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最強勇者スキルだけど口に出すのも恥ずかしい・・・  作者: 安藤昌益
新たな旅に

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新婚旅行

 ティオ市の冒険者ギルド内。


「だからあ、あんたが言うように俺達だけじゃあ無理で、全滅しかけたんだけど、旅のパーティーが助けてくれて、依頼を果たすことができたんだってば。わざわざ他人に助けてもらったと嘘を言う必要があるか?その逆はあるだろうけど。」

 若い冒険者の男は、後ろの年増の美人6人を従えた男をチラチラと見ながら、冒険者ギルドの若い、巨乳の眼鏡美人・・・ではなく、しわで肌がたるみはじめ、皮下・内臓脂肪が赤丸上昇中の中年女性受付嬢ではなく単なる中年の受付のおばさん、当人はそう言われると確実に怒るだろうが、に必死に反論していた。

 

 幼児ゴブリンのグループを殲滅の依頼を引き受けたパーティーが、無事に戻って来てキングをはじめとする特異体も存在する、実は依頼情報より質量ともにはるかに困難な依頼だった、かなり大きい部族だったと報告し、キングをはじめとする多数の幼児ゴブリンの耳を提出て成功報酬を要求したのだが、受付はC級パーティーでは困難ではないのか、疑義を突き付けてきたので、それに反論していたのである。

「疑うのなら、ギルドが受けた依頼の情報よりもずっと数が多かったというミスはどうするんだよ。」

と最後の反論を受けて、しかも依頼成功の証拠もしっかりでている、ギルドの情報よりはるかに数が多いこともそれからわかることでもあり、

「あなたの言う通りね。依頼達成として、成功報酬を支払うわ。」

ということになった。パーティー、炎の剣の7人のパーティーメンバーはホッとした表情になった。彼らは、後方の男を見た。彼は頷くと、前に出て来て、

「このギルドで冒険者登録をしたい。遠い国から来たんだが、あちらには冒険者という存在がなくてね。初めての冒険者登録ということになるのだが、いいかね?」

と穏やかな調子で言った。

「それはいいけれど・・・。本当に、あの幼児ゴブリンの群れをあの駆け出しパーティーと一緒に殲滅したのかい?」

「彼らがそういうならその通りだろう。等級を決める試験でもあるのかい?それとも、とにかく一番下からということかい?」

「一番下から、F級からだよ。後ろの女達はあんたのパーティーメンバーかい?名前と性別、年齢と職種を書くだけでいいよ。ところで、あんた、名前は?」

と用紙を窓口の女が出した。

「タイジだ。これに書けばいいのか?」

「ああ、そうだよ。」


「魔王騎士に、魔法・・・。全員魔法が使えるのかい?ただねえ、使えるだけなら書かない方がいいよ。一日一回煙草に火をつけられる程度なんていう魔法使いなんて意味ないからね。」

「何言っているんだよ。旦那と姐さん達の魔法ってのは、凄いのなんのって・・・。」

と勢い込んで割って入ったのは、炎の剣にリーダーだった。

「わかったわよ。もう疑わないから。じゃあ、聞いているかもしれないけど、ざっとギルドの規則を言うわよ。」

と彼女が説明を始めた。それが終わると、

「依頼の件だが、例えば俺達がA級のパーティーと組めば、A級の依頼を受けることができるのか?」

とタイジが質問すると、

「まあ・・・そうなるかしら・・・。炎の剣と一緒ならC級の依頼は受けられるわね。」

 そうこうしているところに、後ろから、

「おや、駆けだしパーティーが無事に帰ってこれたようだな。」

と大きな声が聞えてきた。

 炎の剣のメンバーの魔導士の女が一歩後ろに引き、その前にもう一人の女メンバーである剣士が立った。男のメンバーは全員動かなかったが身構えていた。


「お約束的な展開かせ来たか。」

とタイジが呟いた。A級パーティー、栄光の一撃、リーダー、大柄な歴戦の髭面の重剣士だった、は炎の剣の魔導士の女、まだ少女から抜けきっていないが、に言い寄っていた。炎の剣の依頼情報が実際よりかなり過小評価だったのは、彼が裏から手をまわしていた結果ではないかと言われていた。

 が、彼の関心は今は彼女から離れていた。

「見ない美人だな。あの男のパーティー?あんなの振って、俺の所に来ないか?」

とヘル達にすかさず言い寄ってきた。

「なにやってんのよ。こんな年増のおばさんに。」

と罵る槍を持った女が罵る。

「全く・・・手加減してやってくれよ、みんな・・・しなくてもいいか?いや、死なない程度にやってくれないと・・・でも、他の怖気づいたパーティーに強引にお願いしてもいいか?」

と彼がとりとめなく考えを巡らせていると、

「なんだ?俺にもう惚れたか?ははは・・・て、て・・・何しやが・・・ぎゃあー。」

「このババア・・・何をしやがる・・・あ・・・。」

 続けざまに何かが床に倒れる音。

「リーダー!」

「姐さん。」

「この糞ババア。」

「偉大な火の精霊よ、我が敵に破滅をもたらす業火を降り注がせ。」

「ちょっとあんた、あんたの女達を止めて、謝らせなさいよ。ギルドが燃え落ちちゃうよ。」

とのんびりと、他人にはそう見えた、書類に記入しているタイジに窓口の女が懇願した直後に全ては終わっていた。

 魔導士の女以外は、全員が床にのびていた。

「どうして私の魔法が発動しないのよ、どうして?」

と狼狽えているのを、ヘル以下6人がニヤニヤして見ていた。魔法が抑え込まれたんだと誰か教えてやれよ、と心の中で思いながら、

「書類は書いたからよろしくな。証明書は何時?」

「ああ今直ぐに・・・。」

 タイジは立ち上がり、狼狽えている女魔導士に事態の説明はすることなく、痛みでめを覚まし唸っている炎の剣のリーダーに、

「俺のパーティーと合同で依頼を受けてくれないか?嫌なら全員殺すシ、受け入れるなら分け前をやるが、どうだ?」 


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