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最強勇者スキルだけど口に出すのも恥ずかしい・・・  作者: 安藤昌益
新たな旅に

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さあ偽勇者を殺してしまいなさい

「では、偽勇者には死んでもらいましょう。この世界は、我が主君である、聖人であるゲントク様が統治して、理想の政治、統治をなさるのです。あなたのような異世界から転移してきた化け物には、いなくなってもらいます。さあ、どこかの世界に飛ばされてしまいなさい。」

 突然、地面が光りだした。見えないようにしていたが、別の魔法陣が作られていたのである。これでタイジは身動きがとれなくなり、魔法陣の中では何もできない状態になっていた。どうにもこうにもならなくなったのである。もはや諦めることしかできなかった。


 ということはできなかった。渾身の力で周囲に立ち昇り、渦を巻く魔法の流れを、剣に魔法を幾重も纏わせて一閃した。ばしっ、という音は聞えなかったが、そのような感じがし、そのような音が聞こえたような気がした、周囲の多くの人間達が。魔法陣は機能が停止した。魔法陣の一部が削除されたというか、吹き飛んでしまったのである、タイジの剣と魔法で。


「ば、馬鹿な・・・。異世界転移魔法が・・・魔法が発動されてから・・・これだけの魔力で発動されているにも関わらず・・・途中で止めるなど・・・。」

 流石にコウメイが動揺する中、後ろから大柄な髭面の男2人がのそっと出てきた。

「らしくないぞ、軍師殿。ここは、我らが力づくでこの屑勇者を黙らせてやりましょう。」

「義次兄。やってやろうじゃないか。」

その2人を見て、コウメイは落ち着きを取り戻した。

「おお、カンウ殿、チョウヒ殿。頼もしいお言葉。ここはお願いします。他の者達は、お二方が屑勇者を倒す邪魔をしようとする連中を蹴散らせ。竜の陣。」

とどこから取り出したのか、ひどく大きくて重そうな軍配をかかげた。

「明日の幸せな世界のため、屑勇者とそれにつながるものを倒すのです。」

 彼の軍配が動き、大きな聖矛を構えたカンウとチョウヒはタイジに向って襲い掛かった。他の連中は人妻S他に向って行った。

「屑勇者。世界を救おとする我らの絆の前に死ぬがいい。・・・?」

 竜神国の秘法である聖矛が、2人の首とともに飛んだ。それを見ても、その時は余裕を、コウメイは持っていた。このような状態になっても再生できからだ。それは聖矛も同様だった。が、次の瞬間、その聖矛もカンウ、チョウヒの体が崩れ落ちるのを見て震えた。

「ぎゃあー。」

 コウメイを守っていた大楯士、結界士達が悲鳴をあげて倒れた。

「私に2つの斧で向かって来るなんて、身の程知らずね。」

「私なんか、棒でよー。馬鹿にしていません?」

「私もあっちに投げるんだった。」

「いいのではないですか?みんなを守るのに使ええば。」

「え~と、もう終わりですか~。」

「う~ん。もう終わってしまうとは・・・つまらないわ。」

「みんなあまり油断しないように。まだ奥の手があるかもしれないぞ。」

とタイジが締めた。クロノスは、何かがないかと周囲を警戒していた。その彼を守ろうと、ヘレネが剣を構えていた。

「タイジ。上だ。」


「世界の守り神。黄金神竜。この悪なる屑勇者を・・・。」

 狂気して叫びかけたコウメイだったが、その神龍が視界から消えた。そして、暫くすると周囲に黒焦げになった、バラバラになった神龍が落ちて来た。

「ば、馬鹿な・・・。」

 またまたよろめくコウメイ。その後ろから、フードをかぶっていた女がフードを取って前に出てきた。

「何?あの化け物顔は?」

「女?」

「人間?」

「まさす、あれがコウメイの聡明な妻?」

「この世のもの?」

「そもそも何?」 

と人妻S。


「我らの絆を。」

と叫んだ直後、その女も八つ裂きになった。

「へ、陛下。お許し下さい。こうなれば私の命を捧げて、最後の策を。」

 自分の前に流れる神龍と妻の知の海に飛び込み、

「1000年後の未来に追放だ、屑勇者。ゲントク様が作る、皆の笑顔が絶えない理想の国を見るがいい。」

と叫んで首をかき切った。


「う!」

 流石に今までにない魔力に、タイジも驚いた。それを抑えつけたが、人妻Sも巻き込まれているのに気が付くのが遅れてしまった。

「勇者様!」

ハーモニーする6人。慌てて、彼女らを包む光の中に飛び込んだ、タイジ。何かの衝撃で、クロノス他全員がその場でよろめいた。光のが歪んだように見えた。再び、その効力が消滅するかに見えた。が、完全になくなってはいないように見えた。

「勇者様・・・。」

 クロノスは呟いた。タイジと人妻Sは彼の目の前から消えていた。


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