出発又は出陣
スキルが勇者であっても、それはある意味才能とか潜在的可能性に近いと言える。レベルは、その実現可能段階であり、レベルが1であれば、その発揮できる可能性が最低段階にあるということになる。能力値は2つの面がある。基礎能力値であれば、体力、魔力、持久力、回復能力、敏捷性などであり、総合能力値というとそれらの総合平均的値となる。戦闘力視される場合もある。だが、体力があり、敏捷性が優れていても剣の実力が高いというわけではない。それが個別能力値とされる。剣術とか火魔法とか、その習熟度の値である。能力値は、鍛錬、修練、勉学、経験にどちらも数値は上昇する。だから、勇者のスキルがあるからといっても、基礎能力値で特に低位のスキルを持った者よりも劣り、剣や魔法で負ける場合がある。ただし、能力値の上昇はスキルの影響が強い、上位のスキル、勇者のスキルを持った者であれば、同じ鍛錬でも能力値は早く上昇は、同じ剣の技や魔法のレベルでも他のスキルを持つ者よりかなり速いし、仕える剣技や魔法も強力なものになり、より高度な技術をよりたやすく会得することができる。
だから、タイジの初級魔法の威力がかなり高度の魔法並みとなるのである。ただし、それはさほど厳密なものではない。経験則に近い。色々と研究はされているものの。
タイジの人妻チームの面々は、クロノスのもとで、騎士団や魔導士達と武術、魔法の鍛錬を、数日間行った。
「馬鹿な・・・。」
と呆然として、剣が手から消えてなくなって呆然としているのは、他国から来ていた女勇者だった。見回すと、聖剣は遠くに飛ばされていた。まだ若い、勇者認定されたばかりの、ピチピチの18歳。栗色の髪の毛の美少女は自分が油断したのだ、全力を出していなかったのだと思いたかった。相手のおばさんは、能力値は800になっているとはいえ、本当は信じていなかったが、まだ能力値500の自分だが、冒険者としての実績も踏み、実戦の経験も十分積んでいる認定勇者の自分が絶対負けるはずはないと思っていた。
「勇者様は、油断されていただけのこと。もう一度立ち合えば、剣技も、魔法の技術も私より優れておられる勇者様の勝ちですわ。」
と言ってさの30女は手を差し伸べた。周囲を見ると、練兵場の中で自分のパーティー12人が全員大地に倒れているのが目に入った。全員冒険者のレベルはSS級である。彼女は、即座に自分の負けを潔く認めるのがよいということに、即座に判断する賢明差があった。彼女は、にっこりと笑い彼女の手をとり、立ち上がって、一礼した。
「私達の完敗です、ヘル王妃様。流石、最強無双勇者様のパーティーの方々です。感服しました。次には負けないように、修練いたします。」
と落ち着いた口調で言った。
王妃ヘルは、
「私は剣神というスキルで、剣で戦ったから、運よく一本とれただけです。でも、認定勇者様から、そのような言葉をいただき嬉しく思いますわ。最強無双勇者パーティーの一員として頑張れるというものです。」
と余裕の微笑みを浮べて、女勇者の手を強く握り返した。
勇者がみんな、彼女のように謙虚さがあればいいのに、と話を後で聞いたタイジは嘆いた。
「リーリア・・・。き、貴様・・・それでも人間か?人の心はないのか?」
金髪の女勇者は、タイジの足元で倒れて動けなくなりながらも、犬型獣人の女の子を助けようとするかのように腕を必死に伸ばしながら、彼を罵った。
「君達が勝手に襲い掛かってきただけだろう?それを返り討ちにして何故悪い?正当防衛だろう?それに彼女達は死んでいないよ、殺していない。半死半生だけど、直ぐに回復魔法をかけてやるから心配するな、死なない程度ね動けない程度に。お前もそうしたいから、取り合えずくたばってくれ。」
「ぎゃー。」
断末魔のような叫び。剣を背中から胸に向けて突き刺したのだ。しばらく手足をばたつかせていたが、完全に静かになったのを見て、
「勇者だから、簡単には死なんだろうけど、回復魔法はすぐにかけてやるよ。でも、それで下手に復活すると困るな・・・しっかりと拘束しておくか。」
タイジは、そう言って彼女達に回復・治癒魔法をかけ始めた。
タイジは、実戦経験が必要だということで、騎士団の団員とともに魔獣退治に、この数日出かけていた、日帰りで、夜には彼のパーティーの女達を抱くために、出かけていた。流石に始めただと、放つ魔法が大きすぎたり、小さすぎて接近されたり、命中率が悪かったり、剣が空転したり、ちょっと危ないかもということもあったが、すぐになれ、効率的に倒せるようになった。魔族の一団がでたという話や野盗団のことを聞けば、その討伐にも参加した。そして、今日、他の国の認定勇者の女とそのパーティーも同行して魔族の一団との戦闘を行った。タイジの一人舞台で、短時間というより、ほとんど一瞬で全滅させた。その帰りに、勇者達が襲い掛かってきたのである。何となく雰囲気から予想がついていたこともあり、一瞬で倒してしまった。




