力の素晴らしさを語っても、親たちはそれを空想上の話として聞くのだ。


そうやって、子供たちの秘密は成り立ってきた。

そう、今日までは。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

面白いと思ってくださりましたら、ブックマークと星5つでの評価をお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ