リタイア勇者パーティーの見舞い➁
「年上におっさん呼ばわりはされたくないですよ。それに、人妻大好きと言うわけではないですし、ハーレム趣味があるわけではありませんよ。」
とタイジは、大きなため息をついて答えて、事情を説明した、これで9回目の。
「やっぱり人妻ハーレム作っているんじゃないか?大体、人妻の臭いをプンプンさせておいて、どの口がいっているんだよ。全く羨ましいじゃないか?こちとら、こんなところで寝かされて、体を動かすのも一苦労だっていうのによ。どうだ、若いねーちゃんに上になって特別サービスサービスしてくれるように、国王陛下に頼んでくれないか?」
何とか身を起こした実年齢より少し老けてみえる、現在30歳、の岡野義治は元気そうに言い立てた。半分は冗談、半分は本心である。頭の回る、口の悪いおっさんと言うところだが、まあまあ人はいい、煙草と酒はかなり飲んだが、周囲に迷惑も、悪事もしてはいない。平均的な日本人の体格の、頭の毛が早くも薄くなりかけているのを気にしている。
「ちょっと無理ですよ。」
とちょっと困った顔のタイジが返すと、
「お前のハーレム要員は遠慮するぞ。俺は、ピチピチの若い女の子がいいんだからよ。おばさんは、お呼びじゃないからな。」
と笑った。
「最初からそんなつもりもないですよ。ただ、彼女達の前では、そんなこと言わないでくださいよ。怒り狂って、殺そうとしかねませんからね。何と言うか、彼女達の性格、考えが伝わってきているんでね。」
と苦笑いして答えると、岡野は、ここではヨシ・オーンと呼ばれている、急に真面目な顔になって、
「分かっているさ。一度勇者様に抱かれて能力値600になっている女達を怒らせたくないさ。だが、しかたがなかったとは言え、こんなことになってしまったからには気をつけろよ。女を寝取られた男の嫉妬って言うのは怖いからな。他の女に夢中になっていても、それとこれとは別問題だ。魔王は・・・最強無双勇者様とはいえ、油断はできないからな。王族の一人とその親衛隊に、勇者二人の俺達パーティーがこんな様だったからな。多分、お前は俺達全員を越えているとはいえ、絶対相手を甘く見るなよ。」
と説教もどきをしてきた。皆が、注意してとは言ったが、彼の口からでると、重みを大序は感じた。彼の機転というか、思いつき、洞察力は評価できるものだった。先の戦いで、彼はボロボロになっていたものの必死に痛みを堪えて、しっかと立って、
「みんな、最強無双の勇者がもうすぐ駆けつけてくれる。今少しの辛抱だ。」
と叫んだが、自らもかなり負傷し、親衛隊の半ばが倒れ、残りの大半が傷ついてはいたが、魔王の一族の魔族が退いたのは、それが効いたことは確かだったろう。
「ああ、それからたまにはもっと美味い食事をだせって言っておいてくれ。もう食べる方は大聖女様以外は大丈夫なんだから。あ、煙草も頼むぜ。ここのは不味いが、ないよりはましだ。」
とまだ煙草のニコチンの臭いが体臭となっている岡野は注文した。大序は苦笑しながら、
「よく言っときますよ。ああ、この2年間、料理も頑張ったんで、和食モドキ、和菓子モドキを出発するまでに作って差し入れしますよ。でも、残念ながら煙草は作れませんから。」
「くそお、残念だな。まあ、食べ物の方は、モドキでも楽しみにしておくよ。元気で帰ってこいよ。大好きな人妻さん達と。ついでに魔族の人妻もハーレムに加えたらどうだ?」
一瞬、大序は黙った。それに岡野は少し驚いて不安になって、言葉がでなくなった。大序は少し真面目な顔で考えるようだったが、
「そうなりそうな感じもしますね。まあ、俺も死にたくないですから、がんばりますよ。それより、早く元気になってくださいね。」
最後は笑顔になって、手を振った岡野のところから立ち去った。少しボケーっとした顔をして、岡野は小さく手を、彼の姿が見えなくなっても振り続けた。
何を考えていいかもわからなくなっていたが、自分でも訳が分からなかったが、
「奴の人妻ハーレムから借りたらよかったかな?」
とトンデモナイ言葉がでて驚いた。そんなこと考えていない、誰に弁明するでなく、また、言葉に出していた。
「まあ、あいつが頼りというところだからな。頑張ってくれよ。」




